シュプリーム

Supreme出身のデザイナーが手掛けるブランド7選!実はあのブランドも?!

1994年にニューヨークの小さなスケートボードショップから始まったシュプリーム(Supreme)は、今やストリートのみならず世界のファッションブランドの中でもトップクラスの人気と知名度を誇るモンスターブランドに成長しました。

開業当初はセレクトショップとしての側面が強かったシュプリームですが、ボックスロゴTシャツを始めとするオリジナルアイテムが人気を博すと、次第に毎シーズンのコレクションとして様々なオリジナルプロダクトをリリースするようになります。

シュプリームの成長と共に巨大化したデザインチームには、のちにオリジナルブランドを手掛けるまでになったデザイナーや、トップブランドのクリエイティブディレクターに招聘された人物も多数所属していました。

今回はそんなシュプリームのデザインチームが輩出したデザイナーと、彼らの手掛けるブランドを7つご紹介致します。

■DENIM TEARSのトレマイン・エモリー

まずは2022年からシュプリームのクリエイティブディレクターを務めるトレマイン・エモリーのデニムティアーズ(DENIM TEARS)

「デニムの涙」と名付けられたこのブランドは、アフリカ系アメリカ人の奴隷制度にスポットを当て、そのストーリーを発信することをブランドの理念としています。
アフリカのガラ・ギーチー族の職人技術であるキルティングスケッチを取り込んだシャツや、アメリカに渡った黒人奴隷の主な仕事だった綿花摘みをイメージしたデニムをリリースしているデニムティアーズ。

出典:fashion-press

そのメッセージ性に共感したセレブリティも多く、カニエ・ウェストやオフセット、エイサップ・モブなど、多くの有名人ファンの着用も注目されています。


出典:gangstamarket

■8 ball zinesのニック・アトキンス


出典:hypebeast

1982年アメリカ・ボストン生まれのニック・アトキンス(Nick Atkins)はヘッドデザイナーとしてトレマイン・エモリーと共に現在のシュプリームを牽引する人物。
クリエイティブ集団「エイト ボール ジンズ(8 ball zines)」のメンバーとしても活動し、そのグラフィックやアート作品はドーバーストリートマーケットなどでもポップアップが開催されています。

■AWAKE NYのアンジェロ・パク(Angelo Baque)


出典:bstn
AWAKE NY(アウェイクニューヨーク)を手掛けるアンジェロ・パク(Angelo Baque)は、西海岸ストリートファッションの雄であるStussy(ステューシー)で経験を積んだのちに、2007年以降10年にわたり、シュプリームのアートディレクションやマーケティングを手掛けてきました。

そんなアンジェロが2011年にスタートしたAWAKE NYは、ニューヨークのマンハッタンにインスパイアされ、格子柄のトレンチコートにニューヨークの摩天楼やパリのエッフェル塔など、世界中の象徴的な建造物がプリントされたコートや、ニューヨーク近代美術館(MoMA)から盗んできたかのような名作アートをプリントしたTシャツが人気を博し、近年ストリートでの存在感を大きくしています。

また、近年ストリートファッション界がこぞって行うブランドコラボにも積極的に取り組んでおり、アシックス(Asics)やリーボック(Reebok)、モンクレール(Moncler)などとのコラボレーションは、各地で即完売を連発しております。

■NOAH NYCのブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzie)


出典:NOAH NY
2006年から2015年にかけて、シュプリームのクリエイティブディレクターを務めたブレンドン・バベンジン(Brendon Babenzie)は、シュプリームを卒業後、同年NOAH(ノア)を立ち上げました。

シュプリームやAWAKE同様、ブレンドンが少年時代を過ごしたニューヨークの名を冠したこのブランドの大きな特徴は「サステナビリティ」だと言えるでしょう。

サステナビリティとは直訳で「持続可能性」。
自然環境や人間社会などが長期にわたって機能やシステムを失わずに良好な状態を維持させようとする考え方を指します。

服の過剰包装による環境問題や、縫製工場の低賃金労働に声を上げるNOAHは、近年世界各国が優先して取り組むサステナビリティを追求するファッションブランドとして、今世界中で注目を集めています。
ストリートファッションであると同時に上品なメンズウェアとしてのシルエットも保っているNOAHは、シュプリームを卒業したオトナ男子にもオススメなブランドかも知れません。

公式サイト

■PROPER GANGのマックス・ヴァンダーウッド・グロス(Max Vanderwoude Gross)


