2023年8月19日のWeek 1に始まり、2023年12月23日のWeek 18でその幕を閉じたシュプリーム(Supreme)2023年FWシーズン。
クリエイティブディレクターの電撃退任や一部アイテムの国内販売中止など、予想外の出来事が頻発したシーズンだったと言えるでしょう。
今回の記事ではシュプリーム波乱に満ちた2023年FWシーズンの振り返りと総まとめを実施。
シーズンが終わった今2023年FWを振り返ることで、ブランド設立30周年となる2024年SSシーズンに向けた展望を考えます。
-
目次
- ■Week 1 シーズン立ち上げ直後にディレクター退任と「スキャンダル」
- ■Week 2 予想外の大行列と入店番号ページのダウン
- ■Week 3 ピンズだらけのベストやバゲットハットがリリース
- ■Week 4 マーク・レッキーとコラボ
- ■Week 5 アメリカンサイコが登場
- ■Week 6 BOUNTY HUNTERコラボが開催
- ■Week 7 秋のTシャツコレクションでWTAPSのTET氏デザインが復刻
- ■Week 8 エイリアンで知られるH・R・ギーガーと久々にコラボ
- ■Week 9 ナイキとシーズン2度目のコラボを実施
- ■Week 10 ストーンアイランドと8度目のコラボを開催
- ■Week 11 日本製セルビッチデニムが争奪戦に
- ■Week 12 BLESSコラボやSHOP SMALL BOXが登場
- ■Week 13 ドクターマーチンのRAMSEY CREEPERがリリース
- ■Week 14 通常アイテムが多かったWeekに
- ■Week 15 ノースコラボはまさかの一部アイテム発売中止
- ■Week 16 ボックスロゴフーディーを求めて大行列
- ■Week 17 冬のTシャツコレクションやVANSコラボが開催
- ■Week 18 ティンバーランドコラボと共にFWシーズン終幕
- ■2023年FWシーズン総括
- ■さいごに
■Week 1 シーズン立ち上げ直後にディレクター退任と「スキャンダル」
2023年FWシーズンがこれまでと大きく異なっていたのが、立ち上げ直後に起きた大スキャンダル。
2022年2月に同ブランドのクリエイティブディレクターに就任したばかりのトレマイン・エモリー(Tremaine Emory)が、わずか1年半でブランドを去ることが発表されたのです。
人々を驚かせたのは、トレマインが退任の理由について「人種差別」と発言したこと。
彼の発言は大きな波紋を集め、にわかにシュプリームが注目を集める結果となりました。
■Week 2 予想外の大行列と入店番号ページのダウン
Week 2で話題となったのが、ナイキとシュプリームの45回目のコラボスニーカー発売。
今回のコラボではヒップホップ文化への貢献が大きかった現代アーティスト、ラメルジー(RAMM:ΣLL:ZΣΣ)にフィーチャーしたダンクが2種類リリースされました。
バスキアや村上隆、KAWSなど様々な現代アーティストとコラボしてきたシュプリームですが、シュプリームが初めてコラボした現代アーティストがラメルジーだったことはあまり知られていません。
そんなアイテムが発売となった9月2日。国内のシュプリーム各店舗、特に首都圏の3店舗では予想外の大行列が発生。
これまで発売の数日前に行っていたオンライン事前抽選が行われなかったことも影響し、当日朝には予想を大きく超える人数が店舗周辺に集まってしまいました。
しかも、行列の参加者に整理券番号を配布→専用ページにて番号がシャッフルされたうえで入店順を表示するというシステムが、予想以上のページアクセスによって崩壊。
自分が入店できるのか否かを確認できないという事態が発生し、現場は混乱を極めました。
■Week 3 ピンズだらけのベストやバゲットハットがリリース
Week 3では、シーズン立ち上げ直後から注目を集めていたPINS QUILTED WORK VESTがリリース。これまでコートなどに1個ピンズが付属することはあっても、ここまで大量に取り付けられているのは新鮮でした。
