1996年より少年ジャンプにて連載が開始された遊☆戯☆王。
1999年に原作で人気を博したゲーム「マジック&ウィザーズ」をホビー化させ「遊戯王OCG」としてコナミより発売し、以来四半世紀以上ユーザーに愛されるカードゲームとなりました。
そんな遊戯王ですが、原作及びDMの初代アニメで高い人気を誇る「三幻神」と呼ばれるカードがあるのをご存知でしょうか?
本記事では現在でも高い人気を誇る「三幻神」について徹底解説します!
■三幻神とは?
出典:cardrush
まずは三幻神と呼ばれるカード群についての解説です。
三幻神とは遊戯王カード原作における「神のカード」と呼ばれるカテゴリーのカードです。
原作の決闘都市編では、この神のカードである三幻神を巡って闘いが起こる超レアカードとなっています。
三幻神の名の通り、3枚のカードがこのカテゴリーに含まれます。
その3枚の名前は
- オベリスクの巨神兵
- オシリスの天空竜
- ラーの翼神竜
となります。
後に解説しますがOCGにおいて「神」属性のカードは25年経った現在でもこの3枚のカードと「ホルアクティ」というカード以外に存在しません。
原作・OCG共に特別な意味を持つカードとなっています。
また2024年10月には一番くじの遊戯王シリーズの第四弾にて三幻神のフィギュアが上位賞を独占するくじも登場。
完売続出で、遊戯王ファンにとって三幻神は本当に特別なモンスターだと実感できる商品となりました。
出典:1kuji
■原作における三幻神
特別な意味を持つ三幻神のカード達ですが、原作においてはどのように特別だったのでしょうか。
三幻神の初出は決闘都市編の開幕時に遊戯の永遠のライバルである海馬が、オベリスクの巨神兵を入手した所が初出となります。
決闘都市編の話の大筋は主人公である武藤遊戯の「裏」の人格である闇遊戯の記憶を巡るストーリーでしたが、同時に3枚の神のカードを入手するのが目的でした。
原作におけるデュエルモンスターズのデザイナーであるペガサス・J・クロフォードがエジプトに訪れた際に、王の石板に記載されていた3体の幻獣をモチーフに作ったのがこの三幻神です。
この三幻神は原作においては世界に一枚しかない文字通りの幻のレアカードになります。
そんな幻のレアカードですがあまりの強さ故に三幻神はペガサス自身によって封印がなされることになりますが、そのうちのオベリスクを除く2枚が盗賊集団「グールズ」によって盗まれます。
残ったオベリスクをエジプト考古局局長のイシズが海馬に託し、そのオベリスクを餌にグールズを誘き出して2枚を奪還し3枚の神のカードを集めるのが海馬の目的となりました。
海馬はその為に決闘都市と開催することになるのです。
同時に主人公の武藤遊戯の裏人格である闇遊戯は自分の失った記憶を取り戻すことを決意します。
しかしその失った記憶には7つの千年アイテムと三幻神の3枚のカードが必要になることを知り、決闘都市に赴くことになります。
決闘都市編は最終的には
- オベリスクの巨神兵の所持者 海馬
- オシリスの天空竜の所持者 遊戯
- ラーの翼神竜の所持者 マリク
上記3名による争奪戦になっていきます。
決闘都市編以降にも三幻神は活躍しており、原作の最後には三幻神を束ねて「ホルアクティ」と呼ばれる最強のモンスターを降臨することになります。
このようにストーリーの根幹の部分を支える原作でも重要なカード達が三幻神なのです。
■三幻神のOCG
出典:mandarake
そんな原作で重要な三幻神のカード達ですが、意外にもカード化は早く初出は2000年12月7日発売のゲームボーイ専用ソフト「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記」の付属カードとして登場しました。
遊戯王のゲームボーイソフトとしては初の3バージョン同時発売で、それぞれ
- 遊戯デッキ
- 海馬デッキ
- 城之内デッキ
の3バージョンで発売されました。
3人に対応した三幻神が付属することが大々的に報じられており、筆者も遊戯デッキを買った記憶があります。
(なおこの頃は原作においてマリクがラーの翼神竜の所持者だといううのは伏せられていたので、城之内デッキにラーの翼神竜が入りました)
しかしこれらのカード、なんと裏面がOCGとは違う全くの別物カード。
コレクション用としては非常に素晴らしい出来だったのですが、OCGで実際に使用することはできなかったのです。
出典:basket
オベリスクの巨神兵
それから8年、遊戯王プレイヤーにとっては神のカードを実際にプレイすることが叶わない状況が続き、新しい世代のアニメも始まったことで絶望に打ちひしがれることになりましたが遂にOCG化を果たすことになります。
なんとオベリスクの巨神兵が2008年の12月20日発売の書籍「Vジャンプ」に収録されることになったのです。
当時の筆者は大歓喜したことを今でも覚えています。
重要な神のカードの初OCG化ということでこのカードは原作者である高橋和希先生が書き下ろしすることになりました。
ゲームボーイ付属版とは違い、こちらのオベリスクは原作の王の記憶編におけるオベリスクの姿をしています。
出典:カーナベル
高橋先生の書き下ろしということもあり、カード絵の縁が無い特別なデザインが施されたファン待望のOCG化を果たすこととなりました。
