1999年より発売され、全世界で愛されるカードゲーム遊戯王OCG(オフィシャルカードゲーム)。
発売より四半世紀以上経った現在に至るまで様々なカードが発行されています。
そんな長い遊戯王の歴史の中で「Replica」と記載されているカードがいくつか存在するのをご存知でしょうか?
今回は遊戯王の「Replica」、レプリカについて現役ユーザーの筆者が解説していきます!
■遊戯王におけるReplica(レプリカ)カード
Replica(レプリカ)の意味
まずはReplica(レプリカ)の解説からです。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、レプリカという単語自体は「複製品」や「模造品」という意味を指す単語です。
元となるオリジナルは唯一の個体ですが、そのオリジナルと同じような工程等を経て可能な限り忠実に再現された「複製品」や「模造品」はオリジナルと遜色無い品となることが多いです。
歴史的なものだと美術品の「モナ・リザ」が有名です。
モナ・リザのオリジナルは現在ルーブル美術館が所有していますが、レプリカのモナ・リザにも価値がついており、「贋作」とは違い一定の評価がされているのは世界的に見ても明白です。
遊戯王におけるレプリカカードの役割
そんなレプリカという単語ですが、過去に発行されている遊戯王カードの中にもいくつかその記載があるカードが存在します。
例えば下記のカオス・ソルジャーには左下にReplicaの記載が存在します。
出典:カーナベル
遊戯王カードにおけるこのレプリカ表記の意味は、他のレプリカと同様「模造品」と同義ですが何故このような「模造品」が存在するのでしょうか?
答えはこれらのオリジナルのカードは世界で数枚しか存在しない極めて極少数しか発行されていないカードだからです。
このレプリカ表記のあるカード達の元となったオリジナルのカード達は、基本的には全国・世界大会の入賞者に配布されたカードで公式的には世界で数枚レベルの発行枚数のものになります。
その為、一般のユーザーが入手・使用するのが殆ど不可能になっているのが現実です。
上記のカオス・ソルジャー然り、原作の遊戯王でも活躍した「青眼の究極竜」等もオリジナルの発行枚数は2枚であり、コレクターやファンは勿論プレイヤーですら使用が不可能でした。
遊戯王カードゲームはコレクション性も勿論ですが、対戦カードゲームとしての役割があるので例え数枚しか存在しないものでも「一般のユーザーが使用できないカード」があるのは致命的です。
そんな問題を解決するのがこのレプリカカード達だったのです。
レプリカカードの立ち位置
このように発行枚数が少数のオリジナルカードをレプリカカードとすることで、オリジナルの所有者への価値担保は勿論、一般ユーザーがこれらのカードを混ぜて遊んだり、コレクションすることが可能となりました。
遊戯王においてこれらのレプリカのカードは当然のことながらコナミ公式のカードであるので大会でも使用することが可能です。
基本的には他のカードと特に問題無い扱いを受けることになります。
但し、コレクターにとっては大いに意味のある刻印となっているのもまた事実です。
当たり前ですが、これらのレプリカカードの元となっているオリジナルは世界で数枚レベルのカードであり、その殆どが大会入賞者カードです。
当時のトッププレイヤーだけが所持することを許されたカードで、世界中で遊戯王が人気になった今これらのオリジナルのカードの価値は青天井です。
このレプリカ表記の有無で数千万円の価格差が出てしまうという恐ろしい事になっています。
近年のレプリカカード事情
長らく公式大会入賞者カードの再発行にはレプリカ表記を当たり前にしてきましたが、近年では初期のカードを発行する際にこのレプリカ表記が何故か外れているケースが出てきています。
レプリカカードの中でも有名なカオス・ソルジャーは10期のパックに再録された際に何故かレプリカ表記が外れています。
それ以降に発行されたカオス・ソルジャーのプリズマティックシークレットレアでも外されています。
また、25周年を記念した東京ドームイベントで販売されたプレミアムパックに収録された
- 青眼の究極竜
- メテオ・ブラック・ドラゴン
- ファイヤー・ウィング・ペガサス
の復刻版も外されています。
これらの事実から、「コナミは対戦で使用できるカードのレプリカ表記を外すことにした」と推察しています。
これを裏付けるように、直近で世界大会入賞者カードである「聖域に仕えし練達の魔導師」と「臨界竜ゲートブリジオ」がWORLD PREMIERE PACK 2024に再録される際にはレプリカ表記がきちんとついています。
これらの世界大会入賞者カードのオリジナルカードはそもそも「公式デュエルで使用できない」と記載があるトロフィーカードであり、コレクターカードの側面があるのでレプリカとオリジナルを差別化させているのでしょう。
■希少なレプリカカード達
ここまで遊戯王カードにおけるレプリカカードについて説明してきました。
基本的にはオリジナルの複製品である以上、「そこまで価値が無いのでは?」と思った方も多いのでは無いでしょうか?
実はそんなことは全く無く、レプリカといえど希少なカードは数多く存在します。
中には数十万円のカードも存在しており、非常にレアなカードとして知られているカードもあるのです。
いくつか希少なレプリカカードを見ていきましょう。
星屑の巨神
出典:カードラッシュ
おそらくレプリカカードの中で最も高額なカードである星屑の巨神。
オリジナルの星屑の巨神は2010年度の世界大会入賞プロモです。
基本的にこれらの大会入賞者カードは翌年の国内予選時にレプリカが配布されるのが通例で、このカードも2011年の国内予選で配布されました。
しかし2011年の国内予選参加者は60名に満たなかったとされており、このカード自体60枚程しか発行されていないのでは無いかと噂されています。
ショップに並ぶことも殆ど無い為正確な枚数はわかりかねますが、噂されている枚数とあまり差がないように感じます。
直近でも殆ど取引されておらず、100万円を超える取引がされており超高額なレプリカカードとなっています。
レプリカカードの中でも群を抜いて枚数が少ない希少カードです。
伝説の白き龍
出典:カードラッシュ
歴代の世界大会カードの中でも人気の「伝説の白き龍」。
オリジナルは2012年の世界大会の優勝者に配布されており、優勝者が「青眼の白龍」モチーフ、ベスト4が「ブラック・マジシャン」をモチーフとしたモンスターで非常に人気のカードです。
こちらのレプリカは2013年度の国内最終予選に配布されましたが、約200枚程の発行枚数だったようでこれまた非常にレアなカードです。
現在の相場は開封済みで30万円程で未開封ですと40万円以上の価値はあるでしょう。
上記以外ですと
- 征服する軍神テュール
- 金牙の王ランディア
- 悠久の黄金都市グランポリス
- 牙狼の双王ロムルス-レムス
これらのカードは伝説の白き龍と同等レベル(200枚前後)の配布枚数だったので20万円以上で取引されている希少なカードとなっています。
■さいごに
以上、遊戯王におけるレプリカカードについて解説してきました。
FashionArchive.comではトレーディングカードゲーム関連の情報を多数発信予定です。
ぜひ購読登録よろしくお願いします!