2026年9月25日、ナイキのスニーカー販売アプリ「SNKRS」にて注目アイテム、エアマックス プラス × ワンピース Gomu Gomuが限定発売されました。
世界中にファンを持つ大人気漫画『ワンピース』との初コラボとなる今回のコレクション。
業績や株価の低迷が続き、ついには18年にわたって君臨していたSP100の座から引き摺り下ろされたことも記憶に新しいナイキにとって、今回のコラボは気合いの入った大型コレクション。
しかし、満を持して行われた限定販売は、残念ながらなかなかにお粗末なものだったと言わざるをえません。
今回はワンピースコラボにまつわる騒動と顛末について解説します。
■ワンピース×ナイキコラボとは

出典:nike

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今回のコレクションの核となるアイテムは、作中で能力を与える「悪魔の実」をモチーフにしたエアマックス プラス3色。
それぞれ主人公モンキー・D・ルフィの「ゴムゴムの実」を紫と緑で表現した「Gomu Gomu」、ポートガス・D・エース/サボの「メラメラの実」を橙と黄緑で表現した「Mera Mera」、トラファルガー・ローの「オペオペの実」を赤紫系で表現した「Ope Ope」となっています。
アッパーは既存のカラー替えではなく、実の渦模様を模したTPU加工を加えた専用設計。
これだけでも気合を入れたコラボであることが伺えますが、発売地域と方式もそれぞれ限定的かつ特殊な形式に。

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まず、ナイキは東京にてポップアップストアを3日間限定で開催。
9月4〜6日に原宿クエスト地下1階THE HALLで開かれた「Dr. B’s RESEARCH LAB」は事前WEB抽選の当選者のみが入場可能で、アパレルや3足のモデル全てが発売。
会場では悪魔の実を模したインスタレーション、自分の手配書を作るフォトブース、ガチャ、体を動かしてスニーカーをレコメンドされるアトラクションなどが用意されていました。

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続く9月12日にはNIKE UMEDAにて当選者向けの販売が実施。
当選者は通常営業に先立つ8時30分から入場でき、ゴムゴムとメラメラに加えてONE PIECEモチーフのパッチ9種でTシャツをカスタムできるNike By Youも実施されています。

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そして、SNKRSでは9月25日にSNKRSにてアパレルコレクションの一部であるTシャツとキャップが発売。
また、エアマックスのゴムゴムについても前日に通知のきた一部のユーザーにのみ発売と告知がなされていました。
■付録でついたワンピースカードが高騰、そして乱高下

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コラボの熱をさらに上げたのが、当初ポップアップでしか手に入らなかった4種のカード、「ONE PIECEカードゲーム|プレミアムカードコレクション Nikeコラボエディション」の存在。
東京ポップアップではフットウェア1足購入につきドン!!カードが1枚、アパレルまたはキャップ購入につきルフィPが1枚付く形で配布。
いずれも1会計1枚までで、海外の店頭発売では、足のカラーに合わせた英語版ドン!!カードが配られる地域もありました。
これに昨今のワンピースカードの人気ぶりをみてリセール市場が反応。
ルフィPは、初動で数万円から一気に跳ね、スニダン相場では7万円超、高い取引では10万円前後まで付く高騰ぶりを見せました。
しかし、その後集英社側がカードを「ジャンプ定期購読者にも販売権を交付」と発表。
ポップアップ限定だと思われていたルフィPは、希少性の前提が崩れ、高騰一辺倒ではなく乱高下することとなります。
なお、ジャンプでの販売分は届け予定日が2027年08月下旬となっているため、「紙クズ」になるほどには2次流通価格が暴落したわけではありません。
スニーカーの販売に合わせてカードを付録としてつけるスタイルは2025年9月に開催された遊☆戯☆王とナイキのコラボコレクションと同様。
ナイキがスニーカーとカードという、共に2次流通が盛り上がるアイテムを抱き合わせで売るスタイルに味を占めたのであれば、次はポケモンコラボのスニーカーをポケカ付きでリリースしてくるかもしれません。
■SNKRSの限定リリースでトラブル頻発