その他には2020年に亡くなったラッパー兼プロデューサー、MF DOOMとのコラボアイテムなどがリリースされました。
■Week 4 マーク・レッキーとコラボ
9月16日のWeek 4では、現代アーティストのマーク・レッキー(MARK LECKEY)とコラボレーション。
彼の映像作品やインタレーションをもとに、Tシャツや柄シャツ、スケートボードデッキなどがリリースされました。
■Week 5 アメリカンサイコが登場
Week 5ではサイコスリラー小説「アメリカンサイコ」にフィーチャーしたアイテム。
残念ながら同作をもとに作られたクリスチャン・ベール主演の映画とのコラボではなく、あくまで小説の初期カバーイラストを使用したアイテム。
とはいえ、大きな人気を集めました。
■Week 6 BOUNTY HUNTERコラボが開催
9月30日にリリースされたWeek 6で注目を集めたのはBOUNTY HUNTERとのコラボレーション。
バウンティーハンターは、佐世保の米軍基地で働いていた母の影響でアメリカの輸入玩具に魅せられた岩永光が1995年に設立。オリジナルフィギュアやTシャツなどが人気を博しています。
バーシティジャケットは即完だったものの、シグネチャーとも言えるキャラクター「SKULL KUN」のフィギュアは翌週以降も店舗に残っていました。
■Week 7 秋のTシャツコレクションでWTAPSのTET氏デザインが復刻
Week 7では秋のTシャツコレクションがリリース。
最注目となったのは2008年FWシーズンにてリリースされたフーディーやロンTのロゴの復刻であるMONT BLANC TEE。
このロゴデザインを手掛けたのはTET氏こと西山徹氏。
彼が手がけるブランド、WTAPS名義で無いところがまたニクい演出です。
■Week 8 エイリアンで知られるH・R・ギーガーと久々にコラボ
Week 8では2014年の10月以来、シュプリームが久々にH・R・ギーガー(H.R. GIGER)とコラボレーション。
大ヒットシリーズ「エイリアン」のデザインで知られ、有機的な肉体と無機的な機械とが融合した表現、いわゆる「バイオメカノイド」を得意としたアーティストです。
■Week 9 ナイキとシーズン2度目のコラボを実施
Week 9ではナイキとシーズン2度目のコラボを実施。NIKE AIR ZOOM COURTPOSITEにフィーチャーし、白、黒に加え、海外では「グリーンゴブリン」とも揶揄された黄金虫色の3色展開でリリースされました。
その他には前週に引き続きTET氏によるアイテムが復刻。
2013年SSでリリースされたTシャツデザインを復刻したCATWOMAN HOODED SWEATSHIRTが人気を集めました。
■Week 10 ストーンアイランドと8度目のコラボを開催
2014年のFWシーズン以降、シュプリームとストーンアイランド(STONE ISLAND®)が8度目のコラボを開催したWeek 10。
素材にこだわりを持ち、かつて気温によって色が変化する服で知られたストーンアイランド。
今シーズンのコラボでは暗闇での光に反射するリフレク仕様のジャケットやジーンズが注目を集めました。
■Week 11 日本製セルビッチデニムが争奪戦に
強めのシェービング加工が雰囲気抜群な13オンスのセルヴィッチデニムがリリース。
メイドインジャパンのこちらのルーズフィットデニムは案の定争奪戦となりました。
■Week 12 BLESSコラボやSHOP SMALL BOXが登場
2023年FWシーズンWeek 12では、ベルリン発祥のデザインチーム「ブレス(BLESS)」とコラボレーション。
1995年にレーベルが結成されると、デビューアイテムであるリサイクルファーがいきなりメゾン マルタン マルジェラのショーで採用されるなど注目の的となったレーベルです。
その他には各国(USのみ各店舗)で限定カラーとなるSHOP SMALL BOX HOODED SWEATSHIRTが予定より1週遅れでリリース。
同様のアイテムは2022年FWシーズンでも発売し、その際はクルーネックのスウェットでのリリースでした。
