原宿のたった1店舗でしか取り扱わないながら、多くのファンから絶大な人気を誇るゴローズ(goro’s)。
高橋吾郎氏が亡くなってから10年を数える現在でも、店舗前には毎日のように行列が絶えません。
今回の記事ではこのゴローズにフォーカスし、吾郎氏の来歴や、並びルールをわかりやすく解説。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
- ■ゴローズの創業者、高橋吾郎とはどんな人物?
- ■ゴローズはなぜ高い?
- ■ゴローズの名作アイテム
- ■有名人着用
- ■ゴローズの入店方法や並び方ルール
- ■今のゴローズは吾郎さんのスピリットを受け継いでいるのか?
- ■さいごに
■ゴローズの創業者、高橋吾郎とはどんな人物?
出典:kaitorisatei
ゴローズの創業者、高橋吾郎氏は1939年生まれ。
東京の北区十条で6人兄弟の五男として誕生し、父は金物の行商を生業としていたそう。
父の仕事の影響か鉄屑を集めて売り捌き、そのお金で材料を買って物作りをしていたというから驚きです。
中学の臨海学校で葉山を訪れ、そこで出会った駐留アメリカ兵が以降の本格的なモノづくりのきっかけとなります。
彼から手ほどきを受けてレザークラフトを学び、腕を磨いた吾郎氏。
その駐留兵から譲り受けた道具を使ってウエスタンベルトを製作。
これを上野の中田商店に持ち込んだところ中田忠夫店主から100本の注文を受け、これが最初の仕事になったそうです。
1956年、17歳でレザークラフトの工房「goro’s」を駒込でスタート。
60年代には渡米し、アリゾナ州フラッグスタッフでシルバー職人から銀細工の手ほどきを受けます。
その後、工房の青山移転を経て、1972年に原宿でショップ「goro’s」をオープン。
この頃からgoro’sのショップではインディアンジュエリーの取り扱いもスタートし、度重なる渡米のなかでサウスダコタ州のネイティブアメリカン、ラコタ族と邂逅します。
親交を深める中、インディアンネーム「イエローイーグル」を拝受し、1979年には日本人として初めて「サンダンス」とよばれる神聖な儀式を完了。
「儀式で使ったイーグルの羽は本物なので持ち歩けない。ならば自分の手で、シルバーで作ろう」との思いから、シルバーのフェザーを製作。
出典:goros
これ以降もたびたび渡米しラコタ族と生活をともにしながら、ネイティブアメリカンの意匠を組み込んだシルバージュエリーを作り上げたのです。
渋カジ・アメカジといったスタイルがブームとなりゴローズの人気が高まると、店内では万引きが増加。
そこで、店内を出入り自由ではなく数名ずつを入れて密なコミュニケーションを行う現在のスタイルが考案されます。
当時を振り返り、『僕がお客さんを泥棒にしちゃったんだよね』と語った吾郎氏のエピソードは印象的。
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1991年末には寒空の中店先のスチール柵に腰掛ける客たちを心配し、信州から9mの丸太を持ち込み設置。
入店待ちの人々が腰掛けるベンチとして原宿の名物スポットとなりました。
こうした、吾郎氏の優しくてピュアな人柄を表すエピソードは多数。
2013年11月25日に高橋吾郎氏は、多くの人から惜しまれつつ74歳で死去しました。
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■ゴローズはなぜ高い?
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現在、Google等の検索エンジンで「ゴローズ」と検索すると、サジェストで頻出するのが「高い」「なぜ高い?」といったキーワード。
しかし、原宿に位置する正規店舗に並んでいる商品の値札を見れば、その価格帯は他のジュエリーブランドやハイブランドのアクセサリーラインと大差ない価格感であることがわかるはず。
では、なぜゴローズはここまで「高いイメージ」が浸透しているのでしょうか?
