「ファッション好きが履くスニーカー」として人気が再燃しているニューバランス(New Balance)。
アイコンとも言えるNの文字とちょっと「いなたい」デザイン。そしてもちろん抜群の履き心地。
そんなニューバランスの中でも特に人気なのが所謂「990」シリーズ。
「1000点満点中990点」というコンセプトで生み出されたこのスニーカーは形や技術をアップデートしながら今日に至るまでニューバランスの看板モデルとして君臨しています。
今回の記事ではそんなニューバランスの990シリーズを発売順に徹底解説。
多くのファッション関係者やセレブも愛した名作たちを余すところなくご紹介致します!
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目次
- ■ニューバランスの各モデルについて
- ■M990(1982年)
- ■M995(1986年)
- ■M996(1988年)
- ■M997(1991年)
- ■M998(1993年)
- ■M999(1996年)
- ■M990v2(1998年)
- ■M991(2001年)
- ■M992(2006年)
- ■MR993(2008年)
- ■M990v3(2012年)
- ■M990v4(2016年)
- ■M990v5(2019年)
- ■M990v6(2022年)
- ■さいごに
■ニューバランスの各モデルについて
ニューバランスの990に関連するモデルは2023年現在、14種類存在します。
1982年に登場したM990に始まり、2022年に一部ショップで先行発売されたM990v6まで、その技術やデザインの変化は多岐にわたります。
ニューバランスにおいてはスニーカーの名前を数字とアルファベットの組み合わせで表現するのが一般的。
オフロードでの走行の安定を追求した500番台や最新のテクノロジーを詰め込んだラグジュアリーな1000番台。
そして舗装路向けに作られた900番台などが主なシリーズとして知られています。
また、ニューバランスのシューボックスなどに記載されるスタイルコードを見ると、そのアルファベットや数字によってどんなスニーカーなのかある程度予想することが可能です。
500番台や900番台の数字に加え、数字の前に入る「M(男性向け)」「W (女性向け)」「ML(メンズライフスタイル)」「BB(バスケットボール)」といったアルファベットが組み合わさります。
また、細かな品番としては数字の後に加えられる「L(レザーが使われている)」や「B (配色がブラック)」などの表記。
中にはブランドとのコラボや特別なコレクションものの場合、数字のあとに同ブランドやコレクションのイニシャルを加えることもあります。
今回の記事では全てスタンダードなグレーのモデルでご紹介。
それではここから歴代の990シリーズを一挙解説致します!
■M990(1982年)
出典:laceuphk
M990は1982年に月星化成(現ムーンスター)との共同開発。
100ドルという当時としては超高額な定価で販売しましたが、そのクッション性や当時最新だったテクノロジーは多くの人を魅了しました。
以降の990シリーズを形作った歴史に残る1足だと言えるでしょう。
■M995(1986年)
出典:amazon
990に続いて1986年にリリースされたのがM996。
990と同じく、ブーツなどで使われるビブラムソールを配備しレトロなデザインが印象的です。
しかし、初代である990と大人気モデル996の間にあるモデルとして少し影が薄かったこの995。
それゆえ長らくディスコン(生産中止)となっていましたが、2016年に30年ぶりの復刻を果たしました。
■M996(1988年)
ニューバランスの990シリーズの中でも圧倒的な一番人気を誇るのがこの996。
前作同様にENCAP、C-CAPの2つの技術をミッドソールに組み込むことで抜群のクッション性を実現。
ラスト部分はSL-1と呼ばれる細身のもの、トゥ部分はデコ狭なデザインにすることでシャープな印象を与えています。
まさにマスターピースと呼ばれる本作は様々なカラーリングやコラボモデルも存在。
インラインにおいても通常のUSA製のM996に加え、アジア製で低価格なCM996、そして女性向けによりシェイプさせたWL996などが存在しています。
■M997(1991年)
出典:wear
歴史に残る名作モデルとなった996の後続機として1991年に登場したのがこの997。
996までのレトロな雰囲気は残しつつ、ボディやソールにはハイテクスニーカーのようなデザインもこの辺りから見え隠れします。
特にミッドソールはカカト周りのサポートとENCAPが一体成型されており、ハイテク感が際立っています。
また、990シリーズで初めて「N」の文字が小さいモデルとなったことでも知られています。
■M998(1993年)
