ギネスブックに認定された「世界で一番売れたスニーカー」ことアディダスのスタンスミス(Stan Smith)。
シンプルかつ高級感のあるこのスニーカーはカジュアルなチノパンからジャケットスタイルまで幅広くコーディネートに差し込める大人向けアイテム。
今回の記事ではそんなスタンスミスにフォーカスし、その歴史や人気の理由などを徹底解説致します!
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目次
- ■スタンスミスの歴史
- ■スタンスミスはなぜ人気なのか?!
- ■2020年、スタンスミスは全て合皮となり賛否両論を呼ぶことに
- ■スタンスミスに飽きた方にオススメしたい高級感のあるアップグレードモデル
- ■さいごに
■スタンスミスの歴史
出典:sneakerhead
スタンスミスの歴史を語るのであれば、その前身となったハイレットについてまずは語らなければならないでしょう。
1931年生まれで50年代に活躍したフランス人テニスプレイヤー、ロバート・ハイレット。
出典:wikipedia
アディダスとスポンサー契約を結んだ彼は、フットボールや陸上競技に続くスポーツ分野への参入を画策していたアディダスにとって「テニス」という新たな市場へ飛び込む上でのアイコンに。
1965年に自身の名を冠したテニスシューズ「ハイレット」がリリースされると、レザーを使ったテニスシューズが珍しかったことから大きな話題を集めました。
当時の国際大会の規定から派手な彩色が出来なかったテニスシューズ。
ハイレットはアディダスのシグネチャーである3本ラインをパンチングによってさりげなく表現したところも名デザインと評価されています。
1968年から全米・全仏・全豪・ウィンブルドンの国際4大大会でプロ選手の出場が解禁になるとテニス市場の人気は沸騰。
ハイレットを含め当時のアディダスフランスが選手たちと契約して作った数々のシューズは、コート状のテニスプレイヤーたちの足元を支えました。
1970年代に入るとアメリカ出身のテニスプレイヤー、スタン・スミスが台頭。
アディダスの「ハイレット」を愛用し全米オープンやウィンブルドンを制してゆくスタン・スミスは今日においても世界最高のテニスプレイヤーのひとりとして知られています。
出典:latimes
そして、1971年にロバート・ハイレットが引退するとシューズの名前はハイレットスミスに変更。
そして1978年には名称が「スタンスミス」に変更されます。
その後テニスシューズのテクノロジーの発展によってコート上で着用されることは少なくなったスタンスミスでしたが、そのミニマルでシャープなデザインはストリートやアーバンで活躍。以降定番のスニーカーとして時を超えて愛されてゆくことになります。
出典:amazon
1976年に創刊した「ポパイ」ではスタンスミスをリーバイスの「501」、ラコステのポロシャツと合わせて「三種の神器」として紹介。
スポーティでクリーンなファッションは日本でもブームとなりました。
時は流れ、2010年代に入るとスティーブ・ジョブスをはじめとするミニマリズム/ノームコアが世間一般にも台頭。
スタンダードな服装を求めた人たちがこぞってスタンスミスを履くようになります。
折しもアディダスはスタンスミスの生産を中止。
需要に対して供給が完全にストップしたことへの飢餓感はアディダスが2014年にスタンスミスを2年ぶりに復刻すると爆発します。
この頃街を歩くと、1時間で2-30人はスタンスミスを履いた人とすれ違うくらいには流行っていたのが思い出されます。
■スタンスミスはなぜ人気なのか?!
出典:wear
そんなスタンスミスは1991年には約2200万足を売り上げ、「世界で一番売れたスニーカー」としてギネスブックに認定。
その後も前述の通り度々ブレイク。
幾度となく人気は再燃し、現在では定番スニーカーとして定着しています。
そんなスタンスミスが人気を集める理由の1つは、その圧倒的な合わせやすさだと言えるでしょう。
他のスニーカーよりも細身なシルエットや、アッパーを包む皮のシボ(ちりめん状に細かく不規則に寄ったシワ模様)の美しさ。
どんな服装にもマッチするシンプルなデザインと豊富な色展開。
どこをとってもコーディネートに合わせやすいスタンスミスはナイキのエアフォース1と並んで最も定番のスニーカーだと言えるでしょう。
■2020年、スタンスミスは全て合皮となり賛否両論を呼ぶことに
出典:shop.adidas
登場以来、本革の高級感から世代を超えて愛されてきたスタンスミス。
しかしアディダスは2020年末にサステナブルの機運の高まりに背中を押されるようにある決定を下します。
それはなんとスタンスミスを含む多くのアディダス製品をリサイクル素材やヴィーガン素材に切り替えるというもの。
スタンスミスの場合はアッパーの皮部分をヴィーガンレザー(合皮)に変更し、その他のパーツもリサイクルプラスチックなどを使用する形に変更したのです。
※アディダス公式サイトの説明
これにより購入直後の見た目は旧来のスタンスミスと変わりがほとんどないものの、使用してゆくうちの風合いがこれまでと全く違うものとなりました。
旧来の本革を使ったスタンスミスは使ってゆくうちに汚れやシワ、いわゆる経年変化による「味」が出てくるものでした。
しかし、現在アディダスのショップに並ぶサステナブルVerのスタンスミスは、この味が非常に出づらいシューズに。
具体的には雨に強くなり少しの汚れはすぐに落ちてずっとピカピカがキープされるような仕様に変わったのです。
これにはファッション好き界隈を中心に賛否両論の結果に。
新品のような使用感をキープできる新しいスタンスミスを歓迎する声をあれば、履き古して味が出るスタンスミスこそが正義だと憤る者もおり、まさに意見が二分されるアップデートとなりました。
なお、アディダスはサステナブル化に合わせて例外的に「GX6298」という高級ラインのスタンスミスをリリース。
従来の本革を使ったこちらのモデルはこれまでのスタンスミスより値が張るものの、履き古した風合いを大事にしたい方には本品がおすすめです。
■スタンスミスに飽きた方にオススメしたい高級感のあるアップグレードモデル
ここまでスタンスミスの歴史や人気の理由をご紹介してきました。
しかし、定番スニーカーとして世間一般に広がりすぎたことや近年の合皮化によって、「今更履きづらい…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に向けて本章ではスタンスミス好きが次に履くべきアップグレードモデルをご紹介。
スタンスミスに似たシルエットを持ちつつより高級感のあるシューズをご紹介致します。
・コモン プロジェクツ
出典:stock-nyc
2004年にニューヨークで生まれたコモン プロジェクツ(COMMON PROJECTS)は“スタンスミス”ライクなレザーシューズを展開するブランド。
イタリアの工場で生産されたボディはスタンスミスよりも細身でよりラグジュアリーなシルエット。
革靴のように定期的に手入れをすることで次第に味が出てくるレザーは、現在のスタンスミスには無いものです。
全てのアイテムには金の箔押しでプロダクトナンバーが刻印されているのも高級感があります。
■さいごに
今回の記事ではアディダスの名作「スタンスミス」にフィーチャーしてその歴史や今、人気の理由などをご紹介致しました。
どんなスタイルにも合わせやすいクラシカルなスタンスミスはワードローブに1足は持っておきたいアイテムです。
様々なカラーリングを展開しており、是非あなたにぴったりの1足を見つけて欲しいと思います。
ファッションアーカイブ.comでは他にも様々なスニーカーの歴史や事件、オススメアイテムをご紹介。
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