ストリートファッションブランドの雄シュプリーム(Supreme)の大きな魅力といえば、様々なジャンルの音楽や映画/アートといったカルチャーにフィーチャーしたアイテム達。
その範囲は幅広く、明らかにストリートキッズとはジャンルが異なるコンテンツにも果敢に飛び込んでゆくシュプリームの姿勢は同ブランドが大きな成長を遂げた要因の一つです。
そんなシュプリームのコラボレーションの中でも特に注目を集めているのが世界を代表する現代アーティストにフィーチャーしたアイテム達。
今回はまさに伝説と称すべき世界のトップアーテイストとシュプリームのコラボレーションを20種ご紹介致します。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
- ■ラメルジー
- ■キース・ヘリング
- ■ダミアン・ハースト
- ■ジャン=ミシェル・バスキア
- ■カウズ
- ■村上隆
- ■ジェフ・クーンズ
- ■アンドレイ・モロドキン
- ■ジョエル=ピーター・ウィトキン
- ■ジャクソン・ポロック
- ■アダム・コスト
- ■マイク・ケリー
- ■アンディ・ウォーホル
- ■マーティン・ウォン
- ■H・R・ギーガー
- ■ピーター・サヴィル
- ■ギルバート&ジョージ
- ■ダッシュ・スノウ
- ■マウリッツ・エッシャー
- ■ウルス・フィッシャー
- ■さいごに
■ラメルジー
出典:grailed
アイテム発売年:1994年/2020年/2023年
様々な現代アーティストとコラボしてきたシュプリームですが、シュプリームが初めてコラボした現代アーティストがラメルジー(RAMM:ΣLL:ZΣΣ)だったことはあまり知られていません。
シュプリームが創業して間もない1994年、手書きのネオンプリントが施されたトラッカーハットを、ラメルジーコラボとしてリリース。
その後もシュプリームの店舗の内装にラメルジーのアートを使用するなど関係が続いていましたが、彼は2010年に死去。
彼の死後10周年の節目として2020年に、彼がボックスロゴTを着用しているTシャツがリリースされました。
その後、2023年にはナイキ×シュプリームのコラボスニーカーにラメルジーのアートワークを利用。
ハイ/ローカットのダンクが発売し、発売日は世界中で大行列となりました。
■キース・ヘリング
出典:boo-bee
出典:hypebeast
アイテム発売年:1998年/2009年
定期的なユニクロとのコラボレーションのおかげか現代アーティストの中でも抜群の知名度を誇るキース・ヘリング。
そんなキース・ヘリングは、実はまだ今ほどシュプリームの知名度が高くない1998年にコラボレーションを果たしています。
その後2009年にシュプリームとキース・ヘリングは再コラボ。マルコム・マクラーレン、VANSとのトリプルコラボスニーカーをリリースしました。
現在でもこれらのキースコラボ、特に1998年コラボのアイテムは人気が高く、当時の定価の10倍近い価格で取引がなされています。
■ダミアン・ハースト
出典:hypebeast
出典:hypebeast
アイテム発売年:2009年
2009年、シュプリームはイギリスのコンテンポラリーアーティストの筆頭ダミアン・ハースト(Damien Hirst)と2度にわたってコラボレーション。
1度目のコレクションでは、サイケデリックでカラフルな表面と、単色にロゴマークを羅列した裏面が目を惹くスケートボードデッキをリリース。
2度目のコレクションではドラッグの錠剤を表していると言われる、白い背景に等間隔にカラフルな斑点を配するスポットペインティングにフィーチャー。
なお、こちらのスケートボードセットは歴代のシュプリームコラボの中でもトップクラスのプレミア化。
そのうちの1セットは自身のコスメティックスの成功により20代前半にして世界的な大富豪へと成り上がったカイリー・ジェンナーと、大人気ラッパートラヴィス・スコットの娘であるストーミちゃんの部屋に飾られています。
■ジャン=ミシェル・バスキア
出典:ug-shaft
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アイテム発売年:2013年
グラフィティアーティストの巨匠ジャン=ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)は27歳の若さで急逝するまでの間に約3,000点のドローイングと1,000点以上の絵画作品を残した偉大な黒人アーティストです。
あのアンディ・ウォーホルともしのぎを削ったバスキアは死後30年以上が経った現在においても人気絶大。
近年ではユニクロやオフホワイトとのコラボレーションも記憶に新しいバスキアですが、シュプリームは2013年に先駆けてコラボレーションを実施。
バスキアのドローイングをプリントしたシャツなどのアパレルアイテムをリリースしました。
■カウズ
出典:widewalls
出典:sarugeneral
出典:Supreme
アイテム発売年:2001年/2008年/2011年/2021年
ある意味現在のストリートカルチャーと最も親和性が高い現代アーティストだと言えるのがこのKAWS (カウズ)。
