有名時計メーカーであるロレックス(ROLEX)。
世界中で愛され、名だたる有名人も愛用する高級時計として知れ渡っていると思います。
今回はそんなロレックスの中でもアンティークかつマニアなモデルであるデイトジャスト通称「サンダーバード」を皆さんはご存知でしょうか?
アメリカ空軍との縁が深いこのモデルを今回は解説していきます。
■サンダーバードとは?
出典:oracleoftime
まずはサンダーバードがどの様なモデルか見ていきましょう。
サンダーバードというのはニックネームであり、本来のモデル名は「デイトジャスト」です。
デイトジャスト自体は1945年に誕生したロレックスの人気モデルで、現行でも販売されているロングセラーモデルです。
ロレックスの三大発明である
- オイスターケース
- パーペチュアル自動巻き機構
- デイトジャスト機能
を全て備えたモデルであり、まさにロレックスの王道モデルと言えるモデルです。
そんなデイトジャストの中でも、特殊な計測目盛りがついた回転式ベゼルを搭載したのがサンダーバードです。
1960年頃から制作されており、2000年代辺りまで製造されていたようです。
原型はデイトジャストなのですが、回転式ベゼルによって明らかに雰囲気が違く感じる逸品で根強いファンが多いのが本作の特徴となります。
■サンダーバードの背景と由来
インディアン文化由来のアメリカ空軍部隊
そんなサンダーバードですがどうしてこのようなニックネームになったのでしょうか?
背景にはアメリカ空軍の「サンダーバーズ (Thunderbirds)」を知る必要があります。
遡ること1953年、アメリカ空軍は航空デモンストレーションチームであるサンダーバーズをアリゾナ州のルーク空軍基地で設立しました。
F-84を使用したエアロバティック飛行をするこのチームは正式名称を「The United States Air Force Air Demonstration Squadron」と言います。
このサンダーバーズの名前の由来はチームの発足場であるアリゾナ州のあるアメリカ南西部のインディアン文化の民話が元となっている説が一般的です。
インディアンの伝説によれば雷鳥(サンダーバード)と呼ばれる神話上の生物がいて、この偉大な鳥は羽ばたくだけで雷鳴の力で地球が震えるとされていたそうです。
このサンダーバーズのメンバーの一人であるドン・フェリス氏が引退するにあたって、特別にデイトジャスト Ref.6309を発注しました。
この際に特徴的なベゼルを持つ特別仕様のデイトジャストを発注したことから部隊の名前を使用し、「サンダーバード」として広く知られることになっていきました。
■オリジナルのサンダーバード
エンブレム付きのサンダーバード
出典:phillips
現在「サンダーバード」と呼ばれるデイトジャストはターンオーグラフと呼ばれる目盛り付き回転式ベゼルのものを指します。
しかし、サンダーバードにはサンダーバーズに就任した者のみに与えられていたオリジナルのサンダーバードがありました。
出典:phillips
上記の画像のものは、フィリップスオークションで2020年に出品されたものです。
この個体は1958年4月から1959年8月にサンダーバーズで飛行していたゲイル・ウィリアムズ大尉の家族が出品依頼したものだそうです。
なんといっても特徴的なのは文字盤にあるサンダーバーズのエンブレム。
このエンブレムがあるサンダーバードこそがオリジナルと言えるでしょう。
出典:phillips
ケースバックにはゲイル・ウィリアムズ大尉の名前とサンダーバーズの文字が確認できます。
このエンブレム付きのオリジナル個体は2018年にも出ていたそうですが、非常に個体数が少ないいうことは間違い無いでしょう。
日本国内に流通することはほぼない幻のオリジナルサンダーバードということになります。
■サンダーバード モデル紹介
ではオリジナルのエンブレム以外のサンダーバードはどの様なモデルがあるのでしょうか?
ここでは2つほどピックアップして見ていきたいと思います。
デイトジャスト Ref.6309
出典:crownmaniax
やはり紹介しておきたいのはこのRef.6309。
サンダーバードには5つの世代がありますが、前述したように、このRef.6309こそが初代のモデルです。
初代のモデルというだけで価値がありますが、こちらの画像のようにブラックダイアルだとより個体数が少なくレアです。
デイトジャスト Ref.16264
出典:rakuten
こちらは製造終了前後のRef.16264のサンダーバードです。
第五世代は20年近く製造されたこともあり、個体数は多いものの製造終了間近のシリアルナンバーですと、少しレアな個体です。
最終個体だけあって、先に紹介した6309よりも洗練されたデザインで近代的になっています。
■さいごに
今回はロレックスのサンダーバードについて解説してきました。
歴史あるマニアックなモデルで人気の本モデル。
平行店で見かけた際にはチェックしてみてはいかがでしょうか?
FashionArchive.comではロレックス関連の情報を多数発信中。
ぜひ興味があれば他の記事もご覧頂けますと幸いです。
また、X(旧Twitter)/TikTok/YouTubeではWebサイトとは異なる情報発信をしておりますので、ぜひこちらもご覧ください。
各SNSのリンクはページの最下部から!