近年ロレックスの影響もあり注目を集めているブランド、ロレックス(ROLEX)。
世界中はもちろんのこと、日本におけるロレックス人気は年々加熱しており、「ロレックスマラソン」と呼ばれる行為があるほど入手が難しい時計です。
今回の記事ではこのロレックスにフォーカスし、創業者の思いやブランドの歴史を解説。
ぜひ最後までご覧ください。
■ロレックスの創業者、ハンス・ウィルスドルフとはどんな人物?
・ハンス・ウィルスドルフの先見の明
ロレックスといえばスイスの時計メーカーですが、創業者はドイツ人だったのをご存知でしょうか?
ハンス・ウィルスドルフ(Hans Wilhelm Wilsdorf)は1881年、ドイツのバイエルン州で誕生しました。
彼の両親は幼い頃に亡くなっており、12際の頃には孤児になっていたとのこと。
ハンスは英語の才能があったと言われており、スイス時計製造業の代表的都市であるラ・ショー・ド・フォンにある時計会社で英語を使用した業務に従事していたそうです。
その後、1903年ごろにロンドンに移住。
2年後の1905年に「Wilsdorf & Davis Ltd.」を設立しました。
この会社は時計専門商社として設立されました。
当時の社会情勢的には懐中時計、所謂「ポケットウォッチ」が男性の主流であり、現在のような腕時計は信頼性が優れていたとは言えない状況でした。
しかしハンスは、腕時計の利便性やデザイン性に着目し、いち早くムーブメントの品質に投資していました。
ハンスの努力が実を結び、1910年にはビエンヌにあるスイスクロノメーター歩度公認検定局から、腕時計として初めて※クロノメーターの公式証明書を獲得したのです。
※クロノメーターとは時計の品質や制度を公的な機関が行う厳しい精度テストをクリアした時計のこと
そして4年後の1914年、イギリスのキュー天文台よりロレックスの腕時計にA級証明書が与えられました。
当時このA級証明書は航海で使用するようなクロノメーターのみに与えられる証明書であったことから、それを腕時計で得たことでロレックスは社会的にも品質・精度がしっかりとした腕時計だという認識が広まったのです。
こうしてハンスの読み通り、腕時計が世界の主流となった現在、ロレックスは企業のアイコンの通りまさに「時計の王様」として君臨することとなりました。
・ロレックスという名前の由来
ちなみに、ロレックス(ROLEX)という名称にはどういった由来があるのかご存知でしょうか?
名付にあたり、彼はアルファベットのあらゆる組み合わせを試して名前を模索したそうですが、ついぞ自分の納得いく名称が決まらなかったそう。
しかし1908年のある時、馬車で走行中に天啓のように閃いたのが 「ROLEX」の五文字だったそうです。
神からの啓示を受けた名前だったのですね・・・!
というわけで実は明確なルーツのある名前というわけではなかったのです。
ただしこの語感や言いやすさ、そして企業としてここまで発展している事実から、「神からの天啓」というのはあながち間違いではなかったのかも知れません・・・プロテスタントであるハンスらしいルーツだと個人的には思います。
■ロレックスとはどんなブランド?
・ロレックスの特徴:三大発明
ロレックスのブランドの特徴として挙げられるのはなんと言っても「三大発明」では無いでしょうか。
これらはロレックスが時計業界において革命的な進歩をもたらした3つの重要な技術革新を指しており、ロレックスが時計業界でのリーダーシップを確立し、その後の多くの時計メーカーに影響を与えたものと言っても過言ではありません。
その三大発明とは以下の通り。
・オイスターケース(Oyster Case)
ロレックスは1926年にオイスターケースを発表しました。
これは世界で初めて完全に防水性と防塵性を兼ね備えた腕時計の開発だったのです。
この技術により時計は水や塵から守られ耐久性が向上し、腕時計の信頼性の向上に貢献しました。
今日における防水時計の始まりを作ったメーカーはロレックスだったのです。
パーペチュアル(Perpetual)自動巻き機構:
出典:.bobswatches
1931年、ロレックスは特許であるパーペチュアル ムーブメントの開発に成功。
当時の腕時計は手動で巻きを行う必要があったのですが、ロレックスは着用者の手首の動きによって自動的に巻き上げられる巻き上げ機構を作り上げることで、手動巻きを必要としない時計の開発に成功したのです。
これにより、時計が停止せずに動き続け高い精度を維持できるようになり利便性が格段に向上しました。
デイトジャスト機能:
デイトジャスト機能とは、ロレックスが1945年に導入した重要な機能になります。
これは時計の文字盤に日付表示を持つ機能で、窓から日付を読むことができるのです。
当時は文字盤に日付の機能などは存在せず、一目みて日付がわかる画期的な技術革新となりました。
このように、ロレックスは腕時計業界において革新的とも言える技術を開発し提供してきた歴史があります。
これらの発明は間違いなくロレックスの時計の特徴と言えるでしょう。
ロレックスが人気の理由
現在のロレックス人気は計り知れませんが、なぜこんなにも人気なのでしょうか?
