2024年2月17日のWeek 1に始まり、2024年6月22日のWeek 18でその幕を閉じたシュプリーム(Supreme)2024年SSシーズン。
1994年にニューヨークの小さなスケートショップとして誕生したシュプリームは、本シーズンをもって30周年を迎えることとなりました。
今回の記事では、アニバーサリーシーズンとなった2024年SSシーズンを毎週余すことなく見てきた筆者が、シーズンの振り返りと総まとめを実施。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
- ■Week 1 立ち上げからボックスロゴTeeがリリース
- ■Week 2 まさかのナイキコラボのみの発売
- ■Week 3 永野芽郁も着用!ノースフェイスコラボが開催
- ■Week 4 TOY MACHINEコラボが開催
- ■Week 5 通常アイテムの多かった “凪” 週
- ■Week 6 カーミット再び! そして渋谷店ではイレギュラーも…
- ■Week 7 MM6メゾンマルジェラコラボがついに開催!
- ■Week 8 通常アイテムの中には名作も…
- ■Week 9 春のTシャツコレクション開催
- ■Week 10ナイキのアパレルコレクション実施
- ■Week 11 30周年記念Week
- ■Week 12 ナイキのエアダーウィンコラボ
- ■Week 13 ロックバンドMelvinsとコラボ
- ■Week 14 エルメスをサンプリングしたシャツがリリース?!
- ■Week 15 クラークスのワラビーが登場
- ■Week 16 バイクメーカーとの大型コラボ!
- ■Week 17 チャンピオンコラボが開催
- ■Week 18 VANSコラボやビリー着用アイテムがリリース
- ■Week 19 最終週は夏のTシャツコレクション
- ■2024年SSシーズンの総括
- ■さいごに
■Week 1 立ち上げからボックスロゴTeeがリリース
立ち上げWeekでは現代アーティストFurura(フューチュラ2000)とのコラボボックスロゴTeeがリリース。
現代アーティストの大御所フューチュラはこの年、5月にナイキとのコラボSBダンクを出すなど、ストリート業界での露出度高だった印象です。
その他、Tシャツ類やバーシティジャケットなど、例年通り通常アイテムが大量にストックされたWeek 1となりました。
■Week 2 まさかのナイキコラボのみの発売
2024SSシーズンのWeek 2では、なんと新アイテムのドロップがナイキとのコラボモデルであるSUPREME/NIKE AIR MAX DNのみという前代未聞の週に。
かなり異例の事態に思えますが、もともとWeek 1は毎回アイテム数が多く、例年はWeek 1発売週はまず店舗のみで販売を行い、1週間空けた翌土曜日にオンラインストアでWeek 1のアイテムをリリースすることがならわしでした。
前シーズン(2023FW)ではこの慣例を破り、Week 2でラメルジー(RAMM:ΣLL:ZΣΣ)にフィーチャーしたナイキダンクが2種類リリース。
その際に店舗入店抽選に人が集まりすぎて、入店順表示サイトがダウンするという失態を犯しています。
前代未聞の“やらかし”を繰り返さないための、アイテム数絞りだったのかもしれません。
■Week 3 永野芽郁も着用!ノースフェイスコラボが開催
Week 3では43回目となるノースフェイス(The North Face)とのコラボコレクションが開催。
出典:x.com
後見頃にもジップがつけられたシェルジャケットやヌプシジャケットがリリースされ、女優の永野芽郁が「バナナマンのせっかくグルメ」にて同アイテムを着用したことも話題となりました。
■Week 4 TOY MACHINEコラボが開催
2024年SSシーズンWeek 4では、エドテンことエド・テンプルトン(Ed Templeton)が主催スケーターブランド、TOY MACHINE(トイマシーン)とコラボレーション。
トイマシーンによるスケートビデオ「WELCOME TO HELL」のパッケージを落とし込んだTシャツや、指の多い握り拳デザインなどが目立った週でした。
■Week 5 通常アイテムの多かった “凪” 週
Week 5では、INSET LINK TRACK JACKETやSUPREME®/HOTO® 20V PRESSURE WASHER PROといった注目アイテムはあったものの、目立ったコラボコレクションのなかった、いわゆる「凪」の週でした。
■Week 6 カーミット再び! そして渋谷店ではイレギュラーも…
歴代のフォトTの中でも異彩を放ち、その人気も高いカーミットモデル。
Week 6ではこのカーミットにフォーカスしたゴアテックスのシェルジャケットや、マペット・ショーのフリースジャケットがリリース。
特にシェルジャケットは球数が少なく、発売即完売となりました。
ちなみにこの日、渋谷店では告知なく並び場所が変更されているという事態が発生。
発売1時間半前ごろに、国立代々木競技場前に並んでいた人たちが猛ダッシュで店頭に移動することとなりました。
■Week 7 MM6メゾンマルジェラコラボがついに開催!
