ストリートファッションブランドの雄、シュプリーム(Supreme)。
赤いボックスロゴが想起されがちなブランドですが、古今東西のサブカルチャーにインスパイアされたアイテムもシュプリームの十八番です。
中でも毎シーズン注目を集めるシリーズのひとつに、シュプリームがセレクトする映画とのコラボレーションアイテムがあります。
シュプリームがピックアップするのはメジャーな大ヒット作よりも、少しマイナーな映画が多め。
特に、血生臭いノワール映画やホラーなど、現代の闇を切り取ったかのような暗い作品にスポットを当てるケースが目立ちます。
今回の記事では、これまでシュプリームがフィーチャーしてきた映画達を16作品ピックアップ。
あなたはこのうちいくつ観たことがある？
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目次
- ■タクシードライバー(1976)
- ■ヘル・レイザー(1987)
- ■魔人ドラキュラ(1931)
- ■悪魔のいけにえ(1974)
- ■スカーフェイス(1983)
- ■殺し屋1(2001)
- ■狼 男たちの挽歌・最終章(1989)
- ■グレムリン(1984)
- ■キング・オブ・ニューヨーク(1990)
- ■チャイルド・プレイ(1988)
- ■ガンモ(1997)
- ■KIDS/キッズ(1995)
- ■ゴッドファーザー(1972)
- ■AKIRA(1988)
- ■E.T.(1982)
- ■羊たちの沈黙(1991)
- ■さいごに
■タクシードライバー(1976)
出典：sonypictures
シュプリームが初めて作成したオリジナルアイテムはボックスロゴTシャツ、アフロのスケーターを描いたTシャツ、そしてこのタクシードライバーにフィーチャーしたTシャツでした。
この映画はベトナム帰還兵のトラヴィスが、日々のフラストレーションと不眠症によって心を壊してゆくさまを描いたもの。
今もなお名作を発信し続けるマーティン・スコセッシ監督の出世作となりました。
なお、こちらのTシャツはシュプリームが20周年となった2014年に再販されました。
出典：bend
■ヘル・レイザー(1987)
出典：eiga
1987年に公開されたイギリス発のホラー映画ヘル・レイザーとシュプリームは2018年SSシーズンでコラボレーションを果たしました。
映画に登場するキャラクター、ピンヘッドにフォーカスしてTシャツやトレンチコート、セーターなど13種がリリース。
ピンヘッドが人気ホラーゲーム「Dead by Daylight」への参戦したことによって、日本でも知名度が上がった映画ヘル・レイザー。
スプラッタ満載なこのホラー映画はHuluが制作権を獲得し現在リブート版が制作中です。
■魔人ドラキュラ(1931)
出典：amazon
2019年SSシーズンのシュプリームでは伝説のホラー映画、魔人ドラキュラにフィーチャー。
黒マントにオールバックという、皆がイメージする「ドラキュラ」像を作り上げたのがまさにこの映画です。
出典：rakuten
■悪魔のいけにえ(1974)
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ホラー映画の金字塔悪魔のいけにえ(The Texas Chainsaw Massacre)とシュプリームは2017年FWシーズンでコラボレーション。
ホラーコミックのイラストレーター、バーニー・ライトソンによるペンスケッチでTシャツがリリースされました。
悪魔のいけにえにはテキサスに帰郷した男女が人皮のマスクを被りチェーンソーを振り回す大男レザーフェイスに次々と殺されているホラー・スプラッタ映画。
マスク、大男という特徴からジェイソンと混同する人も多いキャラクターです。
出典：stockx
■スカーフェイス(1983)
出典：wedplain15
キューバ人の青年がアメリカに渡り、コカインの密売で名をあげていく様を描いた1983年の映画、スカーフェイス。
名優アル・パチーノが主演を務め、全てを手にした男とその破滅までを描いた本作はのちの多くの映画、ドラマ、ゲームなどに影響を与えました。
そんなスカーフェイスとシュプリームは2017年FWシーズンでコラボレーション。
主人公トニー・モンタナが最後に命を落とす噴水の“THE WORLD IS YOURS”の彫像を模したスタンドや映画のポスターをプリントしたTシャツ、セーターなどがリリースされました。
■殺し屋1(2001)
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山本英夫による日本の漫画「殺し屋1」を三池崇史監督が2001年に映画化。
従来性描写によって指定されていた映倫のR-18指定が初めて暴力描写に対して適用された作品としても有名です。
気弱な青年ながらトラウマが発症すると泣きながら殺人を犯す殺し屋、城石一と、マゾヒストのヤクザ垣原雅雄の邂逅を描いた本作はカルト的な人気を誇る1本。
2020年SSシーズンでシュプリームは、そんな映画版殺し屋1とコラボレーション。
浅野忠信演じる垣原の顔面のドアップや劇中のグロテスクな顔面切断シーンなどプリントしたTシャツやパーカーなどをリリースしました。
出典：buyma
■狼 男たちの挽歌・最終章(1989)
出典：ameblo
香港の映画俳優チョウ・ユンファ（周 潤發）がハリウッド進出を果たすきっかけとなった映画がこの「The Killer(邦題：狼 男たちの挽歌・最終章)」です。
激しい銃撃戦と男達の友情を描いた本作は、プロデューサーの尽力もあり、香港映画ながら欧米でも公開に漕ぎつけた作品。
シュプリームは2018年FWシーズンでこのThe Killerとコラボレーション。
香港ノワールとして世界に名を轟かせた本作の名シーンやタイトルバックをプリントしたTシャツやパーカーをリリースしました。
出典：stockx
■グレムリン(1984)
出典：asahi
可愛らしい見た目の生物「モグワイ」の醜悪な変貌が凄まじい、映画グレムリン。
そのキュートな見た目に騙されて視聴したキッズにトラウマを植え付ける怪作です。
シュプリームでは2022年FWシーズンにグレムリンコラボを実施。
フーディやホッケーシャツ、スケートボードデッキなどを発売しました。
出典：uptodate