ミシュランマンから鉄腕アトム、果てはミッキーマウスに至るまで数多くの既存IPをもじったキャラクターを生み出してきたKAWSのトイアイテムは現在においてもコレクター達から絶大な人気を集めています。
2001年にはシュプリームとスケートデッキでコラボレーション。
2008年にはシュプリームの創業当初のプロモーションをTシャツ化した2004年のケイト・モスTにKAWSが加筆した特別コレクションがリリース。
続く2011年と2021年では、ボックスロゴをKAWS風にリメイクしたアイテムがリリースされました。
■村上隆
出典:hypevault
アイテム発売年:2007年/2020年
ポップなお花柄が世界的な知名度と人気を誇る現代アーティスト、村上隆。
ストリートファッションやスニーカーの祭典コンプレックスコンの主催や、オフホワイトやルイヴィトンを率いるヴァージル・アブローとのコラボレーションなど、ストリートとの親和性も高い人物です。
彼とシュプリームの関係は2007年に始まり、3種類の犬にフィーチャーしたスケートデッキを発売。
その後、2020年には新型コロナウイルスのチャリティーとして、シュプリームのボックスロゴをお花柄にしたTシャツを限定リリースしました。
■ジェフ・クーンズ
出典:mutualart
アイテム発売年:2006年
アメリカの現代アーティスト、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)は、バルーンアートで製作した犬の彫刻「Balloon Dog」などで著名。
当該Balloon Dogを元に、ユニクロなどともコラボしているジェフ・クーンズですが、シュプリームは別作品をフィーチャー。
2006年にリリースされたコラボでは、「Monkey Train」と名付けられたスケートボードデッキが発売されました。
■アンドレイ・モロドキン
出典:chiamarsimc
アイテム発売年:2004年
ロシア出身のアンドレイ・モロドキン(Andrei Molodkin)はドローイングや彫刻が著名なアーティスト。
アナーキーな作風でも知られ、中でもアイルランドの36人の一般市民の血液を使ったインスタレーションが物議を醸し、一気にその名が広まった人物です。
シュプリームが2003年にアンドレイにフォーチャーした際には、ボックスロゴをアンドレイ流にペイントしたTシャツと、4組セットのスケートボードデッキがリリース。
また、サンプル品としてボックスロゴTのバックに当時不動産王でありTVショーの有名ホストだったドナルド・トランプの顔がプリントされたTシャツが発表されました。
■ジョエル=ピーター・ウィトキン
アイテム発売年:2020年
ジョエル=ピーター・ウィトキン(Joel-Peter Witkin)はニューヨーク出身の写真家。
1961年からベトナム戦争における戦場カメラマンとして活躍後、フリーのカメラマンとして「死」「身体障害者」「性転換」「マイノリティ」といったテーマを元にアート作品を発表。
彼の作品は他のファッションブランドも注目しており、シュプリームが2020年のコラボでもフィーチャーした「Sanitarium」は、アレキサンダーマックイーンの2001年春夏コレクションのショーでも起用。
出典:vogue
同ファッションショーにて、キャットウォークスペースの中央にある半透明のガラス張りのボックスが突如開くと「Sanitarium」の姿そっくりに呼吸器をつけて蛾に覆われた椅子に寝そべる裸のモデルが登場し、周囲は割れたガラスの破片と飛び回る蛾に包まれました。
■ジャクソン・ポロック
出典:thestute
アイテム発売年:1999年
キャンバスいっぱいに様々な色のペンキを叩きつけるように線を描く「アクション・ペインティング」の代表的なアーティストであるジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)にフィーチャーしたシュプリームのアイテムは1999年にリリースされました。
シュプリームお馴染みのボックスロゴのボックス部分にジャクソン・ポロックの代表作を落とし込んだTシャツは歴代のボックスロゴアイテムの中でも屈指のレア度を誇ります。
■アダム・コスト
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アイテム発売年:2010年
ニューヨークを代表するグラフィティアーティストの一人である アダム・コスト(Adam Cost) は1990年ごろから無許可で街の至る所にグラフィティペイントやステッカーの貼り付けを実施。
1995年には郵便ポストにステッカーを貼っているところをNY市警に逮捕されるも、2010年にカムバックを果たしています。
シュプリームはこのグラフィティアーティストの巨匠のカムバックを記念し2010年にTシャツをリリースしました。
■マイク・ケリー
出典:snobette
出典:reddit
アイテム発売年:2018年
マイク・ケリー(Michael “Mike” Kelley)の代名詞的な作品である、使い古しのぬいぐるみを使ったアートは2018年にシュプリームによってアパレルやスケートボードデッキに落とし込まれました。
その種類は多岐に渡り、同コラボレーションでリリースされた半袖T、クルーネックスウェットシャツ、コーチジャケット、パーカーなどを見ていると、シュプリームのマイク・ケリーに対する力の入れようが伺えます。