シーズン立ち上げ時から噂されていたMM6 Maison Margiela(エムエムシックス メゾンマルジェラ)とのコラボレーションが開催されたWeek 7。
マルジェラが生み出した数々のアーカイブアイテムに敬意を捧げたアイテムたちは、両ブランドの人気が高い日本においてはことさら大きな注目を集めたと言えるでしょう。
並びレポートの詳細は以下記事にてご覧いただければと思いますが、早い時間で普段の行列の倍以上の長さになっていたのが印象的でした。
■Week 8 通常アイテムの中には名作も…
狂乱のマルジェラコラボ明けとなるWeek 8では、ラグラン仕様のSMALL BOX CREWNECKやマラドーナが描かれたSOCCER JERSEYなど、隠れた名作アイテムがリリースされました。
■Week 9 春のTシャツコレクション開催
毎シーズン2度にわたってTシャツを一挙放出するシュプリーム。
Week 9では春のTシャツコレクションが開催されました。
例えば、2001年に初登場したTシャツがこのコレクションで久々に復刻。
米レコード会社のロゴのような「Supreme」の文字は古着っぽさもあって普段使いもしやすそうでした。
■Week 10ナイキのアパレルコレクション実施
Week 10では、約1年半ぶり、8回目のナイキ × シュプリームのアパレルコレクションが開催。
ステッチが可愛いRIPSTOP PULLOVERや、トレンドフルなMESH S/S SHIRTなどがリリースされました。
■Week 11 30周年記念Week
シュプリーム創業30周年を記念する週となったWeek 11。
創業30周年を記念するTシャツには、30年前に彼らが初めてリリースしたTシャツのうち1枚であるタクシードライバーTにクルーたちが5年にわたって寄せ書きを行った伝説の1枚をそのままプリント。
ファッションデザインという面では正直陳腐に感じたので、完全に“記念”アイテムという立ち位置なのでしょう…
また、1994年から今日までにリリースされた全てのシュプリームのTシャツをまとめたカタログブックがリリース。
筆者もこちらを購入しました。
■Week 12 ナイキのエアダーウィンコラボ
スラムダンクの主人公、桜木花道のモデルにもなったバスケ界の “悪童” デニス・ロッドマンの愛機、エアダーウィン(Air Darwin)とコラボレーション。
エアダーウィンのオリジナルモデルは1994年に初登場。
シュプリームと同い年である本モデルとのコラボを互いの30周年である今年に行うのは至極自然な流れだったと言えるでしょう。
■Week 13 ロックバンドMelvinsとコラボ
2024年SSシーズンのWeek13では、アメリカのロックバンド、メルヴィンズ (Melvins)とのコラボコレクションが開催。
彼らのアルバムアートワークなどからサンプリングしたTシャツやBDUジャケットなどがリリースされました。
■Week 14 エルメスをサンプリングしたシャツがリリース?!
通常アイテムがメインとなるWeek 14で気になったのがTRAY JACQUARD S/S SHIRT。
「TRAY」の名の通り、2012年にリリースされたSUPREME VALET TRAYというトレーの柄を落とし込んだ半袖シャツとなっています。
ちなみにこのトレーも、元を辿ればエルメス(Hermès)のアイテムからのサンプリング。
一つのアイテムでも深掘りすると色々なストーリーが出てくるという好例かもしれません。
■Week 15 クラークスのワラビーが登場
Week 15では、イングランドの老舗シューズメーカー、クラークス(CLARKS)とシュプリームが14回目のコラボレーション。
同ブランドの看板モデルであるワラビーをパテントレザーで作り替え、3色展開でリリースしました。
これあと3年リリースが早ければ争奪戦間違いなしだったのに…!
