NUMBER (N)INE(ナンバーナイン)といえば、いまだ多くのファンがアーカイブを買い求める00年代の金字塔とも言うべき名ブランド。
2025年には創設者である宮下貴裕氏の復帰も発表され、当時の熱狂を知る世代を中心に喜びの声が上がっています。
今回の記事では、そんなナンバーナインについてどこよりも詳しく解説。
伝説のブランドはいかにして誕生したのか?
各シーズンのアイテムに秘められた裏話や名作アイテム、コラボレーションなどもまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
- ■NUMBER (N)INEのデザイナー、宮下貴裕とはどんな人物?
- ■NUMBER (N)INEの歴史
- ■NUMBER (N)INEのコラボレーション一覧
- ■NUMBER (N)INEを着用していた有名人一覧
- ■さいごに
■NUMBER (N)INEのデザイナー、宮下貴裕とはどんな人物?
出典:fuze
ナンバーナインの創設者である宮下貴裕氏は、1973年東京生まれ。
16歳の頃アメリカ合衆国に渡り、現地の文化や音楽シーンに深く影響を受けました。
宮下氏のファッション業界におけるキャリアはショップスタッフから。
10代のうちからプロペラやビームスといったショップに勤め、18歳の頃には講談社のスタイリストのアシスタントに。
そんな中、当時通っていたセレクトショップ「ネペンテス(NEPENTHES)」にて創設者の清水慶三氏に見出されます。
出典:instagram
服飾専門学校などで体系的にファッションを学んではいなかった宮下氏でしたが、清水氏は当時の彼を「物をちゃんと知っている上で着こなしが面白い人」と回想。
当時のネペンテスはアメリカでのバイイングを中心にインポートブランドのセレクトショップとして人気を博していましたが、次第に米服飾産業の衰退による工場の海外移転やネペンテスのスタイルを模倣するショップの増加によって、他ショップとの差別化が急務に。
かくして、ネペンテスは自社オリジナル商品の生産に舵を切ることとなり、1995年には最初のオリジナルブランドNEEDLES (ニードルズ)が設立。

その後もENGINEERED GARMENTS (エンジニアードガーメンツ)やSOUTH2 WEST8(サウス2 ウエスト8)など、現在でも続く人気ブランドを多数作り上げることとなるネペンテス。
この変革期に宮下貴裕氏はネペンテスにてバイイングや企画、プレスなど様々な業務に従事し経験を積むこととなります。
「死ぬまで師匠」と敬愛するネペンテス清水氏の元で研鑽した宮下氏は、1996年に自身のブランドNUMBER (N)INE(ナンバーナイン)を設立。
裏原宿文化が隆盛を極めたこの時代、宮下氏の音楽への深い造詣を落とし込んだ服作りは人気を博し、完売が相次ぐ大人気ブランドへと瞬く間に成長しました。
当時2000年前後、つまり最初期の彼のインタビュー記事を読んでいると、彼が持つ反発心、やファッション業界へ迎合しない姿勢を深く感じます。
「言ってもないことを書かれたりするからもうファッション誌のインタビューは受けない」
「お客さんが並んでいると『だったら並ばないようなものを作らなきゃいけない』と考える」
「一生もの、一生着ようなんて思っているばかには服は作りたくねえ」
-SNOOZER 2000年10月号-
そんな宮下氏の思いを反映するかのように、2000年に恵比寿の路地裏にオープンした看板のない本店では、店員が客のことを気にするそぶりを見せないような“接客”なども演出。
※NUMBER(N)INE ebisu
出典:line-inc
2000−01年秋冬シーズンより東京コレクションに参加、2004−05年秋冬シーズンにはパリコレクションにデビューも果たし、順風満帆のブランド運営がずっと続くと誰もが考えていました。
しかし、宮下氏は2009年にNUMBER (N)INEから「脱退」を表明。
バンドよろしく「解散」したナンバーナインは2010年より運営をKOOKSのメンバーが担うこととなります。
同時に2010年7月に宮下氏は新ブランド「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」をスタート。
出典:fashionsnap
このブランドではナンバーナイン時代のロックテイストは継承しつつ、個性的な着こなしとなるような反主流派的ものづくりが伸長。
ファッション誌から「痛ましく美しい(achingly beautiful)」と表現されるような解体と再構築の技法を多用していました。
かくして、宮下氏不在のナンバーナインと宮下氏が全面監修するソロイストが両立するまま時は過ぎ、2025年、宮下氏はTAKAHIROMIYASHITATheSoloist.を脱退し、NUMBER (N)INEに復帰することを発表しました。
■NUMBER (N)INEの歴史

NUMBER (N)INE(ナンバーナイン)は、1996年に宮下貴裕氏によって設立された日本のファッションブランド。
ブランド名は、ビートルズの楽曲「Revolution 9」に由来。
楽曲を聴いたことのある人には分かる通り、繰り返される「No.9, No.9…」というアナウンス、不協和音や喝采、誰かの演説や叫び声など、非常に前衛的な楽曲となっています。
また、ブランド名に入れられた「(N)」は、「NUMBER NINE」という汎用的なワードで商標登録が難しい中、宮下氏が服飾のいろはを学んだセレクトショップ「ネペンテス」のNの字を強調したとも言われています。
初期のコレクションは、ネペンテス時代を彷彿とさせるアメリカ文化を基調とした「上品なカジュアル」が特徴でした。
そして、2000年ごろからロックミュージックにインスパイアされたアイテムへと変化し、東京コレクション、パリコレクションへとデビュー。
創設数年で大人気ブランドへと成長できた大きな要因は、宮下氏の服に対する発想の柔軟さ。
独学でファッション業界に飛び込んだ宮下氏に対して、ネペンテスでの “師匠” 清水慶三氏は
「余計なことを知るな。服を作る上でいろいろなことを知りすぎていると『これはできない』って自分で歯止めをかけちゃう」
と彼の自由な発想を奨励。
散弾銃で穴を開けた服をはじめとするナンバーナインの鮮烈なものづくりはネペンテスでの3年半で培われたと言えるでしょう。
2009年に宮下氏はナンバーナインから脱退し、活動の場をTAKAHIROMIYASHITATheSoloist.(タカヒロミヤシタザソロイスト)にチェンジ。
一方、NUMBER (N)INEの権利は親会社クークスに残り、2010年代にはライセンス商品やリバイバルアイテムをメインにリリースされました。
そして2025年、宮下貴裕本人がブランドのコントロールを取り戻すことを宣言。
※宮下氏が新たにInstagramアカウントを開設
出典:instagram
また、タイミングを同じくするSupreme(シュプリーム)2025年秋冬コレクションにてナンバーナインコラボが発表されるなど、話題作りと新たなファン層獲得に向けた動きを加速しています。
■NUMBER (N)INEのコラボレーション一覧
・Disney

・Needles
出典:trefac
・Supreme

■NUMBER (N)INEを着用していた有名人一覧
・木村拓哉

・エイサップ・ロッキー
出典:tumblr
・トラヴィス・スコット

・プレイボーイ・カーティ
出典:instagram
■さいごに
今回の記事では伝説的カルトブランド、NUMBER (N)INEについて解説しました。
2025年から宮下氏復帰によるナンバーナインの再出発。どのように展開してゆくのか楽しみです。
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