ストリートファッションの雄、シュプリーム(Supreme)。
オリジナルアイテムはもちろんのこと、シーズンを通して何度も行われる様々なコラボレーションプロダクトが常に注目されているブランドです。
中でも、ナイキ(Nike)やヴァンズ(Vans)、ドクターマーチン(Dr.Martens)といったシューズブランドとのコラボは長年続いており、ファンの間でも定番コラボとして認知。
しかし、そんなシュプリームがかつて自社製のオリジナルスニーカーを製造・販売していたことはあまり知られていません。
今回の記事ではこのシュプリームのオリジナルシューズにフォーカスし、歴史や実際のプロダクトについて解説。
ぜひ最後までご覧ください。
■シュプリームのオリジナルスニーカーとは?
今回解説するスニーカーは、2001年にシュプリームがリリースした通称“Supreme Midtown”と“Supreme Downlow”の2種。
それぞれブラック/グレー/ネイビー/ブラウンの4色展開で発売し、インソールやアウトソール、靴裏などに「Supreme」の文字を施した、まさにシュプリームオリジナルのスニーカーだと言えるでしょう。
ただしこの2型のシューズは、どう見てもナイキの名作スニーカーのオマージュ。
ナイキのロゴ、すなわちスウッシュを取り払ったことで一見して「そっくり」とは言えない印象もありますが、ボディを改めて見比べれば“Midtown”はナイキのダンク、“Downlow”はナイキのエアフォース1を参考に制作されたことが分かるかと思います。
なお、シュプリームに限らずナイキは様々なブランドからスニーカーデザインを「盗用」されてきた存在。
こうしたオマージュスニーカーに対してナイキが取った対応については、こちらの記事にて解説しております。
■当時のナイキとシュプリームの関係
シュプリームが製作したこの“Midtown”と“Downlow”スニーカーを語る上では、当時のシュプリームとナイキの微妙な関係性についても語る必要があるでしょう。
本スニーカーがリリースされた2001年当時、ナイキはスケートボード業界に進出すべく情報収集をしていた時期。
当時スケートボードブランドとして一定の認知を得ていたシュプリームにもナイキはコンタクトをとっていたのです。
しかし、シュプリームの創業者ジェームズ・ジェビア(James Jebbia)に対し、ナイキは情報を取るだけ取ってシュプリームを切り捨て。
出典:twitter
激怒したジェビアは報復としてナイキのフォントで「FUCK NIKE」と書かれたTシャツを制作し鬱憤を晴らしたのです。
こうした経緯を踏まえると、同じく2001年にリリースされた“Midtown”と“Downlow”スニーカーの見え方も変わるはず。
同スニーカーの発売は、ナイキに「利用された」シュプリームの反撃として捉えることもできそうです。
なお、FUCK NIKE Teeや“Midtown”と“Downlow”スニーカーの翌年となる2002年には、ナイキが再びシュプリームにアプローチ。
出典:snkrdunk
スケートボードライン「Nike SB」を立ち上げたナイキの、最初期のコラボ相手としてシュプリームが選ばれることとなったのです。
こうして生まれたSupreme × Nike SB Dunk Lowは大きな注目を集め、シュプリームが大人気ブランドに成長するきっかけとなりました。
そして、以降毎年のようにナイキとシュプリームのコラボレーションスニーカーは制作され、その蜜月は現在まで途絶えることなく続いています。
■近い将来、オリジナルシューズラインを復活?!
2001年にリリースされたシュプリームのオリジナルスニーカー、“Midtown”と“Downlow”の評判は、芳しいものではなかったようです。
当時デザインチームに所属していたジェフ・ヒース(Geoff Heath)によると、同スニーカーのソールは硬くて重く、履き心地が悪かったとのこと。
売れ行きも良くなかったことや、翌年ナイキと和解しコラボレーションが始まったことで、シュプリームの「オリジナルシューズプロジェクト」は棚上げに。
シュプリームは以降20年にわたって、様々なシューズブランドとコラボレーションプロダクトを発売することとなるのです。
なお、直近の報道ではなんとシュプリームが改めて自社製のスニーカーの開発に取り組む姿勢を見せているとの話が取り沙汰。
大資本であるVFコーポレーション傘下となった今のシュプリームであれば、最新技術を組み込んだ履き心地の良いオリジナルスニーカーを制作してくれるのかもしれません。
■さいごに
今回の記事では、かつてシュプリームが発売した幻のオリジナルスニーカーについてご紹介しました。
本サイトでは他にもシュプリーム関連の歴史や豆知識、アイテム解説を実施中。
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