カーハートと並び世界に名だたるワークウェアブランドの雄、ディッキーズ(Dickies)。
肉体労働者、軍人、スケーターといった身体を酷使する人々に愛され、安価ながら耐久性と美しさにすぐれた製品を長年作ってきた名門です。
今回の記事では、そんなディッキーズの名作、874にフォーカス。
詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
■ディッキーズとはどんなブランド?

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ディッキーズ(Dickies)が誕生したのは今からおよそ100年前。
1918年にテキサス州ブライアンで、従兄弟同士であるC.N. ウィリアムソンとE.E. “コロネル” ディッキーの2人が馬具の製造をスタート。
それから第一次世界大戦終了まもないこの時期、馬具から労働者向け製品へとビジネスをシフトした2人は1922年にWilliamson-Dickie Manufacturing Companyを設立。

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農民や労働者向けの頑丈なビブオーバーオールを筆頭に作業服事業を拡大。
同社の作る作業着の品質の高さと、生産ラインで働く労働者に無料で食べ放題の食事を提供するといった社としての先進的な取り組みが評判を築きました。
1940年代、第二次世界大戦がスタートすると会社は米国政府によって接収。
一般消費者向け事業は停止され、戦争遂行のためのツイル製ユニフォームを終戦まで900万着にわたって製造することとなります。

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終戦後は再び作業着として一般消費者向けの商品生産を再開。
50年代にはアメリカを飛び出し中東の油田地帯での作業着として人気が爆発。
そして60年代にはのちのディッキーズの象徴となる名作ワークパンツ、874が開発されるのです。

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1980年代にはカリフォルニアのヒップホップ文化と融合しラッパーたちがこぞってディッキーズのワークパンツを着用。

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90年代にはそのタフで美しいワークパンツにスケーターたちが注目し、ストリートでの地位を確立することとなります。
■874とはどんなモデル?

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1953年に発売された874ワークパンツはまさにディッキーズのアイコンとも言えるアイテム。
ガシガシと使えるワークパンツながら、センタークリースが入り上品さを兼ね備えた定番中の定番名品です。
その魅力はなんといってもコストパフォーマンスの良さ。
汚れがつきにくく落としやすい素材感、破れにくくアイロンいらずでセンタークリースがキープできる安定性。
そして何より店舗によっては3,000円台で購入可能な手軽さが人々に愛されてきました。
しかし、これまで庶民の大定番だったディッキーズの874がここ数年ジワジワと高騰中。
次章ではその原因と今後について解説します。
■ディッキーズ874 はなぜ高くなった?!価格推移の理由と今後の解説

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数年前までディッキーズの874といえば、少しファッションを齧った層から熟練の服好きまで、幅広い層が買い求めるコスパ最強のワークパンツでした。
しかし近年、「ディッキーズは高くなった」「874がこんな値段に…!」といった言及がそこかしこで聞こえており、昔ほどのコスパをディッキーズに感じないという方も多いのではないでしょうか?
ディッキーズの価格推移について調査してみると、2000年代初頭には$19.99だったのが2010年に$24.99、2020年には$29.99と、この20年でUS価格が10ドル上がっていることが分かります。
ただし、これを日本円になおしても
・2000年:2,200円
・2020年:3,300円
(いずれも当時レートである1ドル=110円計算)
となり、そこまで値上げが厳しいかと問われると、20年間で見れば許容範囲だと言えるでしょう。
しかし現在、ディッキーズのUS定価は2020年の時と変わらないにもかかわらず、日本では7,700円にまで高騰。
この原因は率直に言えば、アメリカ・トランプ政権による関税政策と円安増進にあると言えるでしょう。
関税政策を原因とする日本での小売価格の上昇に加え、この数年間で日本円は大きく価値を落とし円安となりました。

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さらに苦しいのは、石破政権の元この半年ほど1ドル140円台でやってきた日本円が、10月に高市政権が発足して以降、破滅的に円安が進んでいること。
高市政権が続く以上こうした円の価値毀損は止まらず、今後もディッキーズ874の価格はジワジワと上がってゆくのではないでしょうか。
とはいえ、これほどの名品がまだアンダー10000円で購入可能というのは嬉しいもの。
「今日が1番安い日」と考え、早めにゲットしておくのが良いでしょう。
■さいごに
今回の記事では、ディッキーズ(Dickies)の名作パンツ、874について解説いたしました。
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