出典:mastered
2015年、シュプリームを卒業しNOAHを立ち上げたブレンドン・バベンジンの後任としてシュプリームのヘッドデザイナーの座を射止めたのはマックス・ヴァンダーウッド・グロス(Max Vanderwoude Gross)でした。

現在のシュプリームを牽引する存在と言っても過言ではないマックスは、2012年から2017年にかけて、自身のブランドであるProper Gang(プロパー・ギャング)を手掛けており、一時はシュプリームと並行して同ブランドの製作を行っていました。

ブランド名の由来は「完全なギャング」の名の通り、デザイナーを務めるマックス自身が問題児だった過去になぞらえて名付けられているそうです。

プロパー・ギャングはシュプリーム同様に古今東西の様々なアーティストからインスパイアを受け、それをパステルカラーや原色を上品に使って落とし込んだデザインが魅力。

現在は残念ながら休止中ですが、いつの日か復活してくれるのを祈るばかりです。

■OAMCのルーク・メイヤー(Luke Meier)


出典:fashion-press

シュプリームのヘッドデザイナーを2006年から2014年に渡って務めたルーク・メイヤー(Luke Meier)は、2014年より自身のブランドOAMC(オーエーエムシー)を手掛けています。

OAMCはシュプリーム培ったストリートスタイルを日本やイタリアで作られる最高品質の生地と組み合わせ、モダンでラグジュアリーなメンズウェアを展開しています。

シュプリームも含めたストリートファッションにありがちなビビッドな色使いやピーキーな柄を封印し、ベージュやグレー、カーキといった落ち着いた色合いで展開されるコレクションには、ストリートファッションで生まれがちな「子供っぽさ」は皆無だと言えるでしょう。

公式サイト

■Jil Sanderのルーク・メイヤー(Luke Meier)


出典:Jil Sander
OAMCを手掛けるルーク・メイヤーは、妻でありDiorのヘッドデザイナーをも務めたルーシー・メイヤー(Lucie Meier)と共に、2017年から世界的なファッションブランドであるジル・サンダー(Jil Sander)のクリエイティブディレクターに就任しております。

ジル・サンダーは1968年にドイツでヘイドメリー・ジリーン・サンダー(Heidemarie Jiline Sander)が自身の名を冠して作ったブランドです。

ドイツらしい質実剛健な物作りをミニマルなデザインに落とし込んだブランドは1985年のミラノコレクションをきっかけに大ブレイク。
1999年にはプラダグループがジル・サンダーの株式を75%取得し系列企業化。
翌年素材のコストバランスやデザインシルエットにおけるプラダとの対立から、デザイナーであるジリーンはブランドから退きます。

その後2004年にジリーンは復帰するも同年のコレクションを最後に再び辞任。
以後、ラフ・シモンズやロドルフォ・パリアルンガ、そしてジリアンの再々就任と再々退任を経て、ルーシーとルーク・メイヤー夫妻がクリエイティブディレクターに就任しました。

ルークのストリートファッションへの深い造形とルーシーのラグジュアリーブランドへの知見、そしてブランドが本来持つ素材にこだわった質実剛健な物作りが絶妙に合わさった現在のジル・サンダーは、ファッショニスタの間からも歴代最高との声も多く聞こえています。

公式サイト

■オマケ -ジリアンのその後-

ジル・サンダーの創業者であり、苛烈なまでの品質へのこだわりで知られるジリアンですが、ジル・サンダーの退任後2009年3月にユニクロと提携し「+Jコレクション」を開催。

世界のプラダグループとも品質をめぐって徹底的に争うジリーンがユニクロのもの作りを認めたと話題になり、コレクションは即完売。
以降「ユニクロ=オシャレ」という価値観が一般に定着したほか、味を占めたユニクロが他の有名ブランドとの積極的なコラボを毎年発表するきっかけとなりました。

■さいごに

シュプリームはわずか30年にも満たない歴史の中で、様々なスタイルのブランドを手掛けるデザイナーを数多く輩出してきました。

一般的なストリートファッションブランドと一線を画すシュプリームの深い魅力は、こうしたシュプリームにゆかりのあるメンバーの現在のクリエイションを見ることでも伺い知ることが出来ると言えるでしょう。

シュプリームの購入はスニダンから!


ABOUT ME
しゅー
2022年まで約6年間にわたって大手IT系企業に在籍。ファッションブランドやゲーム会社のマーケティング、カスタマーエクスペリエンス強化、海外進出を支援。Supreme、スニーカー、ラグジュアリーストリートが大好物。