人気の理由は大きく分けて3つあると筆者は考えます。
ロレックスが人気の理由①:精密性と品質
何度もあげた通り、ロレックスは創業者のハンスの意向をしっかりと汲んでおり、その精密性と品質は世界トップレベルの域にあります。
一つ一つの時計をメーカーの職人が手作りで作っており、一切の妥協を許しません。
アフターサービスも充実しており、一度買えば一生ものの時計として長く使用していくことができることは人気の理由の一つです。
ロレックスが人気の理由②:アイコニックな時計の数々
出典:robbreport
ロレックスは一目見てわかりやすいアイコニックな時計が多く存在。
ロレックスの代表的な時計はプロフェッショナルモデルをはじめとして多く存在し、どのモデルも人気という極めて異例なブランドです。
代表的な時計である「デイトナ」以外にも「エクスプローラー」、「サブマリーナー」、「GMTマスター」、「オイスターパーペチュアル」、「スカイドゥエラー」といったモデル各種にファンが存在し、その全てがアイコニックかつ歴史のある時計であることから人気の凄さを実感できます。
プロフェッショナルモデルに関しては下記の記事にて解説していますので、お時間のある方は是非チェックしてみてください。
ロレックスが人気の理由③:ブランドの歴史と知名度
ロレックスの人気の一端はブランドの歴史と知名度にあるのでは無いでしょうか。
創業者のハンスから始まった精密性と品質に力を注いできた歴史あるロレックスブランドは、開業以来100年以上の時を経てもファンが増え続け世界中で認知されている時計ブランドです。
認知された結果、世界中のセレブが高級時計としてこぞって着用することで知名度も飛躍的に上がりました。
今現在、高級時計と呼ばれるブランドの中でも世界三大時計ブランドと肩を並べると言っても過言ではありません。
誰もが知る憧れの高級時計ブランドとして確固たる知名度を思うがままにしているロレックスの人気はまだまだ衰えることは無いでしょう。
豆知識:戦争とロレックス
出典:history
実はロレックスを語る上で「戦争」は外せないキーワードであるということはご存知でしょうか?
先に記述したように、ハンスがロレックスを創業した当時は懐中時計が主流でした。
しかし時は1914年、皆さんの知るように第一次世界大戦が勃発します。
この当時の主流である懐中時計は兵士たちの攻撃に同期させるには片側の手を塞ぐ必要がありました。
そこで時計を腕に装着することで両手を使用し、攻撃のタイミングを同期させることができると認識され腕時計の重要性が明らかにされたのです。
また、ロレックスの前身である「Wilsdorf & Davis Ltd.」のWilsdorfがドイツ語であったことから、商売に支障が出るため「ロレックス・ウォッチカンパニー」と変更した経歴があったそうです。
このように戦争とロレックスは実は密接な関係にあったことは覚えておきましょう。
■ロレックスの名作時計
このように魅力的なロレックスの背景の数々。
これらを知った上で、本章ではロレックスの名作時計を3つ程見ていきたいと思います。
ロレックスの名作時計①:デイトジャスト
出典:forzastyle
1945年、ロレックスの三大発明の一つであるデイトジャスト機能を搭載した時計が開発されました。
三大発明の全ての機能を備えたデイトジャストは、創業者であるハンスの意志が最も色濃く反映された時計と言っても過言では無いのでしょうか。
発売以降、今日に至るまで製品ラインナップにあり続けており、ロレックスの名作時計の中でも非常に重要なマスターピースです。
ロレックスの歴史を知れば知るほど好きになること請け合いです。
ロレックスの名作時計②:スカイドゥエラー
出典:gearys
2012年と比較的近年にリリースされたスカイドゥエラー。
プロフェッショナルモデルではないものの、スカイドゥエラーはロレックス史上最も複雑な機構を備えた時計であることはご存知でしょうか?
