ワードローブに1枚は入れておきたいアイテム、スウェットシャツ。
一番人気はなんといってもチャンピオンのリバースウィーブになるでしょうが、ぜひ一度覗いてみてほしいのがビンテージスウェットの世界。
今回の記事では、ビンテージスウェットの王道、メイヨースプルース製の名作モデルにフォーカスし、その歴史や現代のファッションブランドにも取り入れられているアーカイブアイテムをご紹介。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
- ■幻のブランド・メイヨースプルースとは?
- ■ビンテージスウェットの定番①:偉人シリーズ
- ■ビンテージスウェットの定番②:ピーナッツ
- ■メイヨースプルースのオマージュを制作するブランドたち
- ■さいごに
■幻のブランド・メイヨースプルースとは?
現在ビンテージファンが血眼になって良品を探しているメイヨースプルース(Mayo Spruce)のスウェット。
本題に入る前に、40年以上前に姿を消してしまったこの名門ブランドについて紹介する必要があるでしょう。
ノースカロライナ州のメイヨー川のほとりに、メイヨースプルースの母体となるワシントンミルズメイヨーダン工場が設立されたのは1895年。
繊維工場として翌年から綿糸の生産が開始され、1911年には男性用下着のための織物工場を増設。
第一次世界大戦ではヨーロッパ兵の下着を供給し、1921 年にメイヨーダン工場をバージニア州フリースの工場と統合し、ワシントンミルズカンパニーを設立しました。
1952年には同じノースカロライナ州のドブソンに衣料品工場を開設し、ポロシャツやスウェットシャツといったより幅広い製品群を製造に着手。
1954年に新ライン「メイヨースプルース(Mayo Spruce)」がスタートしたのです。
この頃、メイヨースプルースは数々の雑誌・新聞広告を出稿。
エディ・マシューズ、ミッキー・マントルといった人気野球選手の広告起用や子供向けのプリントアイテムの製作が功を奏し、男性用の下着/スポーツウェア/リラックスウェアブランドとしての地位を確立してゆきます。
そんなメイヨースプルースでしたが、1980年代には製造を終了。ワシントンミルズカンパニーもタルテックス社に売却されてしまいます。
ワシントンミルズメイヨーダン工場は1999年の閉鎖まで100年にわたって存続。現在は米国国家歴史登録財に指定されています。
このように、現在では無くなってしまったメイヨースプルース。
しかし、30年間ほどの間に製作された数々のスウェットシャツは、そのデザインの良さゆえにビンテージ市場で年々その人気を増しています。
次章では、様々なデザインで製作されたメイヨースプルースのスウェットのうち、特に人気なデザインのものをご紹介いたします。
■ビンテージスウェットの定番①:偉人シリーズ
1つ目は「偉人シリーズ」とも呼ばれる、歴史上の偉人をプリントしたビンテージスウェット。
特に人気なのが3Bsとも称される作曲家、バッハ(Bach)、ベートーヴェン(Beethoven)、ブラームス(Brahms)の3人にフォーカスをあてたスウェットです。
1961年アメリカにて、ラジオのクラシック音楽番組のキャンペーン商品として誕生後、一般販売されるようになった本アイテム。
メイヨースプルース製の丸いボディにラグランスリーブ、そしてパブリックドメインの肖像画を使った同アイテムはコレクターからの垂涎の的です。
■ビンテージスウェットの定番②:ピーナッツ
2つ目にご紹介するメイヨースプルース製のスウェットは、チャールズ・モンロー・シュルツによるアメリカの名作漫画、ピーナッツ(Peanuts)のキャラクターをプリントしたアイテムたち。
シュルツがピーナッツの連載を開始したのは1950年で、メイヨースプルースがブランドとして発足したのが1954年。
同じ50年代にスタートした両者はアメリカのトイメーカー、Determined Productionsと組んで1960年代にスウェットを製作。
スヌーピーやチャーリーブラウンといったピーナッツのキャラクターを、彼らの名言と共に染み込みプリントしたのです。
色鮮やかなスウェットにキャッチーなプリントがなされたスウェットたちは、着古されることで味がどんどん出てくる銘品。
日本でも1990年代に裏原宿ストリートカルチャーが勃興すると、このメイヨースプルース製のプリントアイテムのコピー品が多数製造。
その中の筆頭であったアベイシングエイプ(A BATHING APE)は、のちにピーナッツとの正式なコラボレーションを果たしています。
ちなみに、個人的にも狙っているのが、作中に登場する天才ピアニスト、シュローダーのスウェット。
本人も前述した偉人シリーズのベートーヴェンスウェットを着用していて、コラボっぽい雰囲気がなんともいえません。
■メイヨースプルースのオマージュを制作するブランドたち
・GU
出典:gu-global
・SAINT Mxxxxxx
出典:arknets
・A BATHING APE
出典:boo-bee
・HOUSTON
出典:houston1972
・SAPEur
出典:trefac
・ウェアハウスカンパニー
■さいごに
今回の記事では、ビンテージスウェットの王道「メイヨースプルース」について解説致しました。
古着ブームということもあり、メイヨースプルース製のスウェットは年々市場価格が高騰。
球数が増えることが絶対にないだけに、この流れは止まらないでしょう。
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