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なぜアプリが突然切り替わった?! スニーカーショップアトモスのデジタル施策の光と闇

日本国内でナイキ(Nike)のジョーダンブランド等の希少なスニーカーを購入できる数少ないスニーカーショップとして知られるアトモス(atmos)

アンディフィーテッド(UNDEFEATED)と並び、高感度スニーカーショップとしては抜群の知名度と店舗数を誇るアトモスは、近年デジタル施策に大きく力を注いでいます。

中でもレアスニーカーの店舗抽選をアプリ上で可能にした施策などは、スタッフの負担を軽減しただけでなく、抽選の行列によって近隣住民からアトモスが受けていた苦情を抑える意味でも大きな効果を挙げました。

しかし、直近では2020年12月に突然アトモスの公式アプリがピンク色に切り替わり、多くの人が困惑する事態も発生
今回の記事では、このアトモス公式アプリの突然の切り替えがなぜ起こったのかを解説します。

■アトモスのios/Androidアプリのローンチ

2019年の2月1日、スニーカーショップ「アトモス」を手がけるテクストトレーディングカンパニーは、同社初のios/Androidアプリ「アトモスアプリ」をローンチしました。


出典:media.atmos-tokyo.com

時にはプレミアがつくようなレアスニーカーを手がけるアトモスの特性上、新商品発売時には購入抽選を行うことも多かった同店は、抽選時のスタッフの負荷が大きいことや、行列の大きさからトラブルや近隣住民からの苦情が多いことが課題でした。

アトモスアプリでは同アプリを通じて事前に予備抽選機能や、抽選の対象者が指定の時間に店舗近くにいること端末の位置情報をつかって認識する機能などを搭載。くじに使われていた紙もデジタル化し、アプリ上で入店番号を表示できる「もぎり機能」も用意されました。

なお、アプリケーションの開発はアパレル系のモバイルアプリの開発を数多く手掛ける株式会社ランチェスターが実施したと発表されています。


出典:lanches

■アプリが突然atmos PINKへアップデート

2020年12月、アトモスの公式アプリケーションをスマホに入れていた多くのスニーカーヘッズは困惑の渦に落とされました。
12月に実施されたアプリケーションのアップデートを行うと、なぜかアプリのアイコンがピンク色になり、アプリケーションそのものもアトモスが2018年より手掛けるレディース向け業態「アトモス ピンク」をメインとしたコンテンツにリニューアルされていたのです。

これに対し、多くのスニーカーヘッズが怒りや困惑を表明。
アプリケーションのレビュー欄やツイッターは、半ば炎上の様相を呈しました。

そして、アトモスは同日新たにこれまでの青いアイコンの別アプリケーションを「atmos APP RENEWAL」と銘打ってローンチ。
新機能を搭載した等のプレスリリースはあったものの、何故元来のアトモスのアプリケーションを突然アトモスピンクのものに切り替えたのかは説明されないまま、2021年4月現在までこの2つのアプリは稼働を続けています。

■アトモスがやりたかったこと

では、アトモスはこのアプリの一連のアップデートとリニューアルを通して何がしたかったのでしょうか。
その答えはスニーカーヘッズ間のコミュニケーション促進にあるのではないかと筆者は推測しています。
アトモスはリニューアルしたアプリ上で追加した新機能として、スニーカーヘッズがツイッターのようにつぶやける「タイムライン」を搭載しました。

アトモスはそもそもリアルイベント「ATMOS CON」を毎年開催するなど、スニーカーヘッズ同士のコミュニケーション促進に腐心していた様子が見受けられますが、こうしたイベント開催などの施策を行う理由は、アトモスが単なるスニーカーショップとしての立ち位置からの脱却を目指しているからに他ならないでしょう。

現状のアトモスを利用するスニーカーヘッズのほとんどは、アトモスが好きだから利用しているのではなく、単純にそこにナイキやアディダスのレアスニーカーが卸されているからだということを、実はアトモス自身が一番よく理解しています。

たとえば、アトモスのアプリはアクティブユーザー数(月に1回はアプリを立ち上げる人の率)が40%と、デジタルマーケティング業界としては驚異的な数値を誇ってきました。

しかし、これはアトモスおよびアトモスのアプリケーションがスニーカーヘッズから好かれているからではなく、多くのユーザーはレアスニーカーの抽選が行われるから、仕方なくアプリを立ち上げているだけであることは間違いありません。

スニーカーヘッズは欲しいスニーカーがあれば、アトモスのアプリで抽選に参加した後、当然のようにNike Lab MA5やDSMGでも同様に抽選に参加します。
こうしたスニーカー業界においては当たり前の光景に対し、アトモスは自社を「抽選に参加するだけのいちスニーカーショップ」から脱却し、「スニーカーヘッズが集まってコミュニケーションを取れる特別な場所」として位置付けたいのではないでしょうか。

こうした想いからアプリケーションのリニューアルおよび「タイムライン」機能の追加が行われたのではないかと筆者は考えています。

■アトモス ピンク事件はなぜ起こったのか

では、なぜ2020年の12月に突然アトモスのアプリは「アトモス ピンク」に切り替わったのでしょうか。
これは推測ではありますが、従来のランチェスター社製のアトモスアプリでは、「タイムライン」機能の実装ができなかったからではないでしょうか。

今後のアトモスのブランド戦略を考えた上で、2019年にローンチしたばかりのアプリケーションを捨ててでも実装したかった機能がこの「タイムライン」だったのではないかと筆者は推測しています。

そして、新アプリのローンチにあたって、旧アプリの処遇をどうするかをめぐって、アトモス内で議論が行われたことは想像に難くありません。
アトモスが望む機能拡張ができないとはいえ、アクティブユーザー数40%を誇るアプリを単純に切り捨てていいのかを考えた時、旧アプリをアトモスのレディース向け業態「アトモス ピンク」専用のアプリとしてリニューアルすることを思い立った人が社内に居たのでしょう。

こうして2020年12月、アトモスの旧アプリは突然アイコンがピンク色に変わり、レディース向けアプリケーション「atmos pink 公式アプリ」として生まれ変わりました。

しかし、男性が圧倒的過半数を占めるスニーカー業界の特性上、アプリケーションが突然女性向けに切り替わったことは、男性スニーカーヘッズからは不信感と困惑しか生むことはありませんでした。

■さいごに

きっと多くのスニーカーヘッズはアトモスの突然のアプリリニューアルに怒りと困惑を覚えつつも、リニューアル版のアトモス アプリをダウンロードしたことでしょう。

これは再三述べた通りスニーカーヘッズがレアスニーカーを欲する熱量がそれほどまでに大きいからということに他なりません。
スニーカーヘッズのこの熱量はきっとアトモスにとって大きなメリットでもありデメリットでもあるはず。

今後アトモスが自身を「他のショップでは替えの効かない特別な場所」にアップデートできるのか、注視してゆくつもりです。

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