「世界を旅する人々」に向けたロレックス初のコンプリケーションモデル(複雑機構)で、第二時間帯の表示と年次カレンダーの両立が行われている機能を有したモデルです。
特許を取得している「サロス年次カレンダー」という機能を備えており、30日と31日のズレを月毎に変える必要が無く、オートで行うことが可能となっている優れた時計です。
ハンスが生きていれば、間違いなく賞賛したであろうスカイドゥエラーは、ロレックスの名作時計の一つでは無いでしょうか?
ロレックスの名作時計③:デイトナ
出典:wornandwound
ロレックスの名作時計として外せないのはやはりデイトナです。
ロレックスのアイコニックな時計といえば間違いなく名が上がる超人気モデルで、現在では正規店を訪れる客の大半がこのモデルを求めてやってきてると言われる程。
1963年にレース用の時計として開発された本モデルは、「クロノグラフ」という機構を有しており、一目でデイトナだとわかるデザイン性が魅力的です。
俳優兼レーサーである故ポール・ニューマンを初め、世界中のセレブに愛されているモデルであり、著名人の多くがデイトナを着用しているシーンが見られる憧れの時計の一つとも言えるモデルです。
近年ル・マンレース100周年を祝したモデルが発表されていますが、並行価格では数千万といった人気を誇っており、ロレックスの名作時計としての名声を欲しいがままにしています。
■ロレックスを着用する有名人
世界中のセレブが愛用しているロレックス。
本章ではロレックスを着用する有名人をご紹介していきます!
・ロレックスを着用する芸能人①:クリスティアーノ・ロナウド
メッシと並び、世界最高峰のサッカー選手と讃えられるクリスティアーノ・ロナウド。
様々な時計を所持している彼ですが、そのうちの一つはレインボーデイトナと呼ばれるもの。
まず一般ではお目にかかれない代物で、5000万円以上はするデイトナの中でも最高峰のものです。
クリスティアーノ・ロナウドはこれ以外にも様々なレアロレックスを所持しているほどお気に入りのブランドのようです。
・ロレックスを着用する芸能人②:ヒカキン
日本のトップユーチューバーであるヒカキン。
当サイトでは下記の特集をしていますが、彼はロレックスを2023年現在7本所有しています。
内5本はデイトナで、さらにそのうちの1本は最近発売されたル・マンモデル。
彼に憧れるユーチューバーが多いのも頷けます。
・ロレックスを着用する芸能人③:ロジャー・フェデラー
出典:hypebeast
2022年に引退したテニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラー。
こちらの画像は彼がステンレスモデルのスカイドゥエラー青を着用していた時の画像です。
数々の偉業を成し遂げた彼のスポンサーの一つがロレックスです。
スポンサーであるロレックスの時計をフェデラー自身も好んでおり、様々なモデルを着用しています。
フェデラーとロレックスの関係については下記記事にて詳しく解説しています。
・ロレックスを着用する芸能人④:ヴィクトリア・ベッカム
スパイス・ガールの元メンバーで、マンチェスターUやレアル・マドリードで活躍したデイビット・ベッカム選手の妻であるヴィクトリア・ベッカム。
超セレブの彼女もロレックス愛用者で、画像のデイトナを初め様々なモデルを着用している姿がパパラッチされています。
成功者の証であるデイデイトや金無垢のロレックスをよく着用する傾向にあるようです。
・ロレックスを着用する芸能人⑤:ネイマール
ブラジルサッカーの至宝であるネイマール。
SNSでロレックス購入報告を上げたりもする程お熱なのは有名で、彼のコレクションの中にはGMTマスターⅡ Ref.126755SARUという最高級のGMTマスターがあったりと、彼がロレックス好きは本物です。
写真ではオイスターフレックスのデイトナを着用しています。
■さいごに
今回の記事では、様々な技術革新を行い、人気の絶頂にある時計ブランド、ロレックスの人気の理由や歴史についてご紹介しました。
積み上げてきた歴史や品質で常に需要のある人気時計。
何世代にも渡り支持されている王冠を関するこのブランドは、今後も長く支持されていくでしょう。
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