ナイキが誇る永遠の定番スニーカー、エアフォース1(Air Force 1)。
バスケットボールシューズとして誕生した本スニーカーは、当然ながら数多くのNBAバスケットボール選手にフィーチャーしたモデルが存在。
実は、レブロン・ジェームズやコービー・ブライアントといった名選手たちも、自身の名を冠したナイキの名作バッシュとは別でエアフォース1の別注モデルを製作しているのです。
今回の記事では、過去に制作されたこうした貴重なエアフォース1をまとめてご紹介。
ぜひ最後までご覧ください。
■今更聞けない、エアフォース1の歴史とは?
出典:snidehead
ナイキは1982年にバスケットボールシューズ、エアフォース1をリリース。
ランニングシューズで培ったエアソール技術をバスケシューズとして初めて搭載したスニーカーとなりました。
このエアフォース1は、バッシュを履くバスケットボール選手が避けて通ることのできなかった障害、すなわち靴ずれや足のマメ問題を解決した画期的な1足。
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硬いバスケットコートの上を縦横無尽に走り回る足裏を優しく包むエアソールと、足首をしっかりとホールドし靴ずれを防ぐベルト。
こうした画期的な工夫は、「靴下を二重に履く」「試合中に何度も足のテーピングを巻き直す」といった涙ぐましい努力をもってしても防げなかった足の痛みを大きく和らげたのです。
・着用率ではなく選手にフォーカスしたプロモーション
1970年代から80年代にかけてのバスケットシューズ業界は、「どれだけ多くの選手に履かれたか」の戦い。
「Look at the Feet…」と名付けられたこのアディダスの広告は、NCAAのチャンピオンや1972年のABAのチャンピオンのアディダス着用率が100%であることを誇らしげにアピール。
対してナイキはと言えば、エアフォース1のプロモーションにあたって、「選手」にフォーカス。
エアフォース1が登場した1982年-1983年シーズンでは、6人のバスケットボール選手とナイキは契約し、大々的なキャンペーンを実施。
シューズ名の元となった大統領専用機エアフォースワンを思わせるジャンボジェットを背景に白いジャンプスーツに身を包んだこの6人。
シーズンを最後まで盛り上げた彼ら「オリジナルシックス」が履いたシューズとして、エアフォース1には大きな注目が集まりました。
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以降、ナイキはバスケットボール業界で絶大な地位を築き上げることに。
技術革新に伴いコートからエアフォース1の姿は消えたものの、ストリート映えのする街履きスニーカーとして現在でも世界中で愛されています。
エアジョーダンシリーズを筆頭に、ナイキは多くのNBA選手とバッシュ契約を結んだものの、エアフォース1の存在はやはり別格。
こうした選手たちが自らのシグネチャーシューズを差し置いて製作した別注のエアフォース1を次章よりご紹介いたします。
■レブロン・ジェームズ
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2003年に18歳の若さでNBA入りして以降、20シーズン以上も現役を続けている「キング」ことレブロン・ジェームズ。
バスケットボールシューズではナイキの「レブロン」シリーズで知られ、ブランド史上初めて生涯契約を結んだ選手としても知られています。
※ナイキ「レブロン」
そんなレブロン・ジェームズは、デビューまもない2005年の頃、ナイキのエアフォース1にフィーチャーしたコレクションをリリース。
「恐怖の部屋(CHAMBER OF FEAR)」と名付けられた6種類の限定エアフォース1は、若きレブロンを待ち受ける6つの恐怖、すなわち「重圧」や「誘惑」といった恐怖に彼が打ち勝ってゆくというコンセプト。
数百足単位でしか制作されず、現在ではいずれもプレミアがついています。
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また、2006年にもレブロンの活躍を記念してターコイズブルーのスエード素材で作られたエアフォース1が制作。
他にもメタリックゴールドのアッパーボディーにシルバーのスウッシュを施したエアフォース1のプロモサンプルなども存在しています。
■コービー・ブライアント
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2016年に引退するまでにNBAチャンピオン5回、NBA歴代2位となる1試合81得点など、数々の記録を打ち立ててきたコービー・ブライアント。
2020年1月に次女と共に乗っていたヘリコプターの墜落事故によって死去し、多くのファンが悲しみに包まれました。
彼のシグネチャーシューズであるナイキ「コービー」シリーズは現在でも発売のたびに即完売を繰り返しており、”ブラックマンバ”の栄光に想いを馳せる人が多いことが伺えます。
※ナイキ「コービー」
そんなコービー・ブライアントですが、実は 2011年にナイキのエアフォース1とコラボしていたことはあまり知られていません。
こちらのモデルは同年のNBAオールスターゲームを記念して制作されたエアフォース1。
シュータンやインソールにコービーのブラックマンバロゴが入っており、紫と黒のシックなモデルとなっています。
また、過去にはコービーが所属していたロサンゼルス・レイカーズのカラーで構成され、ブラックマンバロゴや彼の背番号「24」がデザインされたエアフォース1も存在。
こちらは2009年に小学生向けのサイズ展開のみで発売され、多くのスニーカーヘッズが「なんで子供サイズしかないんだ?!」と地団駄を踏んで悔しがった1足としても知られています。
■カイリー・アービング
出典:basket-count
父も元選手というバスケエリート家庭に生まれ、クリーブランド・キャバリアーズやボストン・セルティックス、ブルックリン・ネッツ、そしてダラス・マーベリックスとチームを転々としながら活躍するカイリー・アービング。
彼がナイキと契約して制作された「カイリー」シリーズは人気も高く、一時はNBA内での着用率も非常に高かったモデルです。
※ナイキ「カイリー」
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そんなカイリーですが、2014年に当時の所属チームであったクリーブランド・キャバリアーズのチームカラーをベースにエアフォース1を制作済み。
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アッパーにはクリア素材も使われ、付属の専用ソックスと共に着用してはじめてスニーカーとして「完成」するデザインとなっていました。
※同モデルにはシルバー×ブルーのモデルも存在。
復刻はおろか、カイリー本人がナイキからキャンセルされ別ブランドに移籍してしまった現状を踏まえると、本モデルの歴史的価値はとりわけ高いと言えるでしょう。
改めて、ナイキがカイリーを切ってしまったことは失望せざるを得ません。
■さいごに
今回の記事では、NBAバスケットボール選手にフィーチャーしたエアフォース1について解説致しました。
本ブログでは他にもジョーダンやダンクに関する解説や、ナイキのシューズデザイナーに関する豆知識など、スニーカー関連の情報を多々発信しております。
ぜひ合わせてご覧いただけましたら幸いです。