出典:orangecounty
今ではニューバランスの定番テクノロジーであるABZORBが初めて搭載されたのが1993年リリースの998。
ミッドソールに搭載されたABZORBは、衝撃吸収と反発弾性を備えたクッショニング素材となっており、極上の履き心地を演出しています。
■M999(1996年)
990から始まったシリーズがついには999まで到達したということもあり注目を集めたのが本スニーカー。
ナイロンとスウェードを組み合わせたアッパーは、つま先のメッシュの広さが特徴的。
アジア工場で生産することでコストを抑えたML999というモデルも存在しました。
■M990v2(1998年)
本スニーカーを作るにあたって議論となったのが999の次となるモデル名称。
より分かりやすく消費者に届けるためにも、従来の数字ではなく、アディダスの「スタンスミス」やナイキの「エアジョーダン」のようなネーミングも候補に挙がったそう。
結局のところ990v2(バージョン2)に名前は落ち着き、以降もv3、v4と続いてゆくこととなりました。
小さなNロゴとABZORBが搭載されたソールが特徴的なこの990v2。
そして本作以降の990シリーズはそれまでの街履きスタイルのレトロな外観から、ハイテクスニーカーのエッセンスを足したデザインへと洗練されてゆきます。
■M991(2001年)
出典:item.rakuten
次項で紹介する992と共に、あのスティーブ・ジョブスが常に着用していたスニーカーがこの991。
Lunorのメガネ、イッセイミヤケのタートルネック、リーバイスの501と共に愛用していたこのシューズはまさに彼の制服。
本シューズが復刻された際には英国製でのリリースとなり、マニアの間で話題を呼びました。
■M992(2006年)
ニューバランス創業100周年で作られたのがこちらの992。
ABZORBを進化させ、耐久性を高めたABZORB SBSを搭載しました。
また、スムーズな足運びをサポートする「TS2」を搭載したミッドソールや、耐摩耗性に優れた「Ndurance」ラバーを使用したアウトソールなど、100周年に相応しいモデルとなるようさまざまな技術の結晶ともいえるモデルでした。
■MR993(2008年)
出典:sneakerhack
2008年に登場した993はアッパーのピッグスキンスウェードとメッシュの組み合わせが特徴的な一足。
極上の履き心地だった992をさらに進化させる、包み込まれるようなヒールカップ。
そしてメッシュ部分の面積を広げ蒸れにくくするなどの細かな調整も光るシューズとなっています。
■M990v3(2012年)
990シリーズ発売30周年となった2012年にリリースされたこのニューバランス990v3。
REVLITEというミッドソールの技術によってこれまでの990シリーズよりも軽量化を成し遂げました。
Wolverine社製のピッグスキンスウェードとメッシュの組み合わせも合間って、高級感とテック感のいいとこ取りをしたモデルだと言えるでしょう。
■M990v4(2016年)
出典:pinterest
前作までと大きく雰囲気を変えたのがこちらのM990v4。
その大きな要因は細身になったNロゴだと言えるでしょう。
シャープな印象の本モデルはACTEVA LITEを搭載することでさらなる軽量化に成功。
本作以降、ニューバランスのキーカラーであるグレーの色合いが白みがかったニュアンスに変化したことを覚えているファンも多いのではないでしょうか。
■M990v5(2019年)
出典:item.fril.jp
2019年にリリースされたのがこちらの990v5。
軽量化をマネージするACTEVA LITEに加え、ABZORBやENCAPといったニューバランスの技術を詰め込んだ豪華な一足となっています。
サイドに配置されたTPUストラップと呼ばれるプラスチックのパーツによってフィット感も向上しています。
■M990v6(2022年)
出典:item.fril.jp
990シリーズ40周年となった2022年にリリースされた最新モデルがこの990v6。
ランニングシューズに搭載されるFUELCELLを乗せ、今っぽくボリューミーなソールとなった本作。
ボディは往年の990らしく丸みを帯びたデザインとなっています。
一部店舗での先行発売時は抽選に多くのスニーカヘッズが参加。
再燃するニューバランス人気をこれから引っ張ってゆくモデルとなりそうです。
■さいごに
今回の記事ではニューバランスの990シリーズを発売順にご紹介致しました。
今後ますますトレンドとなってゆくニューバランスのスニーカー。
その中でも990シリーズのシューズは絶対に1足は持っておきたいアイテムです。
ファッションアーカイブ.comでは他にも様々なスニーカーの歴史や購入レポートなどを掲載。是非他の記事もご覧頂けますと幸いです。