株式市場のように変動相場でスニーカーを購入できる大手リセールサイト、ストックX(Stock X)。
スニーカーブームの高まりと共に人気を集め、日本においてもスニダンやモノカブといった追随サイトが登場しました。
そんなストックXですが、時たま話題となるのが鑑定ミスによる偽物問題や、商品の紛失問題。
本記事ではこれまでに起きたストックX関連の事件の中でも特に被害額の大きかった事件、すなわちNike Air Yeezy 2 “Red October”紛失事件について解説。
事件の原因や経緯をどこよりもわかりやすく考察いたします。
ぜひ最後までご覧ください。
■ストックXとはどんなサイト?
出典:buyandship
ストックX(Stock X)は2015年にアメリカ・デトロイトで創業したオンラインマーケットプレイス。
当時スニーカー市場の加熱により、レアなスニーカーをゲットし転売することで利益を得ようとするバイヤーや、お目当てのシューズを定価以上のお金を出してでも買いたいと考えるユーザーが出現。
この需要に応えるべく、スニーカーの販売者と購入者をマッチングさせる二次流通サイトとしてストックXは誕生しました。
画期的だったのは出品されているアイテムの価格がユーザーのニーズに応じて株価のように変動する仕組みや、ユーザーへの発送前に専門スタッフによる鑑定を挟むシステム。
ストックX上で売買が成立すると、売り手はまずストックXの倉庫にスニーカーを発送。
倉庫にて真贋鑑定を行った上で、ストックXから買い手へと商品が発送されます。
偽品が跋扈するスニーカー市場において、オンラインで購入した商品の真贋鑑定をECサイト側で行ってくれる安心感から、ストックXは瞬く間に成長。
多くのスニーカーヘッズから支持されるオンラインマーケットプレイスとなりました。
■とあるユーザーが約100万円でスニーカーを販売! しかし…
2021年、Twitter(現X)上で、@san_nimat氏というユーザーがストックXに対して告発。
本人によると、彼は自身が所有するレアスニーカー、Nike Air Yeezy 2 “Red October”の27cmをストックX上で出品。
カニエ・ウェストがナイキと作り上げた伝説のスニーカーは9,200ドルで売買が成立。
彼は自身のコレクションが落札されると、真贋鑑定のためストックXの倉庫に同品を発送したとのことです。
発送後、2週間ほどして同氏はストックXから1通のメールを受領。
それによれば『倉庫にてストックXが受け取ったスニーカーはNike Air Yeezy 2 “Red October”ではなく、ランダムな一足のスニーカーだった』とのこと。
晴天の霹靂とも言える連絡に驚いた@san_nimat氏は追加でストックXに対して調査を要求。
合わせてTwitter上で事件のあらましを告発するに至ったのです。
■ストックXの「怪しい」対応
出典:indiamart
事件発覚後、不自然だったのがストックXの対応。
通常、出品者がストックXに発送したスニーカーが鑑定をパスしなかった場合、取引がキャンセルされると共に同スニーカーは出品者の元へと返送されます。
今回の事件においてストックXは調査の結果『配送箱が輸送中に改ざんされたようには見えない』と@san_nimat氏に連絡。
しかし、証拠として有用であろう「ランダムな一足のスニーカー」の写真も無く、しかも当該スニーカーを同氏に返送するというストックXの通常プロセスすら行われなかったようです。
■レアスニーカーはどこへ消えたのか
本事件がSNS上で“炎上”すると、ストックXはTwitter公式アカウントから彼に対し『調査の上解決に向けて取り組む』と宣言。
状況から判断するに同社の倉庫スタッフや運送会社の配達員がレアスニーカーに目が眩み盗難を行ったように思えますが、真相は藪の中。
@san_nimat氏側も「そもそも本当にNike Air Yeezy 2 “Red October”を発送したのか」という証拠が提示できない場合、泣き寝入りとなることも十分に考えられます。
その後、同氏/ストックXは共に状況のアナウンスが無いまま月日は流れ、現在に至っています。
騒動を見守るスニーカーヘッズたちに周知することなく、内々で和解となったのかもしれません。
■さいごに
今回の記事では、ストックXが炎上したレアスニーカー紛失事件についてご紹介しました。
本サイトでは他にも様々なファッション関連の事件解説を行なっております。
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