9年間の沈黙を破り、2020年11月13日に満を辞して復活したジル・サンダー氏とユニクロのコラボレーション。
こちらの記事では発売日当日の吉祥寺店の様子をレポートいたしましたが、本記事では実際に購入した商品のレビューを行います!
本家ジルサンダーやユニクロUと比較しながらのレビューとなりますので、是非最後までお読み頂けましたら幸いです!
■購入品
発売日である2020年11月13日朝9時よりユニクロ吉祥寺店に並び始めた筆者。
10時過ぎには7Fにフルラインナップで揃えられた+Jコレクションのアイテムたちとご対面することができました。
筆者のお目当てはジルサンダーが得意とするシャツ類とインナー使いのしやすいカットソー。
周りの服好きの間ではダウンジャケットなどのアウター類を狙っている人が多い印象でしたが、今冬は街中に+Jコレクションを着た人が溢れることを考えスルーさせて頂きました。
30分ほど吟味の上、シャツ部門からは共にMサイズでスーピマコットンレギュラーフィットシャツ(長袖)のナチュラルカラーと長袖・ストライプの2枚。
出典:uniqlo
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そしてスーピマコットン モックネックT (長袖)のネイビーとブラックのLサイズを購入しました。
出典:uniqlo
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■スーピマコットンレギュラーフィットシャツ(長袖)レビュー
なんといってもシャツ作りといえばジル・サンダー氏の十八番分野。
事前のルックの段階から非常に期待感高くチェックしておりましたが、実物は予想を裏切らず傑作でした。
誰が着ても様になるベーシックなドレスシャツとなっており、スーピマコットンを使った風合いや、通常のユニクロでは使われない天然貝ボタンが3,990円とは考えられない高級感を出していました。
また、前身頃と後身頃が貼り付けられるサイドの縫い目部分の先端には裏から三角の布が当てられ、中のTシャツがレイヤードになっているかのような印象になっています。
特にストライプシャツでは無地の紺色の当て布となっているので顕著に思えました。
ここまで作り込んだ仕様でこの値段付けを行ったユニクロにはつくづく脱帽です。
■ジル・サンダーのシャツとの比較
本品を本家ジル・サンダーの定番シャツと比較してみましょう。
比較する商品は2019秋冬のサイズ39の白シャツ。
正確に言えば、+Jコレクションはデザイナーであるジル・サンダー氏がディレクションしているのに対し、ジル・サンダー(ブランド)は元シュプリームのルーク・メイヤー氏と元ディオールのルーシー・メイヤー氏によるクリエイション。
この辺りの詳細は前述の+Jコレクション体験記で詳しく語りました。
商品に話を戻すと、ジル・サンダー(ブランド)の方のシャツはイタリア製なのに対し、+Jコレクションのシャツは中国製。
また、ジル・サンダー(ブランド)の方はポケットレスとなっており、よりミニマルな印象を与える見た目になっておりました。
しかし、+Jコレクションも負けていません。
前述のサイドの当て布はジル・サンダー(ブランド)には無い物でしたし、ユニクロにも関わらず本家同様に天然貝ボタンを採用しています。
双方惜しかったところで言えば、風合いの高級感を優先するための綿100%のせいかイージーケアとなっておらず、非常にシワがつきやすい仕様となっていました。
こうした点を踏まえて考えると、同じレギュラーシャツとしてはジルサンダー(ブランド)の値段の約10分の1で購入できる+Jコレクションのシャツは非常にお買い得だといえるでしょう。
■スーピマコットン モックネックT (長袖)レビュー
実は筆者が今回の+Jコレクション最も注目していたアイテムがこの長袖モックネックT。
トレンドであるモックネックのロンTは1枚で着てもスウェットやコートのインナーとして使っても活躍できると期待していました。
実際、店頭では朝10時の時点で既に色によってはサイズ欠けが始まっており、値段も相まって「とりあえず1枚」としても手に取る人が多かったように思います。
実際に購入し1日着用してみましたが、素材は光沢がありスーピマコットンゆえか非常に薄い生地感ながら着心地抜群でした。
難点を挙げるなら恐ろしくシワがつきやすいところでしょうか。
モックネックの首回りも生地の薄さがヨレの原因となってしまっており、人によってはだらしない印象を与えるかもしれません。
■ユニクロUのモックネックプルオーバーとの比較
筆者がここまで+JコレクションのモックネックTに期待をかけていた理由の1つに、同じ価格で先に発売されていたモックネックプルオーバーが傑作だったことも理由の一つです。
出典:uniqlo
表と裏で生地の違うダブルフェイス仕様で極上の着心地と見た目の美しさを両立していたユニクロUのモックネックプルオーバーと比較し、今回の+Jコレクションがどう立ち向かったのか見てゆきましょう。
こちらがそれぞれのアイテムを並べた写真。
右がユニクロUで、左が+Jコレクションのものとなっています。
共にLサイズとなっているこちらの商品、並べただけで一目瞭然なのが首元の立ち具合。
既に5回以上着用済みのユニクロUのアイテムと比較しても、新品である+JコレクションのモックネックTの首元がヨレているのがはっきりわかると思います。
ただ、同じく外観で言えばユニクロUのモックネックの裾が均一の長さになっているのに対し、+Jコレクションのモックネックは前身頃と後見頃で丈の長さを変えています。
この辺りのディテールは+Jコレクションに軍配が上がりそうです。
また、ユニクロUでは手首がリブ仕様になっていたのに対し、+Jコレクションではストレートになっていたのは驚きました。
※+JコレクションのモックネックTの手首部分
※ユニクロUのモックネックプルオーバーの手首部分
+JコレクションのモックネックTは一見するとリブに見えますが、よく見ると手首にステッチを入れており、このデザインがリブのように見せているのが分かります。
着心地面で言うと、こちらは個人的な好みも入りますが完全にユニクロUの勝利だと感じました。
スーピマコットンを使っている+Jコレクションのアイテムも悪くは無いですが、ダブルフェイス仕様で肉厚なユニクロUの着心地と比べると1段落ちることは否めません。
上記までの比較に加え、シワの付きやすさなども加味すると、ことモックネックTというアイテムに限って言えば、ユニクロUの圧勝だったと言えるでしょう。
■さいごに
ここまでで、話題のジル・サンダー氏とユニクロの久しぶりのコラボレーション、+Jコレクションのアイテムレビューを行なってきました。
残念ながらご紹介したモックネックTは発売日の17時時点でオンラインの在庫がXXLを除いて完売。レギュラーフィットシャツも白のみが残っているような状況です。
転売なども横行しておりますが、是非皆様には店舗で根気よくお目当ての商品を探して買っていただければと思います。
普段はストリートファッションやラグジュアリーファッションを中心に商品レビューやブランドの歴史をご紹介している本サイトですが、今後も時々ユニクロのおすすめ商品やブランドコラボの背景などをご紹介していければと思います。