■アンディ・ウォーホル
出典:boo-bee
アイテム発売年:2016年
世界で最も有名な現代アーティストといえばアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)であることに疑いの余地は無いでしょう。
2016年に行われたシュプリームとアンディ・ウォーホルのコラボレーションは大方の予想を裏切り、キャンベルスープ缶やマリリン・モンローではなくモハメド・アリでした。
アンディ・ウォーホルがポロライドカメラで撮影した偉大なボクサーの写真はシュプリームの肉厚なパーカーとTシャツに落とし込まれました。
■マーティン・ウォン
出典:supsupsup
アイテム発売年:2019年
シュプリームは中国系アメリカ人の現代アーティストとして一世を風靡したマーティン・ウォン(Martin Wong)に着目し、彼の没後20年となる2019年にコラボレーションを果たしました。
彼の代表的な作品である8ボールのペイント作品を中心にレーヨンシャツやフーディをリリース。
日本国内有数のシュプリーム愛好家として知られる窪塚洋介氏もアイテムを着用したことで話題を呼びました。
■H・R・ギーガー
アイテム発売年:2014年/2023年
2014年、そして2023年にシュプリームは、大ヒットシリーズ「エイリアン」のデザインで知られるH・R・ギーガー(H.R. GIGER)とコラボレーション。
彼は有機的な肉体と無機的な機械とが融合した表現、いわゆる「バイオメカノイド」を得意としたアーティストです。
倒錯的で退廃的、エロティックかつグロテスクな彼の表現には熱狂的なファンも多く、まさしくシュプリームに相応しいコラボ相手だと言えるでしょう。
■ピーター・サヴィル
出典:boo-bee
出典:stockx
アイテム発売年:2005年/2020年
イギリス出身のグラフィックデザイナーとして著名なピーター・サヴィル(Peter Saville)は、2005年に初めてシュプリームとコラボレーション。
ブルーマンデーのジャケットをモチーフとしたTシャツなど数点をリリースしました。
そして2020年にシュプリームはあのヨウジヤマモトとコラボレーション。
その際に過去にピーター・サヴィルがヨウジヤマモト向けに手がけたアートワークが同コラボでも使用されました。
■ギルバート&ジョージ
出典:stockx
アイテム発売年:2019年
英国を代表する現代アーティストギルバート&ジョージ(Gilbert Prousch/George Passmore)は、JWアンダーソンなどともコラボレーションをしている2人組です。
彼らの作るコンテンツは死や暴力、セクシャリズムといったショッキングなコンテンツに溢れ、その目を背けたくなるような毒々しさに魅了される人が世界中にいます。
2019年にシュプリームとコラボした際には、彼らの代表的なアートワークをプリントしたTシャツなどをリリースしました。
■ダッシュ・スノウ
出典:stockx
アイテム発売年:2016年
「バスキアの再来」と呼ばれ多くの象徴的な作品を作るも、わずか27歳の若さでこの世を去ったメディアアーティスト、ダッシュ・スノウ(Dash Snow)。
2016年FWシーズンではシュプリームが彼の作品にフィーチャー。
イラクの元大統領、サダム・フセインのコラージュアート作品をプリントしたTシャツやスケートボードデッキがリリースされ、大きな注目を集めました。
■マウリッツ・エッシャー
アイテム発売年:2017年
シュプリームは2017年SSシーズンで騙し絵が有名なマウリッツ・エッシャー(Maurits Escher)とコラボレーション。
ベースボールシャツやフーディ、Tシャツといった様々なアイテムを一挙リリースしたことで話題を呼びました。
19世紀から20世紀にかけて活躍したエッシャーを「現代アーティスト」という枠に入れるかは意見が分かれるところですが、1970年代まで存命だった彼と彼の作品は、現在活躍する多くのアーティストに多大な影響を与えました。
■ウルス・フィッシャー
出典:stockx
アイテム発売年:2016年
スイス生まれの現代アーティスト、ウルス・フィッシャー(URS FISCHER)は2016年にシュプリームとコラボレーション。
インスタレーションアート(観客が見るだけでなく、体験をするようなアート)を得意とするウルス・フィッシャー。
例えば蝋によって作られた彫刻を展示中に火をつけることで溶かしてゆき、観客は2度と同じ形を見ることができないという状況を含めてアートとして感じる、といった作品を製作しています。
2016年のシュプリームとのコラボでは、火をつけたタバコが時間お経過とともにどう変化するのかを3枚のスケートボードデッキで表現しています。
■さいごに
今回の記事ではシュプリームとコラボレーションした現代アーティストの中から、特に著名なものを20種ご紹介致しました。
ルネサンスからコンテンポラリーまで幅広いジャンルのアートをフィーチャーしてきたシュプリーム。次のシーズンはどんなアイテムが登場するのか今から楽しみです。
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