その理由はゴローズのアイテムのうち、希少性の高いアイテムが多数存在しているからだと言えるでしょう。
ゴローズはその70年近い歴史の中で、現在は製作されていないモデルが多数存在。
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加えて同じカテゴリのアイテムであっても、チェーンを通すホールの大きさやメタルのサイズが製造時期によって異なっており、オールドと現行という分類がなされています。
また、正規店舗で並んでいるアイテムの中でも、長年通い詰めた顧客にしか販売しないアイテムが存在。
こうした特定のアイテムの入手難易度の高さが当該アイテムのリセール価格の高騰に繋がり、その値段感が目立つことでゴローズそのものの「高い」イメージを醸成しているのではないでしょうか?
■ゴローズの名作アイテム
・名作アイテム①:フェザーネックレス
・名作アイテム②:イーグルネックレス
・名作アイテム③:フェザーの平打ちブレス
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・名作アイテム④:メディスンバッグ
・名作アイテム⑤:バックルベルト
■有名人着用
・ゴローズを着用する芸能人①:木村拓哉
・ゴローズを着用する芸能人②:TAKUYA∞
・ゴローズを着用する芸能人③:エリック・クラプトン
出典:front-row
■ゴローズの入店方法や並び方ルール
出典:goros
現在のゴローズでは、その人気の高さゆえフラッと店に立ち寄ることは不可能。
入店を希望する人は公式サイト(https://www.goros.com/)や公式X(https://twitter.com/goros_official)を確認した上で、抽選の行列に参加する必要があります。
ゴローズでは、日によって以下のような入店資格が振り分けられており、自身が該当しない日に並んでもそれが判明した時点で入店を断られてしまいます。
行列に参加する人は午前11時までにゴローズやその横のローソン前に集合。
免許証やパスポートなどの顔写真付きの身分証が必須となります。
店員から示されるタブレット端末の抽選アプリで番号を引き、その番号順に再整列。
抽選番号が若いほど入店の可能性が高まりますが、運良く入店が可能な番号を引き当てたとしても、当日は長時間の並びが確定。
どんなに早くても抽選の11時から店がオープンする13時までは必ず待つ必要があります。
■今のゴローズは吾郎さんのスピリットを受け継いでいるのか?
出典:goros
ゴローズでは、客が何度も店に通いスタッフとコミュニケーションを取りながら、少しずつ自分だけのアイテムを完成させてゆくのが王道のスタイル。
人々はアクセサリーだけでなく、こうした店内の独特の雰囲気やスタッフとのやりとりを求めて、日々入店抽選に参加します。
前述の通り、ゴローズの公式サイトでは「SCHEDULE」のページにて、この入店抽選に参加出来る人のステータスが日別で確認できる仕様になっています。
ゴローズに入店したいと考える人は、まずここで日程と自分のステータスを確認。
来店記録の有無や誕生月によって個々人の並べる日を制限することで、店舗近隣の混雑を軽減しているのです。
出典:goros
しかし、この記事を書いている2024年5月現在、直近3ヶ月でステータスが「海外在住者」になっている人物が並べる日はありません。
吾郎さんの存命時から大事に受け継がれてきたこの「スタッフと客のコミュニケーション」ですが、現在のゴローズではどうやらそこに外国人や日本語に堪能ではない人間は含まれていないよう。
ここは、個人的に今のゴローズで好きになれない部分の一つ。
それこそ吾郎さんがラコタ族とのコミュニケーションできっとそうだったように、客と心を通わせる上で、必ずしもスタッフが英語や中国語に精通している必要はないと思うのですが…
さすがに
“ネイティブアメリカンという外国人から受け継いだ技術で作り上げたゴローズだが、外国人には売りたくない”
とまでは考えていないはず。もしそうならブランドとしては終わりなので。
露悪的にも感じるこのサイトの表記の裏にはコミュニケーションの難しさだけでなく、少しでも転売ヤー対策がしたいという店側の意図があるのかもしれません。
ただ、そうだとしてもこの行為に本質的な意味があるかは疑問。
リセールショップにゴローズを持ち込む転売ヤーが日本人だけになったところで、そこに何のメリットがあるのでしょうか?
■さいごに
今回の記事では、ゴローズの歴史や人気の理由についてご紹介しました。
アメリカのネイティブアメリカンにルーツを持ちながら、その人気がかなりドメスティックに偏っているゴローズは、成り立ちもその現在も唯一無二。
本サイトでは他にも様々なファッションブランドの歴史やアイテム解説を行なっております。
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