■Week 13 ドクターマーチンのRAMSEY CREEPERがリリース
都合7度目となるコラボが開催されたシュプリームとドクターマーチン。
RAMSEY CREEPERにフォーカスした今回のコラボでは、通常モデルで使われるスムースレザーではなく、スエードやメタリックレザーを使用していました。
■Week 14 通常アイテムが多かったWeekに
海外の子供部屋の扉に付けられているようなミニバスケットゴールがWeek 14でリリース。
その他にはストリート感たっぷりなフード付きシャツや、ジャガード織りのロゴが入ったウールブランケットなどの通常アイテムが目立ったWeekとなりました。
■Week 15 ノースコラボはまさかの一部アイテム発売中止
ノースフェイス(The North Face)とシュプリームの42度目(!!)となるコラボレーションがFWシーズンWeek 15で開催。
定番のヌプシをスエードで仕上げたアイテムなどが注目を集めていましたが、なんとスエード系アイテムのみ日本発売が中止となる事態に。
■Week 16 ボックスロゴフーディーを求めて大行列
毎シーズンの注目アイテムであるボックスロゴアイテムがWeek 16でついに登場。
グレーカラーは迷彩柄のボックスロゴとなっており、これは1995年にシュプリーム1周年でリリースされたアイテムの柄の復刻。
当日は各店舗で入店順抽選を行うための行列が並び、集まりすぎた人数ゆえに普段より1時間ほど早く列が打ち切られました。
■Week 17 冬のTシャツコレクションやVANSコラボが開催
冬のTシャツコレクションでは前週(Week 16)に続き、ボックスロゴアイテムもスタンバイ。
その他にもグレート・ムタやカマチョにフィーチャーしたTシャツ。そしてレオパード柄のVANSのスニーカーが3色×2型リリースされました。
■Week 18 ティンバーランドコラボと共にFWシーズン終幕
2023年FWシーズンWeek 18では、シュプリームとティンバーランドが19回目のコラボレーション。
ティンバーランドの定番である6インチのブーツにダイヤモンドプレート柄を組み込んだアイテムがリリースされ、早い段階で即完しました。
例年通り最終シーズンのアイテムは少なめ。波乱に満ちた2023年FWシーズンが幕を閉じました。
■2023年FWシーズン総括
2023年FWシーズンを一言で総括するならば、「波乱と復刻に満ちたシーズンだった」と言えるでしょう。
シーズン立ち上げ直後からスキャンダラスなディレクターの退任騒動が勃発。
続くWeek 2でも入店番号確認ページのダウンによってアイテム発売日に混乱が発生し、Week 15ではコラボアイテムの一部が国内発売されないという事態も勃発。
米国本部におけるガバナンスと、売上の多い日本におけるオペレーションの、双方に課題の残ったシーズンとなりました。
一方、アイテムを見返してみると、例年と比べても非常に復刻アイテムが多かった印象。
ルックにNIGO氏を起用し最注目となった迷彩柄ボックスロゴフーディーはもちろんのこと、バーシティジャケットやTET氏デザインのプロダクト、カマチョTeeや歴代のピンズを散りばめたアイテムなど、過去の名作をアーカイブしたプロダクトが目立った年だと言えるでしょう。
2024年SSシーズンはついにシュプリーム30周年となるアニバーサリーシーズン。
30年の節目を祝う前に、デザインの復刻による振り返りを図ったのかもしれません。
■さいごに
今回の記事では、シュプリーム(Supreme)2023年FWシーズンの振り返りをいたしました。
2月にスタート予定の2024年のSSシーズンは、ブランド設立30周年となるアニバーサリーイヤー。
クリエイティブディレクター不在のまま周年を迎えるのか、はたまた新デザイナーがブランドの舵取りを行うのか。
本サイトでは今後もシュプリームの動向を逐一チェックしてゆきたいと考えております。
また、X(旧Twitter)/TikTok/YouTubeではWebサイトとは異なる情報発信をしておりますので、ぜひこちらもご覧ください。
各SNSのリンクはページの最下部から!