2022年も様々な新作シューズが毎日のように登場し、スニーカーヘッズたちを沸かせてきました。しかし、同年最注目のアイテムといえば間違いなくこのNike Air Jordan 1 High OG “Lost & Found/Chicago”でしょう。
バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンのシグネチャーシューズにして、彼自身が幾度も重要な試合で着用してきたカラーリングが久々に復刻。しかも当時のものがお店のバックヤードから「見つかった」という体でビンテージ加工も施された逸品だというのだからたまりません。
今回の記事ではエアジョーダンの歴史から、本モデルがなぜここまで注目を集めるのかについて解説。そして友人の協力もあり運良くSNKRSでGETした本モデルを、どこよりも詳しく徹底レビュー致します。
是非最後までご覧頂けましたら幸いです!
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目次
- ■今更聞けない! エアジョーダン誕生の歴史とは
- ■エアジョーダン1 シカゴはどんなスニーカー? これまでの復刻や人気の理由
- ■ナイキ エアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”について
- ■商品詳細レビュー(到着まで)
- ■商品詳細レビュー(箱外観)
- ■商品詳細レビュー(箱その他)
- ■商品詳細レビュー(紐なし 前面、サイド)
- ■商品詳細レビュー(前面)
- ■商品詳細レビュー(サイド)
- ■商品詳細レビュー(バック)
- ■商品詳細レビュー(ソール)
- ■さいごに
■今更聞けない! エアジョーダン誕生の歴史とは
まずはおさらいしておきたいのが稀代のスニーカーシリーズ「エアジョーダン」の誕生の歴史。今回ご紹介するエアジョーダン1を含むジョーダンのシリーズは、その名の通りバスケ選手マイケル・ジョーダンのシグネチャーモデル(選手の名を冠したモデル)です。
1980年代初頭、アディダスやコンバースの製品がほとんどだったバスケットボール市場に切り込むべく、ナイキは新作バスケットボールシューズの開発や、スター選手との契約に血眼になっていました。
そんな中、マイケル・ジョーダンはノースカロライナ大学でバスケチームの主力選手として活躍。当時NBA(プロバスケ)と肩を並べるほど人気を博していたNCAA(全米大学体育協会男子バスケットボールトーナメント)でノースカロライナ大学が優勝すると、同校を勝利に導いた選手として一躍有名になったのです。(この頃の彼はコンバースを着用しています)
そんな経緯もあり1984年、マイケル・ジョーダンはNBAチーム「シカゴ ブルズ」に入団。同タイミングで行われたロサンゼルスオリンピックにも出場したマイケル・ジョーダンは、そちらでもアメリカチームの優勝に寄与し、更なる注目を集めました。
1984年6月にシカゴ ブルズにマイケルが入団すると、彼は早速スポンサー契約の相手探しに奔走。当初はそれまでの試合で着用してきたコンバースやアディダスにアプローチ。ナイキは選択肢にすら入っていなかったとのちに語っています。
しかし、入団直後で実績のない選手に、50万ドルという破格の契約金を提示したナイキからのラブコールに折れ、ついにマイケルはナイキと契約することになります。
こうして、マイケル・ジョーダンと契約したナイキは彼のシグネチャーシューズ「エアジョーダン」を開発。
出典:excite
1985年の開幕戦からこのシューズを着用したマイケルは、以降2003年に至るまでナイキのシューズと共にスポーツ史に名を残す活躍をつづけることとなります。
なお、このナイキとマイケルの契約までの紆余曲折については、こちらの記事でより詳しく解説しておりますので、是非合わせてご覧ください。
■エアジョーダン1 シカゴはどんなスニーカー? これまでの復刻や人気の理由
1985年のファーストモデルの発売以降、ナイキはエアジョーダン4、エアジョーダン9といったナンバリングと共に様々なジョーダンのモデルをリリースしてきました。
しかし、なんといっても1番人気はやはり最初に作られたモデルであるエアジョーダン1。中でもマイケルが実際に試合で着用したモデルは、発売当時のビンテージ品や復刻品も含めリセールマーケットで常に高値で取引がなされています。
マイケル自身が主に試合で着用していたのはこちらの3つのエアジョーダン1。
いずれもマイケルが当時所属していたシカゴ ブルズのカラーである赤、黒、白をつかったモデルとなっています。
上記3つのモデルの中でも、今回ご紹介する ”シカゴ” はマイケルにとってもバスケットボールファンにとっても特に特別な1足となっています。
マイケルの現役時代、ナイキは毎年エアジョーダンのナンバリング新作をリリースし、そのたびに、マイケルは試合で履くシューズを切り替えていました。
※1996年にマイケルが着用していたエアジョーダン 11
出典:baitme
1997-98年シーズン、マイケルと彼が所属するシカゴ ブルズは岐路に立たされていました。
マイケル加入以前は決して強豪とは言えなかったブルズですが、彼の活躍によって1990-91年シーズンから1992-93年シーズンにかけてNBAファイナルでの3連覇を果たすまでに成長。
そして1995-96年、1996-97年も優勝を果たし、1997-98年シーズンは「2度目の3連覇」を果たせるかどうかという状況となったのです。
しかし、ブルズのフィル・ジャクソン監督が経営陣との対立から退任を仄めかしており、またマイケルの盟友だったピッペン選手の退団も噂されていた状況。そしてマイケル自身も年齢ゆえに何歳までプレーするのかが人々の関心の的になっており、その進退が注目されていました。
「ジャクソン監督とピッペンが辞めれば自分も辞める」と発言していたマイケル・ジョーダン。
