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【今更聞けない】KAWS(カウズ)とは?絵画やフィギュアだけじゃない現代アーティストの魅力を徹底解説!

KAWS とは 歴史 カウズ

バンクシーや村上隆と並び、現在活躍している現代アーティストの中でも高い人気を誇るKAWS(カウズ)
その人気はアート界にとどまらず、ストリートファッション、ラグジュアリーブランド、はてはあのユニクロまでがコラボレーションを行なっています。
今回の記事ではそんなKAWSについてご紹介。
そもそもKAWSとは何なのかや、歴史、そして近年のコラボレーションなどを余すところなく解説致します!

■KAWSとは誰? その誕生から成功まで


出典:media.and-art

アーティストKAWSの本名はブライアン・ドネリー
1974年に米ニュージャージー州で生まれ、幼少期から壁にスプレーをする、いわゆるグラフィティに親しんでいました。

高校生の頃からタギング(グラフィティで壁に自身の名やトレードマークを残す行為)の際に「KAWS」と記すようになりますが、本人曰くこの名に意味はないとのこと。
10代後半にはニュージャージーからニューヨークに移り住むと、1993年には芸術大学であるスクールオブビジュアルアーツに入学。
1996年に卒業するとフリーランスのアニメーターとしてなんとディズニーの作品に参加。
101匹わんちゃんのTVシリーズや、Doug(ダグ)といったアニメシリーズの背景作画に貢献しました。


出典:disneyplus


出典:universal-music

この頃から彼は、昼はアニメーターのブライアン・ドネリー、夜はグラフィティアーティストのKAWSとしてニューヨークで活躍するように。
その際にKAWSが行ったグラフィティを彼は自らSubvertising(サブバータイジング)と呼んでいます。

広告(アドバタイジング)に自身のアートを書き加えることで意味を変えるこのスタイルは、看板広告やバスシェルター、電話ボックスといった場所に設置された企業やブランドのポスターが標的。
これらのポスターに勝手にKAWSのグラフィティを追加するうちに、クチコミ的に彼のアートワークが評価されることとなります。

ちなみに、いっときKAWSは屋外広告を設置する会社に勤めていたこともあり、人の居ない時間帯を狙ってバス停などの広告に効率的に手を加えるノウハウを仕事からも学んでいたようです。


出典:aliasdg.wixsite.

ストリートアーティストとして少しずつ知名度を上げていった彼は2000年代初頭に彼の代表作「コンパニオン」を発表。
ミッキーマウスをオマージュしたボディと目が×印の骸骨のような顔つきが特徴的なこのキャラクターは、KAWSの代名詞とも言えるでしょう。


出典:cautious

その後も既存のアニメーション作品のオマージュや、“コンパニオン”のフィギュア制作などによってますます人気を上げたKAWS。
2010年代ごろから次第に有名ブランドとのコラボレーションプロダクトも手がけるようになり、今日までその活躍は止まるところを知りません。

■KAWSの主な作品

本性ではKAWSが手がけた主なアート作品を3種に絞ってご紹介。

・Subvertising(サブバータイジング)


出典:artnet

看板やバス停横の広告スペースに貼られたポスターなどに自身のアートを勝手に足すこのSubvertising(サブバータイジング)は、KAWSの知名度を高めるきっかけとなったシリーズ。

ゲリラ的に行われるアート活動と、ファンがそれを探しもとめる姿は、バンクシーの手法にも通ずるものがあると言えるでしょう。
また、KAWSがこのSubvertising(サブバータイジング)をニューヨークで行っていた時と同じくして、あのストリートブランドSupreme(シュプリーム)がニューヨークで誕生。
開店時には赤いボックスロゴステッカーを町中にゲリラ的に貼ることでプロモーションを実施したシュプリーム。
ステッカーが他社の看板広告などにも上書きする形で貼られていたことが話題を呼びましたが、そこにはKAWSの影響を如実に感じさせます。


出典:supremania

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・アニメキャラクターのオマージュ


出典:axes-net

アニメーター出身のKAWSらしく、彼は様々な既存アニメをオマージュした作品をこれまでに発表しています。
上記の”キンプソンズ(KIMPSONS)”はもちろん米アニメ「シンプソンズ」のパロディ。

他にもセサミストリート(のちに正式にコラボ)やディズニーのピノキオ、果ては日本の鉄腕アトムまで、様々な作品をオマージュした作品をKAWSは手がけています。

・コンパニオン


出典:bijutsutecho

KAWSの代表作とも言えるキャラクター“コンパニオン”。
毎年のように新作が発表されるこのシリーズはメディコム トイなどによってアートフィギュアとして販売され、比較的安価に入手できるKAWSのアート作品として広く愛されています。

