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絶好調のユニクロを襲った暗雲!セルフレジ訴訟で敗訴したユニクロの今後を占う。

2021年2月15日、ユニクロやGUを擁するアパレル大手「ファーストリテイリング」は、株価高騰によってアパレル時価総額で世界一を達成しました。
低価格・高品質なユニクロの商品はコロナ禍においても売れ続け、ジル・サンダー氏を招聘して11年ぶりに復活した「+Jコレクション」などの効果もあって、ユニクロはまさに絶好調とも言える状況でした。
しかし、そんな世界を制したアパレルの雄の周囲に、最近にわかに暗雲が立ち込めています。

今回の記事では、直近でユニクロを襲ったセルフレジ問題の経緯を詳しく解説し、今後のユニクロの未来を占って行きたいと思います。

■セルフレジの特許訴訟にファーストリテイリングが敗訴

2021年5月20日、IT企業「アスタリスク社」が開発したRFIDセルフレジに関する特許の有効性が争われた訴訟の判決で、知財高裁は特許の有効性を認め、ファーストリテイリングの請求を棄却しました。

ユニクロやGUを使う人ならばすでにおなじみとなった、買い物かごを置くだけで商品を正確に読み取り会計金額を弾き出すあのセルフレジに対し、同様の技術の特許を有するアスタリスク社が訴訟を起こし、ついにはその有効性が公的に認められることとなったのです。

なぜ、すでに幅広く認知されていた便利な「ユニクロのセルフレジ」が、今回このような憂き目を見ることになったのでしょうか。
その原因は2年前まで遡ります。


出典:biz-journal.jp

■ユニクロの有明プロジェクト構想とセルフレジのしくみ

2017年2月、ユニクロは有明倉庫の6階に本部を移転し、企画・計画・生産・物流・販売といったサプライチェーンのすべてのプロセスを変革する通称「有明プロジェクト」を始動しました。

Googleと共同で行う、世界中のビッグデータや画像分析によって今後流行する色やシルエットを予想するシステムなどが著名な有明プロジェクトですが、その根幹のひとつに「RFID」と呼ばれるICタグをユニクロの全商品につけることで、有明倉庫での商品の搬入・仕分け・ピッキング・検品などの作業プロセスをほぼ無人で行うというものがあります。

そんなRFIDタグを読み取り、レジに商品を置くだけで会計が可能になる装置こそがユニクロの導入したセルフレジとなります。
RFIDタグを読み込むセルフレジのシステムはいくつかのIT企業が開発競争をしており、各社はセルフレジの深い桶のような窪みにRFIDタグを置くと、桶の側面に配置されたアンテナが電波を発し、タグを読み込むという仕組みを構築していました。

しかし、一見便利に見えるこの装置は電波の飛距離が長く、セルフレジから電波が飛び出して、近くの商品のRFIDタグを勝手に読み込んでしまうことが大きな課題でした。
当初、GUやローソン、飛行場の荷物預けシステムなどで採用されていたこの装置は、タグのついた商品を置いた後に上部や側面の扉を閉じることで、電波漏れの問題を解消していたのです。

そんな中、アスタリスク社は桶状に形成された商品を読み込む窪みにセンサーだけでなくシールドを取り付け、外部への電波放射を低減させる装置を開発。
これによって扉や蓋をしなくてもRFIDタグを正確に読み取ることができる装置が完成しました。
この仕組みをアスタリスク社は17年5月に特許出願。
19年1月25日に特許6469758号「読取装置及び情報提供システム」として受理されたのです。

■ユニクロのセルフレジ本格導入コンペにアスタリスク社が参加

2018年8月、ユニクロは翌年2月から導入を予定しているRFIDタグ読み込み型のセルフレジのコンペティションを実施。
アスタリスク社もコンペに参加し、ユニクロのIT担当者からは高い評価を受けたとアスタリスク社鈴木社長は語っています。

しかし、同年11月、アスタリスク社はコンペで敗北。
セルフレジは別のベンダーのものが採用されることになりました。
しかし、2月に導入された他社製のユニクロセルフレジは、どうみてもアスタリスク社の開発した、蓋や扉のないRFIDタグの読み込み装置を模していたのです。

ユニクロにとって大きな誤算だったのは、前述の通りアスタリスク社はこの仕組みを2017年5月に特許出願しており、なんとユニクロが同セルフレジを導入する1ヶ月前となる2019年1月に特許申請が受理されていたことです。

これに対しユニクロは水面下でアスタリスク社と交渉を開始。
ユニクロの法務部知財担当者とアスタリスク鈴木社長との話し合いは何度も行われました。

■ユニクロの特許無効審判請求とアスタリスク社の特許権侵害行為差止仮処分命令申立

アスタリスク社の要求はユニクロのセルフレジにアスタリスク社の製品を使うこと、もしくはライセンス契約の締結。
これに対しユニクロ側は激しく反発し、5月には同特許に対して、なんと無効審判を請求します。

これは、「ユニクロは特許権を侵害しているのではなく、そもそもこの特許事態が無効である」という申し立てとなります。
実は、今回係争においては、まずユニクロ側から申し立てを行っていたのです。

これに驚いたアスタリスク社はユニクロ側と交渉を重ねますが、9月にはなんとユニクロ側から「妥協点」として、「ライセンス料0円で契約」を提案されます。
これに怒ったアスタリスク社は9月24日、ついに特許権侵害行為差止仮処分命令申立を行うに至りました。

つまり、ユニクロが申し立てを行った「セルフレジの特許は無効である」という審判請求VSアスタリスク社の「ユニクロの特許侵害を止めてほしい」という申し立てが真っ向からぶつかることになったのです。

■ユニクロ敗訴と今後の展開

前述の通り、ユニクロの特許無効の申し立ては2021年5月20日に棄却され、アスタリスク社のRFIDセルフレジに関する特許の有効性が認められることとなりました。

今後、ユニクロは特許侵害に対する被告側として裁判を戦うこととなりますが、その前に「20日に棄却された判決自体が不当なものだった」として、さらに戦うことも可能です。

アパレル世界一を成し遂げたユニクロと、社員40名弱の中小企業であるアスタリスク社。
裁判が長期化した際に弁護士費用などから資金繰りが厳しくなるのがどちらなのかは火を見るより明らかです。
しかも、ファーストリテイリング社は裁判のさなかにGUのセルフレジも次々とユニクロと同型に切り替え。
これに反発したアスタリスク社はGUに対しても同様の特許権侵害行為差止仮処分命令申立を行なっています。

しかし、ユニクロがこのまま「特許潰し」「中小企業潰し」を行った場合のブランドイメージダウンは、このインターネット時代、SNS時代において決して小さくないことは明らかでしょう。
このままユニクロが抵抗すれば、社をあげて推し進める「有明プロジェクト」にも大きな影を落とすことになることは間違いありません。

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