出典:gqjapan
そして、ポップアップや梅田ナイキの先行発売に続く発売が9月25日に開催。
この日の朝のSNKRSは、事前説明と実際の画面がかみ合わない一日となりました。
皆のお目当てはゴムゴムのエア マックス プラス。
8月23日からSNKRSホームフィードの投票(Polling)に参加したユーザーのなかから選ばれた人へ、発売日前日までにプッシュ通知が届く仕組み(…とされていますが、私は投票に参加していないのに通知が来て購入できています…不思議…)でした。
発売日前日に通知を受け取った人はSNKRS Reserveとして、最初の1時間はサイズが取れる前提で1足を予約できる——それが公式の建て付けでした。
ところが25日朝9時にアプリを開くと、並んでいたのは限定アクセスのTシャツと、一般販売のアパレルばかり。
ゴムゴムの靴は見当たりません。
私を含め、通知を「靴が買える合図」と受け取っていた人にとっては、最初から肩透かしでした。
Xのタイムラインでは「Tシャツの当選通知だったのか」という投稿が、直後に広がっています。
SNKRSアプリをなんども再起動したりXで他のスニーカーヘッズ達の投稿を眺めていると、9時19分前後、ようやくエア マックス プラスが表示されます。
しかし画面上の文言はまさかの「注文受付終了」。
発売開始を今か今かと待っていた側からすれば、ちょっと目を離した隙に猶予1時間だったはずのリザーブが終了したように見え、焦りました。
それが9時28分ごろに表示が「近日発売」へ変わり、9時30分ごろからようやく販売が開始。
ここまでの30分でおそらくかなりのユーザーがアプリを閉じるか、連打で再読み込みを繰り返していたことでしょう。
そして、販売が始まっても決済画面ではエラーが頻発しました。
SNKRSでは過去にも決済エラーで抽選そのものに入れない事例が昨今多くあり、今回同様の状態に。
私自身も1度目の購入後にリザーブ画面が出ず、念の為やり直したところ数回のエラーを経てようやくリザーブ成功の画面に辿り着くことが出来ました。
さらに注文までこぎつけた人を待っていたのが、発送予定日:2027年1月25日の文字。
選ばれし一部のユーザーにのみ購入ができた、という当初の優越感は消え失せ、Reserveが事実上の受注生産に近かったことは正直に言ってガッカリしました。
「今日発売」の気分でアプリを開いた層にとっては、4か月待ちの予約販売は冷水を浴びせられたように感じます。
その後も、当初は「最初の1時間だけ限定アクセス、その後は保証なし」のはずでしたが、受付は正午近くまで続き、追加の当選者へも通知が飛びました。
私含め、購入者にもこの「追加当選枠」通知が飛ぶミスがおきています。これのせいで、より本モデルに対する特別感が毀損されたように思いました…
『ワンピース』という世界に名だたる大型IPで、カードまで絡めて注目を集めておきながら、発売当日の画面がTシャツと「受付終了」、そして発送が4ヶ月後ではファンが冷めるのも無理はありません。
こうした事務局の場当たり的な運営や通知ミスはせっかくの特別モデルの良さを台無しにしていたと言えるでしょう。
■なぜSNKRS運営はここまでダメになったのか
この記事を書いている私「しゅー」はかつて、こうした大規模なB to C案件のバックオフィスを担う企業で働き、今は自身のブランド「CRAFT TALES」を通してネット販売の裏側を多少なりとも知っている人間です。
今回のゴムゴムエアマックスプラスの限定発売に伴う運営のゴタゴタは、個別の不具合というより、まさに昨今のナイキの業績低迷とリンクしているように思えてなりません。
まず、スニーカーブーム全盛期の時期と比べ、ここ数年のSNKRSはアクセス過多によるエラーやトラブルが多すぎます。
レアスニーカー市場は当時と比べて確実にシュリンクしており、SNKRSにアクセスする人の数は減っているにも関わらず不具合は増えているという状況がなぜ続いているのでしょうか?
ブームの終焉によってかつてよりアクセス数が減ったことに合わせ、ナイキ社がSNKRSの裏側を支えるサーバーを削減してしまった、という仮説はどうでしょうか?
いくら平均的なアクセス数が下がっていても、今回のワンピースコラボを始め、単発的にはナイキのスニーカーが注目を集める機会はまだまだ少なくありません。
そんな中、突発的なアクセスの激増に対し以前より少ないサーバー数では、1台あたりの負荷がかつてより上がりエラーや落ちやすくなる可能性は低くありません。
ただでさえブームの終焉や前CEOの失政の余波を引きずり業績や株価が低迷しているナイキ。
今回のコレクション自体のデザインや世界観の落とし込みは、決して雑ではありません。
問題は、それを渡す側の手順や体制が、渡される側の期待より何段も雑だったことです。
今のSNKRS事務局が本当に上記の仮説に基づく状況なのかは、外からは断言できません。
ただ、9月25日朝のアプリが示したのは、少なくとも大型コラボの運営をつつがなくやり切る力が今のナイキには足りていない、という事実です。
■さいごに
今回の記事では、ナイキからリリースされたワンピースコラボのスニーカーについて、購入レポートを含めてご紹介いたしました。
本サイトでは様々なブランドの歴史や人気の理由、マーケティング戦略などを解説しております。
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