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これが人気の理由!歴代ディレクターから見る、21世紀のルイ・ヴィトンが発信する多様性のあり方

世界最大のアパレルコングリマットであるLVMHグループ。

今回、その中核をなすルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)はどんなにファッションに疎い人でも必ず知っている超ビッグブランド。しかし、そんなルイ・ヴィトンがなぜここまで人気なのか、その理由について知っている人はごくわずかです。今回はそんなルイ・ヴィトンについて、人気の理由をアーティスティックディレクターという側面から深堀りしてゆきます。

■アーティスティックディレクターの存在意義とは

近年、アパレル業界において「アーティスティックディレクター」や「クリエイティブディレクター」といった言葉を聞く機会が増えました。
「有名ブランド××の新しいクリエイティブディレクターは〇〇だ」、そんなニュースを誰しも一度は聞いたことがあるでしょう。
では、このディレクターとは何でしょうか。

いわゆる「デザイナー」との違いを簡単に説明すると、通常のデザイナーがデザインを絵に落とし込み、パタンナーと共に洋服作りを行うのに対し、アーティスティックディレクター(クリエイティブディレクター)は洋服のデザインのみならず、広告表現、店舗の内装、ランウェイや広告に出演するモデルの選定など、顧客がそのブランドに触れるすべての場面を監修しています。

つまり、ブランドが打ち出したいイメージや、発信してゆきたいメッセージを一元管理することで世界観を構築しているのがアーティスティックディレクターと言えるでしょう。

なお、呼称についてはLVMHグループのブランド(ルイ・ヴィトンやディオール、セリーヌやフェンディなど)ではアーティスティックディレクター、その他の一般的なブランドにおいてはクリエイティブディレクターと称されることが多いです。

本記事では、2000年代のルイ・ヴィトンにおけるウィメンズ/メンズの歴代アーティスティックディレクターの来歴やコレクションから、ルイ・ヴィトンが持つ、他のブランドには無い独特のクリエイションの源泉や人気の理由に迫ってゆきます。

■ウィメンズ 1997~2013年 マーク・ジェイコブス

画像出典:oystermag.com

マーク・ジェイコブスは1997年から2013年に掛けて単独でルイ・ヴィトンのウィメンズ、そして2000年より2013年に掛けてポール・エルバースやキム・ジョーンズと共同でメンズ部門のアーティスティックディレクターを歴任してきました。
今日においてルイ・ヴィトンが「ファッションブランド」として人々に認知されているのは、マークの功績といっても過言ではありません。

ルイ・ヴィトンにおけるプレタポルテ(オーダーではない既製服)の歴史はマーク・ジェイコブスから始まりました。
彼の作る贅沢かつミニマルなデザインの洋服は評判を呼び、100年以上の伝統ある旅行鞄ブランドとして認知されていたルイ・ヴィトンを、一流ファッションブランドに作り替えたのです。

また、彼は世界の高級ブランドとしては初めてのLGBTのアーティスティックディレクターでもあります。
鞄メーカーからファッションブランドへの方向転換もさることながら、当時まだ偏見も少なくなかったLGBTであるマークにディレクションを任せたルイ・ヴィトンの先見性が伺えると言えるでしょう。

■ウィメンズ 2013~現在 ニコラ・ジェスキエール

画像出典:jp.louisvuitton.com

マーク・ジェイコブスの後任として2013年よりウィメンズ部門のアーティスティックディレクターを担当するニコラ・ジェスキエールも、マーク同様にLGBTであることを表明しています。

彼は高校卒業後、70年代を代表するデザイナーであるジャンポールゴルチエの下で経験を積み、95年よりバレンシアガで働きます。
その後、98年には低迷していたバレンシアガのデザイナーにわずか26歳の若さで抜擢されると、デビューコレクションから世界に衝撃を与えます。
今日、世界1、2を争う人気ブランドとなったバレンシアガは、ニコラなくしては存在し得なかったと言えるでしょう。

2013年にバレンシアガのデザイナーをアレキサンダー・ワンに引き継ぐと、ルイ・ヴィトンのウィメンズ部門アーティスティックディレクターに就任。

ニコラは「ルイ・ヴィトンの『歴史』と『革新の探求』の2つのバランスを取ることが私の重要な仕事」と述べ、ルイ・ヴィトンの伝統的なトランクをハードカバーの小説サイズまで凝縮した「プティット・マル」など、数々の新定番アイテムを生み出し続けています。

 

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■メンズ 2011~2018年 キム・ジョーンズ

画像出典:ww.fashionnetwork.com

ダンヒルのクリエイティブディレクターを歴任したキム・ジョーンズは、2008年にポール・エルバースの後任としてルイ・ヴィトンのメンズ部門におけるアーティスティックディレクターに就任すると、デビュー早々にマサイ族をテーマにした「ダミエマサイチェック」を発表し、ルイ・ヴィトン ファンに衝撃を与えました。
その後も歴史的なルイ・ヴィトン×シュプリームのコラボレーションなど、常にファッション業界の既成概念を打ち壊すようなクリエイションを提案し続け、それまでウィメンズ部門の陰に隠れがちだったメンズアイテムの人気を盤石なものとしました。
なお、シュプリームとルイ・ヴィトンのコラボレーションがなぜすごかったのかについては、こちらの記事にて詳しく解説しております。ぜひ本記事と合わせてご覧ください。

その後、キム・ジョーンズは2018年にディレクターを退任。同じLVMHグループであるディオール(DIOR)のメンズアーティスティックディレクターに就任しています。

■メンズ 2018~現在 ヴァージル・アブロー

画像出典:jp.louisvuitton.com

キムの後任として今日のルイ・ヴィトンのメンズ部門を率いるヴァージル・アブローのアーティスティックディレクター就任は、業界から驚きと称賛をもって迎えられます。

建築分野からファッション業界に入るという特殊な来歴を持ち、2014年に立ち上げたOff-whiteを、たった数年でストリートファッション界のトップまで押し上げた彼が稀有な人材であることに異論の余地はありませんが、彼のルイ・ヴィトン就任への衝撃はそれだけではありません。

マーク・ジェイコブスが、当時高級ブランド界における初めてのLGBTだったとするならば、ヴァージルは同じく高級ブランド界の長い歴史において、初めての黒人アーティスティックディレクターでもあります。

彼のルイ・ヴィトンにおける最初のランウェイは、南極大陸を除く6大陸から集めたモデルがモノトーンな服装に身を包み、ショーが進むにつれて彼らの服装がカラフルなレインボーになってゆくという、まさに人種の多様性を前面に押し出したコレクションとなり、世界中から称賛を集めました。

その後も、キム・ジョーンズの系譜を受け継ぐかの様に、ヴァージルの得意分野であるストリートファッションと、ルイ・ヴィトンのラグジュアリー性を多分にミックスしたクリエイションを作り続けており、絶大な人気を博しています。

■さいごに

ルイ・ヴィトンを象徴するモノグラムロゴは、当時日本文化が一大ブームとなっていたフランスにおいて、日本の「家紋」から着想を得て作成されたと言われております。

一つの考え方やクリエイションに凝り固まることなく、それぞれの時代ごとのトレンドや外の文化、多様性を柔軟に取り入れ、それを「ルイ・ヴィトンの世界観」として発信する。

アーティスティックディレクターにそんな人物を起用し続けることで、ルイ・ヴィトンは常に世界のラグジュアリーブランドのトップに君臨しているのかもしれません。

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