一番最初にオベリスクが出てきたのも原作準拠でした。
カード効果も原作再現がなされており、非常に好感を持ったことを覚えています。
ヲーの翼神竜
その1年後である2009年12月発売のVジャンプに今度はラーの翼神竜が収録されました。
出典:カーナベル
オベリスク同様高橋先生の書き下ろしでカード絵の縁が無い特別なデザインで出されており、コレクタブルなカードとなっています。
・・・が、このラーの翼神竜、実は効果がとんでも無く酷いものとなっていたのです。
まず最初の一文に「このカードは特殊召喚できない。」と書かれているのですが、この時点で原作のラーの翼神竜の活躍を無かったことにしています。
というのも原作におけるラーの翼神竜は「不死鳥の如く墓地から復活する」というコンセプトの基、所持者であるマリクがデッキを組んでいました。
死者蘇生というカードを使って復活させまくるのですが、この死者蘇生における召喚方法は「特殊召喚」にあたります。
出典:カーナベル
つまりOCGにおいて死者蘇生をラーの翼神竜に使用することはルール上不可能であり、マリクも真っ青の一文が記載されていたのです。
出典:note
さらに続くテキストを読んでもとんでも無いことが書いてあります。
このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。
①:このカードの召喚は無効化されない。
②:このカードの召喚成功時にお互いは他のカードの効果を発動できない。
③:このカードが召喚した時、100LPになるようにLPを払って発動できる。このカードの攻撃力・守備力は払った数値分アップする。
④:1000LPを払い、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。
原作におけるラーの攻撃力・守備力は生贄にしたモンスターの攻撃力と守備力の合計がその数値となっていたわけですが、なんとこのカードは召喚した際には攻撃力と守備力は0です。
もう一度言いますが、0です。
遊戯王において3体リリースはこの当時はとんでもなく難しいもので、現代遊戯王においても多面展開は簡単ですが召喚権を用いるモンスターとして全くの雑魚モンスターが召喚されることになります。
さらに攻撃力・守備力を上げる効果は召喚時効果なので、発動してしまうと除去能力を払うライフすら無くなります。
4つも効果が書いてある割にライフを払わなければ攻撃力・守備力は0というとんでもない化け物(自分にとって)が召喚されるのです。
このあまりにも酷いOCG化を果たした結果、原作ファンはこのカードをOCG化したと認めたく無いが故にこのカードを「ヲーの翼神竜」と呼び現実逃避することになりました。
2024年現在ではこのヲーの翼神竜を介護するカードが一杯でてきており、デッキとして戦える形にはなってきましたがこのカードは永遠に語り継がれるレベルの酷さとなりました。
このOCG化を担当したデザイナーは反省してください。
オシリスの天空竜
さてそんな酷いOCG化を果たした翌年、2011年12月17日に発売の「Vジャンプ」にて同じく高橋先生の書き下ろしたオシリスの天空竜が収録されることになりました。
出典:カーナベル
こちらのカードも他の神のカード同様、高橋先生の書き下ろしでカード絵の縁が無い特別なデザインで登場しています。
前年の悪夢があったので遊戯王ファンはヒヤヒヤしていたものの、オベリスク同様きちんと原作をリスペクトした能力で普通に良いカードとなっています。
なぜラーの時にもやらなかったのか・・・・
この後もこれらの神のカードをサポートするカードが登場しており、定期的に実装されているので今後も増えていくことでしょう。
なお、冒頭でも記述した通り25年経った今でも「神」属性のカードはこの三幻神とホルアクティというカードのみで、特別な存在であることはいうまでもありません。
■ホルアクティ
出典:カーナベル
最後に三幻神に関わるカードとしてご紹介しておきたいのが、光の創造神 ホルアクティです。
原作において三幻神が合体したシーンがあり、その合体した姿がホルアクティと呼ばれていました。
無事オシリスをもって三幻神全てがOCG化されたこともあり、記念に高橋先生が直々に書き下ろしたホルアクティが配布されることとなりました。
抽選での配布でカードの画集やジャンプ、アニメ、遊戯王OCG商品等に応募券が含まれており、配布枚数は10000枚です。
このOCGの能力としては三幻神全てを場に出した後に手札から特殊召喚できる能力で、出した瞬間に勝利するという能力があります。
ルール効果なので無効にされない正に出たら最強のカードです。
このホルアクティに関しては現在まで復刻がなされておらず、原作者も残念ながら亡くなってしまっている為これ以上再録は絶望的な一枚です。
この事から年々高騰しており、現在では30万円以上で取引されることも多い高額なカードとなっています。
■さいごに
以上、三幻神の解説でした。
原作でもOCGでも人気のカード群でこれからも様々な商品、カード化が期待されます。
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