スイス発の歴史ある時計メーカーであるロレックス(ROLEX)。
すでに創業から100年以上経っている老舗メーカーです。
そんなロレックスですが、その長い歴史の中で「ダブルネーム」と呼ばれているロレックスとは別の企業名が刻印された時計をリリースしていることはご存知でしょうか?
2024年現在、コラボモデルが現行に存在しないロレックスの中ではかなり貴重なもので、中々お目にかかることは無いレアモデルばかりです。
今回はコラボと似て非なるダブルネームと呼ばれるモデル群についてその歴史背景やモデルを実際にチェックしていきます。
■ダブルネームの歴史
出典:christies
前述した様にダブルネームとはある時計に別の企業の名前が文字盤に刻印されたものを指します。
現在の通常モデルであればロレックスの時計には12時のアワーマーカーにロレックス社のロゴである王冠マーク、そしてその下にロレックスの社名とモデル名が記載されています。
ダブルネームの時計はそれに加えてロレックス以外の社名が6時のアワーマーカーの上に記載されていたり、12時の下に記載されているものを指します。
ロレックスに関しては、過去に
- カルティエ(Cartier)
- ティファニー(Tiffany & Co.)
- Serpico y Laino
- Astrua
等といったブランド・企業名が入ったモデルのダブルネームをリリースしています。
現代では錚々たるハイブランドの名前がいくつも存在し、ブランド同士のコラボモデルが流行している現在で発表されれば一大ニュースになること間違いなしのモデル・名前が多く存在しています。
昨今のトレンドでもあるコラボレーションとは少し違うのですが、ロレックスの時計に企業名が刻印されていることはある種のコラボとみてる人も多く、その殆どが2000年代より前の個体なのでプレミア化していることが多いです。
次の章からはダブルネームの誕生についてみていきます。
ダブルネーム誕生の秘密
ダブルネームの誕生自体は20世紀前半にあったとされています。
当時は時計ブランドが海外に販売する際には、各国に自社のブティックを展開することはなく信頼できる小売業者に卸していたそうです。
ロレックスもその中の一社で、自社ブティックを展開せずに卸していました。
時代背景としてこの時代多くの消費者は、インターネット等の情報媒体が無かったのでブランド自体よりも実際に接触する機会が多い特定の小売業者を認識し、信頼していたという背景があります。
こうした背景もあり、卸していた小売店は自社の社名を時計に刻印していたようです。
これは双方にとって認知度と信頼度を上げる相乗効果があったとのこと。
(なお、時計メーカー側は公式的には発表していないこともあり、刻印が小売店側で勝手に行われたかどうかは現状定かではありません。)
こういった刻印は大体6時もしくは12時側の真ん中にきていることが多いです。
ロレックスは12時側にモデル名と社名を記載するので基本的には6時側に記載されています。
これがダブルネームが存在している理由となります。
ダブルネームの減少
このようにダブルネームの時計が多く発売されていきましたが、時が経つにつれ技術的な発展もあり時計ブランド各社は自社で各国にブティックを展開していくことになります。
ロレックスも勿論その一社で、自社ブティックを展開させていく中で他のブランドブティックに卸すことを基本的にしなくなりました。
自社内でロレックスのみを取り扱う小売店を選別することができるようになったことで、このダブルネームの時計は作られなくなっていきます。
1990年代から徐々に見かけることが少なくなってきたとされており、2000年代に入ってからは製造されてないとされています。
こうしてダブルネームの時計は減少していくこととなり、現在では新しいモデルはリリースされていない認識です。
このことから、2024年現在ダブルネームのモデル群は非常に高値で取引されています。
現在世界中がロレックスブームということもありオークションで出品されれば数千万単位での取引もざらです。
■ロレックスのダブルネーム時計
そんなダブルネームの時計ですが、実際にどんなものが存在するのでしょうか?
ここからはロレックスのダブルネームの時計を3種類ご紹介します。
ロレックス GMTマスター ティファニー
出典:phillips
ダブルネームの時計の中でも世界5大ジュエラーの一角であるティファニーのダブルネームは多く存在します。
このGMTマスターもその一つで、画像のものは1966年製造のものです。
こちらはフィリップスのオークションで販売されており、112,500スイスフラン(2024年現在のレート換算で約1890万円)で落札されました。
余談ですがロレックス以外にもパテック・フィリップ等のダブルネームを作成しており、2021年にはノーチラス5711/1A-018をティファニーカラーでリリースしています。
価格は数億円となっており、現代におけるダブルネームの価値がわかる逸品となっています。
出典:gqjapan
ロレックス デイトナ Astrua
ブランドでは無く、正規販売店としてイタリアのトリノに拠点を置く小売業者である「Astrua」。
画像のモデルはそのAstruaの名前が刻印されたデイトナ Ref.6263です。
デイトナはそもそもダブルネームのモデルとなることが少なく、非常に珍しい個体です。
デイトナのデザインが故にダブルネームの中でも、ロレックスとしてはレアな12時側にネームドされているダブルネームモデルとなっています。
ロレックス デイトジャスト カルティエ
最後にご紹介するのはデイトジャストのカルティエダブルネームです。
ティファニーと同じく世界5大ジュエラーの一つであるカルティエのダブルネームが多く存在しています。
画像の個体はデイトジャスト Ref.1601の1969年製でシンプルなデザインです。
カルティエの美しい筆記体のサインドが映える個体でプレミア化しています。
■さいごに
ここまでダブルネームのロレックスについて解説していきました。
日本にはあまり流通しておらず、昨今のロレックスブームにより益々見ることのできないダブルネームの数々。
コラボをすることが殆どない現在のロレックスの現状も相まってこれからもプレミア化していくことは間違いありません。
人とは違ったモデルやプレミアモデルを探している方は是非一度購入を検討してみてはいかがでしょうか?
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