■キング・オブ・ニューヨーク(1990)
出典：yahoo
ニューヨークマフィアのボス、フランク・ホワイトと警察の激しい攻防を描いたクライムサスペンス「キング・オブ・ニューヨーク(King of New York)」。
ダークでノワールな世界観を徹底して描く本作は発表から30年を過ぎた現在も多くのファンを虜にしています。
そんなキング・オブ・ニューヨークとシュプリームは2019年SSのWeek 1でコラボレーション。
窓ガラスに映る摩天楼とクリストファー・ウォーケン演じるフランクの1ショットがプリントされたTシャツをリリースしました。
出典：supsupsup
■チャイルド・プレイ(1988)
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言わずと知れた殺人人形、チャッキーを生み出した怪作とシュプリームが2020年FWシーズンでコラボレーション。
チャイルド・プレイは手配中の連続殺人犯の魂が子供用おもちゃ「グッドガイ人形」に乗り移り、小さな殺人鬼として暗躍する姿を描いたスラッシャームービー。
映画の象徴とも言えるグッドガイ人形をシュプリーム仕様にアップデートしたこちらのアイテムは、多くのファンを引きつけ、未だリセール市場で高値をつけている逸品です。
出典：supsupsup
■ガンモ(1997)
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1997年にハーモニー・コリン監督のデビュー作として作られた「ガンモ(Gummo)」。
竜巻に襲われたオハイオ州の都市ゼニアで巻き起こる不条理な日常を描いたこの作品は、ハリウッドの作る煌びやかなアメリカとは違う、貧困と暴力に溢れた地方都市の現状を市井の人の視点から描いた作品となっています。
この映画ではシュプリームと関係も深いマーク・ゴンザレスなども参画したストリートカルチャーにとっても歴史的な一本。
そんな経緯もあってか2022年SSでシュプリームはこのガンモにフィーチャーしたコレクションを発表しました。
出典：supsupsup
■KIDS/キッズ(1995)
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のちに「ガンモ」で鮮烈なデビューを飾るハーモニー・コリンが高校生時代に書いた脚本をもとに制作された映画「KIDS/キッズ」。
演技未経験だったニューヨークのスケーターたちをスカウトし、少年少女のドラッグ、SEX、エイズ問題をリアリティ抜群に描き切った本作は大きな評価を受けました。
映画公開20周年を記念して2015年SSシーズンでシュプリームとKIDSはコラボレーション。
ジャスティン・ピアース、クロエ・セヴィニー、ハーモニー・コリンといったシュプリームと縁が深い人物が起用されている本作とのコラボは必然だったと言えるでしょう。
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■ゴッドファーザー(1972)
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公開されるやいなや当時の興行記録を塗り替え、世界的大ヒットを記録したクライム映画「ゴッドファーザー(The Godfather)」。
ニューヨークのマフィアたちの血で血を洗う抗争や粛清の嵐を描き切った本作は、マフィア映画の金字塔として現在に至るまで高い評価を受けています。
そんなゴッドファーザーのポスターアートにフィーチャーしたアイテムをシュプリームは2001年にリリース。
シュプリームのビンテージアイテムの中でも高い知名度を誇る逸品です。
出典：rakuten
■AKIRA(1988)
出典：candytower
日本のアニメーションを世界に知らしめた傑作、AKIRAとシュプリームは2017年にコラボレーション。
映画というより原作の漫画をフィーチャーしたコラボではありましたが、ファンにはたまらない内容。
本漫画を元に制作されたアニメ映画中で、金田がバイクを横滑りさせて急停止させるシーンはあまりにも有名。
現在サンライズによって新アニメ化プロジェクトが進行中とのことです。
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■E.T.(1982)
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スピルバーグ監督による言わずと知れた傑作、E.T.。
幼少期に両親が離婚した時の、スピルバーグ監督の心情を元に作られた本作は、少年と地球外生命体の友情を描いた作品ではありながらシュプリームがいかにも取り上げそうな映画。
2015年にスケートボードデッキやフーディ、Tシャツなどが発売されました。
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■羊たちの沈黙(1991)
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名優アンソニー・ホプキンスの出世作として知られ、アカデミー賞５部門を制覇したサスペンス・ホラー映画の金字塔、羊たちの沈黙。
この映画で登場したハンニバル・レクターという殺人鬼は、それまでの映画における“殺人鬼”のイメージ、すなわちおどろおどろしい造形で、ひたすら主人公たちを追いかけ切り刻むというようなイメージを一変。
紳士的で頭の切れる中年男性の静かな迫力は、以降数多くの作品に多大なる影響を与えました。
2015年SSシーズンでは、満を持してシュプリームが羊たちの沈黙にインスパイア。
制作されたロンTはレクター博士の顔ではなく、映画における象徴的なマクガフィンであった蛾の羽ばたきをプリントしたデザインとなっていました。
■さいごに
今回の記事では、シュプリームがこれまでにコラボしてきた映画の中から16作品ピックしご紹介致しました。
今やストリートファッションの王者的存在となったシュプリームですが、本質はサブカルチャーにフォーカスしたスケーターブランド。
そのアングラな精神を忘れていないことの証左かのような作品のチョイスでした。
ダークな映画にフィーチャーし続けるシュプリーム。
今後はどんな映画とコラボするのかこれからも楽しみです。
