ラグジュアリーブランドから安価なファストファッションまで星の数ほどのブランドが跋扈するファッション業界。
毎年数多くのブランドが生まれ、消えてゆく中、若干20代にして同年代の若者たちから絶大な人気を誇るブランドを立ち上げたデザイナーがいます。
今回の記事では、日本の若い世代から今最も熱視線を向けられる注目ブランド、ダイリク(DAIRIKU)と、それを手がける岡本大陸氏について解説します。
■ダイリク(DAIRIKU)とはどんなブランド?
ダイリクを手がける岡本大陸氏は1994年生まれとファッション業界で成功を収めた人間としては超若手。
アンリアレイジ(ANREALAGE)の森永邦彦氏などを輩出した専門学校「バンタンデザイン研究所」在学中にダイリクを立ち上げました。
出典:antenna
2016年に若干22歳の若さでアジアファッションコレクションのグランプリを獲得。
17年2月にニューヨークファッションウイークでランウエイデビューを果たします。
2018年春夏から展示会形式で発表を行っており、路面店や公式オンラインストアを持たずにファッションアイテムを展開しています。
そんなダイリクが多くの人から認知と人気を得ている理由のひとつに、デザイナー岡本大陸氏と同年代のトップリーダーたちから圧倒的な支持を得ている点が挙げられるでしょう。
中でも、俳優、歌手などマルチな活躍が目覚ましい菅田将暉氏はダイリクのファンとして名高い人物。
TV出演や雑誌、SNSなど様々な場面でダイリクのアイテムを着用する姿が話題を呼び、ブランドの認知を大きく広げました。
出典:myselfinkept
また、20-30代の男性にとっての影響力の高いファッション誌「MEN’S NON-NO」などもたびたびダイリクにフィーチャー。
俳優やアーティストとしての露出も少なくないメンズノンノモデルがこぞってダイリクを着用する姿は、同年代からより一層の支持をあつめるきっかけとなっていることは間違い無いでしょう。
■ダイリク(DAIRIKU)のアイテムの特徴
ダイリクはブランドのコンセプトに「ルーツやストーリーが感じられる服」を掲げていますが、これは2010-2020年代のファッション業界を生き抜く上で非常に真っ当で王道の戦略だと言えるでしょう。
大量生産によって安価で高級素材を使ったウェアを提供できるユニクロや、他ブランドのデザインをわずか数週間で模倣したアイテムを提供できるZARAやSHEINのようなファストファッションがあふれる現代は、デザインや素材感だけで勝負するにはあまりにも厳しい時代です。
そんな中、自分が袖を通す服に「ルーツやストーリーが感じたい」、いわゆる服オタク層、そして自身と同年代、若い人間が作ったアイテムを着用したい20代の人々をターゲットしたダイリクの戦略は的を射ていると言えるでしょう。
そんなダイリクのアイテムは岡本氏の観てきた映画やサブカルチャーにフォーカスした少し古着チックなデザインが特徴的。
「イージー・ライダー(1969)」に代表されるアメリカの古き良きバイカースタイルや「卒業(1967)」のアイビールック。
2022年の最新シーズンでは「ミステリー・トレイン(1989)」にインスパイアされたアイテムが発表されました。
※映画「ミステリー・トレイン(1989)」
出典:sleepyluna
※ダイリク2022SS
出典:twitter
また、ダイリクのアイテムは通常のデザインから少し捻ったようなものが多いのも特徴的。
2018年AWでリリースされたこのデニムは、デニムのヒップポケットに付けられる紙ラベル「フラッシャー」を刺繍として縫い付けた一癖あるデザイン。
こうしたデザインは岡本大陸氏がかつてインターンを受けていたダブレット(doublet)に通ずるものがあります。
※ダイリク2018AW
出典:mensfashion-brand
※ダブレット 2018SS パッケージがシャツ本体に張り付いてしまったデザイン
出典:fashion-press
こうした「語れる要素」の多さが、ダイリクの人気を確固たるものにしていることは間違いありません。
■さいごに
今回の記事では新進気鋭の日本発ブランド、ダイリク(DAIRIKU)について解説いたしました。
筆者自身とも同年代である岡本大陸氏、そしてブランド「ダイリク」の成長と発展をこれからも応援してゆきたいと思っています。
本ブログでは他にもストリートブランドからラグジュアリーブランドまで、様々なブランドの歴史や人気の理由について解説しております。
是非合わせてご覧ください。