近年はこのコンパニオンが世界を巡るアートプロジェクト「KAWS HOLIDAY」も開催。
2018年よりソウル、台北、香港、日本、そして宇宙へと展開し、各所で巨大なコンパニオンの設置や限定商品の販売などが行われました。

■KAWSの代表的なコラボレーション

ここからはそんなKAWSが行ってきた活動の中からコラボレーションにフォーカス。
様々なブランドからラブコールを受けるKAWSが実現したコラボの中から特に人気な5つのコレクションをご紹介致します。

・ユニクロ

KAWS ユニクロ カウズ
出典:uniqlo

ユニクロは今や日本のみならず、ZARAやSHEINと並び世界に名だたるアパレルブランドとなりました。
そんなユニクロはKAWSと2016年4月に初コラボ。以降幾度となくTシャツを中心にコラボアイテムをリリースしていますが、毎回のように人気商品は即完売を繰り返しています。
2019年のコラボアイテム発売時には、ユニクロ中国で起こった激しい争奪戦が動画として拡散され、大きな話題になりまました。

・ディオール


出典:imn

ファッション史に残るビッグコラボ、シュプリーム×ルイヴィトンを成し遂げたクリエイティブディレクターのキム・ジョーンズは、自身の座を盟友ヴァージル・アブローに明け渡すと、ルイヴィトンからディオールに異動しました。

キム・ジョーンズ体制でのディオールの最初のコレクション「ディオール サマー 2019 メンズ カプセルコレクション」では、KAWSとのコラボレーションを全面に押し出したルックを発表。
ディオールのトレードマークである蜂をKAWSのポップな絵柄で表現したイラストや、ピンク色のコンパニオンが目を惹き大成功を納めました。

・ノースフェイス


出典:hypeworldco

2022年1月よりKAWSはアウトドアブランドの雄ノースフェイス「The North Face」とコラボレーション。
××ロゴやKAWSのグラフィックパターンを落とし込んだアイテムを多数リリースしました。
総柄パターンやビビッドな多色使いが目立った第一弾コラボでしたが、同年11月にはモノトーンアイテムを中心に第二弾コラボも実施。
大きな話題を集めました。

・ナイキ


出典:buyma

2017年3月、ナイキはKAWSとコラボしエアジョーダン4をリリースしました。
1989年にティンカー・ハットフィールドが手がけた名作シューズをKAWS流に解釈した本アイテム。
グレーのスウェード素材でシックにまとめ、通常ジャンプマンロゴが配置されるヒール部分にはKAWSの××ロゴを設置したスペシャルなモデルとなりました。
そして、2021年11月にはサカイとナイキのコラボスニーカーにKAWSも参画。トリプルコラボとして目を引く鮮やかなカラーリングのブレーザー ローをリリースしました。

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・シュプリーム


出典:cloudfront

シュプリームとKAWSのコラボの歴史は古く、2001年にはシュプリームとスケートデッキでコラボレーションを果たしています。
ミシュランマンを模したKAWSのコンパニオンを落とし込んだこのデッキを皮切りに、2008年にはKAWSお得意のSubvertising(サブバータイジング)でケイトモスの写真にシュプリームとKAWSが手を加えたTシャツがリリース。
そして2011年と2021年にはそれぞれシュプリームのボックスロゴをチョークの手書きで書いたようなフォントのアイテムがリリースされました。

同コラボについては詳しくはこちらの記事で解説しております。

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■さいごに

今回の記事では、現代アーティストの大物、KAWSにフォーカスしてご紹介致しました。
ユニクロコラボをきっかけに世間一般にも広く知られるようになった昨今、投資目的でフィギュアなどを集める人も増え、今後ますますの人気が予想されるKAWS。
ポップでアンダーグラウンドな見た目ながら、どこか寂しげなコンパニオンの表情にこれからも目が離せません。

ファッションアーカイブ.comでは他にも現代アーティストや様々なカルチャー、事件などの解説を行っております。
気になった方は是非他の記事もご覧頂けますと幸いです。


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しゅー
2022年まで約6年間にわたって大手IT系企業に在籍。ファッションブランドやゲーム会社のマーケティング、カスタマーエクスペリエンス強化、海外進出を支援。Supreme、スニーカー、ラグジュアリーストリートが大好物。