■Week 16 バイクメーカーとの大型コラボ!
イタリアの名門バイクメーカー、ドゥカティ(Ducati®)とシュプリームがWeek 16でコラボコレクションを開催。
ドゥカティのディーラーのみでの取り扱いとなるアイテムも多かったものの、Tシャツ類などは高い人気を集めました。
■Week 17 チャンピオンコラボが開催
チャンピオン(CHAMPION®)とシュプリームがコラボを行い、ナイロン製のコーチジャケットやメッシュショーツがリリース。
そのほかには現代アーティストFuturaによる「Supreme」の文字が入ったニューエラ(NEW ERA®)による別注キャップがリリースされました。
■Week 18 VANSコラボやビリー着用アイテムがリリース
1996年以降、長きにわたって続いてきたシュプリームとVANSのコラボシューズが2024年SSシーズンWeek 18でリリース。
また、ビリー・アイリッシュが出たばかりの新曲「Lunch」にて着用したSTAR BASKETBALL JERSEYや、TETRIS®の別注アイテムなどが発売されました。
■Week 19 最終週は夏のTシャツコレクション
最終週となったWeek 19では、2024年夏のTシャツコレクションが開催。
「FUCK THE REST(残りはクソ)」の文字がちょっと笑えるPARIS TEEや「マペット・ショー」のミス・ピギー(Miss Piggy)にスポットをあてたTシャツがリリース。
筆者もMISS PIGGY TEEのグレーを購入しました。
■2024年SSシーズンの総括
創業30周年を迎えた今回のシュプリームSSシーズン。
2024SSシーズンのプロダクトを改めて眺めてみると、ディレクターという船頭を失ったデザインチームが取った行動は、ズバリ原点回帰だったのではないでしょうか。
カーミットやフューチュラといったかつてのパートナーを再び招聘し、過去にリリースしたプロダクトの復刻やデザインサンプリングも多かった今シーズン。
コラボという面で見れば、アニバーサリーにふさわしいMM6メゾンマルジェラというビッグコラボを実現しつつ、そのほかは長年にわたって付き合いのある旧友ブランドとのコラボが目立ちました。
※2024年SSシーズンでのコラボ/別注先一覧
トレンドという目線で言えば、古着やビンテージブームに対してはしっかりと存在感を示すアイテムを出せていたものの、Tシャツのボディひとつとってみても流行りの逆を行くような長丈で出すなど、トレンドをそこまで強く意識していたわけではなさそうです。
テック系スニーカーブランドの成長目覚ましいなか、ナイキとの長年の蜜月を崩すことなく我が道を行ったシュプリーム。
新しいディレクターが来る前に「失敗だけはしないでおこう」という守りの姿勢が見えるシーズンだと私は思いました。
また、オンラインストアでの在庫をかなり絞っており、早々に完売している様子を見せることで「まだまだ人気」という雰囲気を意図的に醸成している感じを覚えます。
また、オンラインストアでの在庫をかなり絞っており、早々に完売している様子を見せることで「まだまだ人気」という雰囲気を意図的に醸成している感じを覚えました。
今後のシーズンについても、引き続き注視してまいります。
■さいごに
今回の記事では、シュプリーム(Supreme)2024年SSシーズンの振り返りをいたしました。
前シーズンに起きた突然の退任劇を引きずり、ディレクター不在のまま迎えたアニバーサリーシーズン。
親会社であるVFコーポレーションとの提携終了も噂され、シュプリームの今後についてはこれまで以上に注目が集まっています。
8月にスタート予定の2024年のFWシーズンは、おそらくボックスロゴのスウェットシャツや毎シーズン恒例のフォトTがリリース予定。
本サイトでは今後もシュプリームの動向を逐一チェックしてゆきたいと考えております。
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