世界的に有名な時計メーカーであり、その精密さと高品質な製品で世界中で愛されているロレックス(Rolex)。
当サイトでもロレックスの歴史や現行のモデルに関してさまざまな記事を書いてきました。
そんなロレックスの超人気モデルである「デイトナ」。
言わずと知れたデイトナは2023年現在、60年の歴史があり様々なモデルチェンジを行ってきました。
そんな数あるデイトナですが、その中に最も有名なデイトナと言われる「ポール・ニューマン」と呼ばれる個体が存在します。
今回はアンティークロレックスの中でも最も価値の高いと呼ばれている「ポールニューマン デイトナ」にフォーカスし、初心者向けに解説していきます。
そもそもポール・ニューマンとは?
俳優としてのポール・ニューマン
出典:playbill
ポールニューマン デイトナとはどのようなものか解説する前に、まずはポール・ニューマン(Paul Newman)について知っておく必要があります。
ポール・ニューマンは、アメリカ合衆国の俳優で、1925年1月26日にオハイオ州シェーカーハイツで誕生しました。
彼の幼少期はあまりいいものではなかったそうで、いじめもあったそうです。
この頃、母親の影響で少しの間児童演劇団に入団していた頃がありました。
青年期は定職に就くことが無く、彼がオハイオ州大学に在学中に第二次世界大戦が勃発。
アメリカ海兵隊に入隊したと伝えられています。
終戦後は幼少期に学んだ演技の道で食べていこうとアクターズ・スタジオに入学し、俳優を目指すことになりました。
この彼の選択は功を奏したようで、1956年の映画『Somebody Up There Likes Me』での主演がきっかけで一躍スターの仲間入りとなりました。
彼は生涯6回アカデミー賞にノミネートされ、1986年には『ハスラー2』で主演男優賞を受賞するに至りました。
レーサーとしてのポール・ニューマン
出典:calibre321
ポール・ニューマンといえば上記の通り、俳優としての知名度が高いのですが、一方で彼には多彩な能力が会ったことは周知の事実です。
彼の突出した能力の内の一つはレーシング技術であったと言えるでしょう。
1960年代初頭にレーシングに興味を抱き始めたそうで、それ以降彼はトレーニングを続けていきました。
そして遂にル・マン24時間レースに出場することになったのです。
1979年に出場した過酷なレースとして知られるル・マン24時間レースでは、2位という好成績を納めています。
ポール・ニューマンは俳優でありながらもレーサーの頂点に立ったポール・ニューマンはまさに天に二物を与えられた者だったのです。
ちなみにル・マン24時間レースに因み、ロレックスは2023年に記念モデルをリリース。
Youtuberのヒカキンが3500万円で即買いしたのは記憶に新しい所です。
ポール・ニューマンとRef.6239
出典:hodinkee
ここまでポール・ニューマンの人生の一部を解説してきました。
様々な才能を持ったポール・ニューマンという知名度の高いスター。
そんな彼が愛した時計がロレックスのコスモグラフ・デイトナだったのです。
彼の妻であるジョアン・ウッドワードがプレゼントしたものでした。型番はRef.6239でした。
裏蓋にはDRIVE CAREFULLY ME(運転に気をつける意)という刻印があったのはあまりにも有名な話です。
この個体自体はポール・ニューマンの娘のボーイフレンドのジェームズ・コックスに譲渡されており、2017年まで手元にありました。
腕時計市場最高値を誇るデイトナ
このポール・ニューマン自身が使用していたRef.6239のデイトナは前述したように2017年までジェームズ・コックスが所有していました。
様々な経緯があり、2017年10月に競売にかけられることになります。
最終的にはなんと1775万2500ドル(日本円で20億円超)の値段がつけられ、腕時計市場最高値を誇るデイトナが誕生しました。
ポール・ニューマン デイトナ
このように腕時計市場最高値を誇るデイトナと呼ばれるまでの価値を誇るポール・ニューマン デイトナ。
オリジナルはとてつもないものですが、この彼が愛用したデイトナと同じデザイン(ダイヤル)のものを総称してポール・ニューマン デイトナと呼んでいます。
型番は彼が所有したRef.6239の他には6241等が該当します。
完全なポール・ニューマン デイトナは6239ですが、このRef.6239の特徴的なダイヤルを受け継ぐデイトナで「エキゾチックダイヤル」と呼ばれるものを持つ個体もポール・ニューマン(ダイヤル)に数えられています。
出典:ablogtowatch
エキゾチックダイヤル
ではエキゾチックダイヤルとはなんでしょうか?
エキゾチックダイヤルの文字盤は通常のロレックス デイトナモデルとは異なり、特有の配色やデザインを有しています。
三色のサブダイヤル、アートデコ風のフォント、補助ダイヤルに小さな四角いハッシュマークがある特徴的なデザインです。
また目盛りが赤になっているもの等もあり、色々な個体が存在します。
市場価値が高い理由
魅力的なポール・ニューマン デイトナですが、2023年現在は高値で取引されています。
市場価値が高い理由にはいくつかの理由があります。
ポール・ニューマンの着用
言わずもがなポール・ニューマンが1960年代から1970年代にかけてデイトナを実際に愛用していたことは最たる理由の一つであることは明白です。
彼が着用したことにより、この時計は一般的なロレックス デイトナとは異なる特別な存在となりました。
彼の名称がそのまま通称になっていることからもその人気度が伺えます。
現行デザインとの差別化されたデザイン
ポール・ニューマン デイトナは、通常のデイトナモデルとは異なる「エキゾチックダイヤル」を特徴としているのは前述した通りです。
現行のどのデザインにも無いダイヤルは唯一無二の個性として認識されるようになりました。
不人気時代の希少性
当時はポール・ニューマン デイトナのデザインはあまり人気がなかったとされています。
そのため、生産数がそれほど多くなかったそうです。
しかし、ポール・ニューマンにより知名度が上昇し、デザインが再評価されるようになりました。
再評価された後はコレクターがこぞって購入するようになり、供給の少ないこのエキゾチックダイヤルの個体は現在では非常に価値が高くなったと言えるでしょう。
さいごに
このようにポール・ニューマン デイトナは、その独自のデザインと歴史的な背景から時計コレクションの中で際立った存在となっています。
デイトナ自体が今のロレックスの象徴たるモデルですが、その中でも最上位のモデルの一つとして現在では知られるようになりました。
ロレックスマニアにとっては憧れのモデルの一つと言えるでしょう。
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