裏原宿文化を作り上げ、日本国内におけるDJの普及や、シュプリームを含む数多くのストリートファッションブランドの認知度向上に関与した伝説的人物、藤原ヒロシ。
そんな彼が率いるデザイン集団「フラグメントデザイン」は、ナイキ、リーバイス、ルイヴィトンといった名だたるファッションブランドから、スターバックス、ポケモンといった企業やキャラクターブランドまで、数多くのコンテンツとのコラボレーションプロダクトをリリースしています。
中でも、ナイキとのコラボレーションはこれまでに数多く行っており、この記事を書いている2020年9月後半には、約6年ぶりにエアジョーダンとのコラボレーションスニーカーがリリース予定となっています。
本記事では、そんなフラグメントデザインや藤原ヒロシとナイキの歴史を紐解き、過去のコラボレーションプロダクトの中でも特にレアなモデルに迫ります。
■2004年 HTM AIR FORCE 1 LOW
出典:k-skit
藤原ヒロシ(HIROSHI FUJIWARA)の「H」、ティンカー・ハットフィールド(TINKER HATFIELD)の「T」、マーク・パーカー(MARK PARKER)の「M」。
彼ら3名の頭文字が由来のHTMプロジェクトはNIKEが2002年にスタートした限定生産モデルのスニーカーを製造するプロジェクトです。
そんなHTMプロジェクトの第1弾としてリリースされた本品は、ナイキの名作エアフォース 1のローカットモデルをベースに、アッパーは爬虫類の皮を思わせる立体感のある黒色、ソールは白色に黒いAIRの文字が入っています。
なお、第2弾ではクロコダイル皮で黒、白の2色展開で同モデルがリリースされました。
■2004年 HTM AIR FORCE 1 LOW
出典:k-skit
前項にてご紹介したHTMプロジェクト第1弾のエアフォース 1 ローのアッパーを一部ブラックレザーに切り替え、カカト近くにフラグメントデザインの象徴とも言える稲妻ロゴ(しかも現行デザインと異なり稲妻の周りに円が施されていない!)を施した一品です。
こちらは残念ながらサンプルモデルだったため一般発売はありませんでしたが、以前吉祥寺のスニーカーショップの名店「SKIT」に飾られているのを見て、ショーケースに入っているトランペットに見入る貧しい少年のような気持ちになった思い出があります。
それにしてもこのHTMプロジェクト、エアジョーダンやエアマックスの生みの親であるティンカー・ハットフィールド、デザイナーとしても活躍し、のちにナイキの創業者フィル・ナイトから社長を引継ぎ14年にわたってナイキ社の発展に尽くしたマーク・パーカー、そして藤原ヒロシという、今から思えばとんでもないスター3人による共同プロジェクトです。
■2014年 AIR JORDAN 1 RETRO
ナイキが初めてエアジョーダンをリリースしたのは1985年。
プロバスケットボール界の期待の新人マイケル・ジョーダンとタッグを組んだナイキは、のちに「Chicago」と呼ばれた鮮やかな赤と白、そしてスウッシュの黒のコントラストが美しいエアジョーダンをリリースしました。
しかし、プロモーション撮影時にジョーダンが手にしていたシューズは一般発売された「Chicago」とは異なり、同モデルの爪先部分が黒い仕様になっていました。
のちに「つま黒」と呼ばれ伝説化したこのモデルを素材に至るまで忠実に再現し、色合い赤からロイヤルブルーに変更したエアジョーダン 1を2014年にリリースしたのが藤原ヒロシでした。
ヒールサイドにはフラグメントデザインの稲妻ロゴがさりげなく捺されているこの1足は、その完成度の高さからリセール市場でも高騰を続け、人気サイズは一時100万円を超えるまでになりました。
■2019年 Clot × Fragment × AIR FORCE 1 LOW
出典:sups.nagoya
エディソン・チャン(Edison Chen) と ケビン・プーン(Kevin Poon) が 2003 年に立ち上げた 香港発のストリートウェアブランド「クロット」は、近年ナイキとのコラボレーションモデルとしてエアフォース 1をいくつかリリースしたことで、その名が広く知れ渡るようになりました。
中華服を思わせる模様が美しいシルクチックなアッパーは、剥がすことで下から別の模様が出てくる特別仕様となっており、発売時には長蛇の列が出来ました。
そんなクロットとナイキのコラボにフラグメントデザインまでもが加わったモデルが2019年11月22日に、発売場所を隠してシークレットドロップされました。
のちに渋谷パルコの”POP BY JUN”にて発売されていたことが分かった本作は、これまで同様シルク調だったアッパーの黒バージョンとなっており、剥がすと下からフラグメントの稲妻マークを含めた赤のアッパーが出現するファン垂涎のデザインとなっていました。
出典:hypebeast
■2020年 AIR JORDAN 3
出典:fullress
前回のエアジョーダン 1以来、約6年ぶりのジョーダンコラボとなった本コレクション。
エア ジョーダン ケーダンス、エア ジョーダン XXXVやアパレルコレクションがリリース予定ですが、なんと言っても目玉はエアジョーダン 3とのコラボモデルと言えるでしょう。
元祖モデルへのリスペクトか前作のエアジョーダン 1同様、王道とも言えるデザインが特徴の本作は、ヒールサイドの小さな稲妻マーク、そしてバックのAIRの文字の後ろに隠れた大振りの稲妻マークがモノトーンで構成されたシンプルなデザインにスパイスを加えています。
フォーマルスタイルにも合いそうな本モデルは9月17日に発売予定。
争奪戦となること間違い無いでしょう。
■さいごに
ここまで、藤原ヒロシや彼が率いるフラグメントデザインとナイキのコラボレーションのうち、特に希少性や人気の高いモデルをご紹介してきました。
直近で発売予定のエアジョーダンとのコラボレーションも熾烈な争奪戦は必至ですが、先日、阿部千登勢率いるsacaiとのトリプルコラボレーションもインスタグラムなどでリークされており、今後もナイキとフラグメントから目が離せません。
出典:sneaker-girl