名監督と名選手たちの退団が噂されたシカゴ・ブルズは、「強いのは今年までかもしれない」との意味で「ラストダンス」と囁かれるように。
そんな中1998年の3月9日、シーズン終盤でブルズはニューヨーク・ニックスと対戦。
ニューヨークの有名アリーナ、マディソン・スクエア・ガーデンで、マイケルはなんとエアジョーダン1 シカゴを久々に着用。
久々のエアジョーダン1が合わず、足から出血するほどの状況ながら、17本のショット(うち3ポイント1本とフリースロー7本を決めて42得点という脅威的な結果をだしたマイケル。
ラストダンスに相応しい伝説的試合を行ったマイケルがあの日履いていたのがこのエアジョーダン1 シカゴなのです。
その後、ブルズは優勝し2度目の3連覇を果たします。
シーズンを終えジャクソン監督やピッペン選手が退団すると、マイケルもブルズを後にすることとなりました。
■ナイキ エアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”について
さて、ここまでナイキとマイケルジョーダン、そしてエアジョーダンの歴史を振り返って解説致しました。
今回ご紹介するナイキ エアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”は、7年ぶり4度目のシカゴカラーの復刻。
1985年当時のデザインや質感を可能な限り再現しつつ、同スニーカーが初めてリリースされた80年代に多かった家族経営型の小さなスニーカーショップにフィーチャーしたモデルとなっています。
小さなスニーカーショップの倉庫から36年の時を経て偶然デッドストックが見つかった、という設定のこのシューズ。
当初は生産数が世界で30万足と噂されており、かなりの数が人々の手元に渡ると思われていました。
しかし、2022年11月19日にリリースされると、どうやら(少なくとも)日本ではあまり足数が卸されていないであろうことが判明。
発売から数日が経った現在、リセール市場では定価の約3-4倍の価格で取引がなされています。
世界中のスニーカーヘッズがショップに並び、スマホと睨めっこすることとなったこちらのエアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ。
どんなスニーカーに仕上がっているのか、以降の章で徹底レビュー致します。
■商品詳細レビュー(到着まで)
本スニーカーは2022年11月19日にナイキのアプリSNKRSで購入。
11月23日に手元に届きました。
■商品詳細レビュー(箱外観)
到着した段ボールを開けると、中にはナイキのシューボックスが。
1985年当時に使われていたデザインを再現しつつ、箱同士が擦れてできた傷やインクの滲み。サイドには「セール」のシールなどがデザインされており、いかにもビンテージな風合いとなっています。
■商品詳細レビュー(箱その他)
シューボックスを開けると発売当時のコマーシャルペーパーや、のちに「ジャンプマンロゴ」となる有名なマイケル・ジョーダンの写真、セールのチラシなどがプリントされた包装紙がお目見え。
また、「SANDY BROS.」という架空のスニーカーショップの領収書も添付。
どうやら1986年の8月30日に、このエアジョーダン1 シカゴは大規模値引きセールに掛けられたようです。
今では信じられませんね…
■商品詳細レビュー(紐なし 前面、サイド)
包装紙をめくり、内容物を取り出してみました。
紐を通すとアッパー部分に皺が入りやすいことから、エアジョーダン1はシューレース(靴紐)が通されていない状態で販売されることがほとんど。
御多分に洩れず今回もシューレースが通されていない状態で、黒と白のものが手元に届きました。
ここからのレビューでは見栄え上全て黒紐を通した状態でご紹介したいと思います。
■商品詳細レビュー(前面)
黒紐を通したエアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”を正面から撮った写真となります。
シュータン部分が黄ばんでいたり、ミッドソールがセイル色になっていると聞いていましたが、この角度から見るとビンテージ加工はほとんど目立たず、まっさらな製造したての新品に感じます。
トゥ部分に目を近づけると、ひび割れ加工が施されており、わずかにオールドな風合いを醸し出しています。
あと、今見るとシュータン部分に紐を通し損ねていますね…(汗)
■商品詳細レビュー(サイド)
サイドから見ると「これぞエアジョーダン1」という風格。
足を入れる部分の黒いアッパーレザーが経年変化によってひび割れたような質感に。
スウッシュ周辺もトゥ同様すこし黄ばんだ色合いとひび割れが特徴的。
■商品詳細レビュー(バック)
バックから見ると黒いひび割れはよりわかりやすく見えます。
海外ではここの部分にカビが生えてしまったものがいくつか報告されておりましたが、本品にはその懸念は無いようです。
※カビ被害が確認されたエアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”
出典:twitter
■商品詳細レビュー(ソール)
最後にソール部分ですが、裏返すとこちらも本来の赤色の上から白っぽい加工が施されており、誰にも履かれないまま長らく放置されてきたような風合いになっています。
こちらで、エアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”のレビューは以上となります!
■さいごに
今回の記事では、2022年もっとも注目されたスニーカーとなったエアジョーダン1 ハイ OG “ロスト & ファウンド/シカゴ”のレビューを致しました。
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